設定資料集⑯
《ネアロペ大陸》
レフィリアやカリストロス、その他の六魔将らといった転移者たちが招かれた異世界の大半を占める人類の生活圏にして物語の舞台となっている大陸。
一応、それ以外の地域や国家の体制を取っていない文化圏も幾つか存在するが、今回それらについての説明は割愛する。また別の機会にて。
身も蓋も無い言い方をすると、いわゆるナーロッパ……もとい、ステレオタイプな中世ヨーロッパイメージの、よくある剣と魔法のファンタジーRPGの世界。または、古き良きJRPG風異世界。
あくまで大衆的なイメージの中の中世西洋風世界観なので、現実における中世ヨーロッパとは大きく異なる。実際にこの異世界の総合的な文化レベルは18~19世紀の中頃ほどであり、史実上の中世ヨーロッパに存在しなかったものなど幾らでもある。そもそも魔力とか魔法なんてものがある時点で)ry
有史時代からマナや魔力の存在が生活へ密接に絡んでおり、現実の電気と同じくらいに身近かつ必要不可欠な、無くなると全てにおいて酷く困る便利なものという扱い。故に事実上の魔力至上主義社会である。動作に魔力を一切用いないものは原始的、古臭いと捉える傾向がある。その為、純粋な物理科学が発展しにくい。
大陸内の国家に住む人類の割合だと人間種が圧倒的に多いが、エルフ、ドワーフといった亜人種にも基本的に同等の人権が与えられていて、ここ数十年は多種族共同体として同じ文化圏で生活をしている。
ただし、全く差別や確執が無くなったという訳でも無く、いまだに過去の人間対亜人連合による戦争の歴史を引きずり続けている者たちもいる。人類に亜人種は含まれないという、人間至上主義を掲げる差別団体が存在するのがその例。
物的、人的を問わず魔力資源の有無や種族間の問題などによって戦争の歴史はけして少なくないものの、皮肉にも魔王軍の侵略がきっかけで、存亡の為に人類一丸として纏まることを余儀なくされたので、現時点だと平和を求める意思は一つになっている。
ここから先はそんなネアロペ大陸にある国々の共通的な文化について説明を行う。
《農作物》
意外にも三大穀物の米、小麦、トウモロコシの全てが揃っている。ただし、どれが主流かは国によって大きく異なる。
因みに米は陸稲が大半(水稲も無くはない)で、しかも白米として焚くには粘着度が少なく、サラッとしている。調理する際はパエリアやリゾット向けで、現代日本人の口には合いにくい。
そもそも大抵の国家で一般的な主食はパンであり、米粉を用いたライスブレッドやトウモロコシの粉を使ったコーンブレッドなど、何かしらの手段や材料によって何処でもパンが作られている。
他にも農作物としては、大麦、ライ麦、燕麦、エンドウ豆、赤レンズ豆、ジャガイモ、オリーブ、ビート、トマト、キャベツ、レタス、人参、大根、長ネギ、玉ねぎ、茄子、南瓜、ホウレン草、唐辛子、サトウキビ、ピーナッツ等が確認されている。
果実だと苺、スイカ、バナナ、ブルーベリー、林檎、葡萄、蜜柑、梨、桃、サクランボ、梅といったところ。当然、これらはあくまで一例で異世界固有の作物や魔法植物も数多く存在する。
《嗜好品》
酒以外の飲み物でいうと、紅茶の他にコーヒーもまた愛飲されている。つまりはコーヒー豆が栽培されている。どちらが主流かの比率は半々といったところ。
ついでにいうとショコラトル――もとい、チョコレートもまた存在する。といっても現代日本のように誰でも気軽に口に出来る訳ではないが。
因みにクリストル兄妹の出身地であるエーデルランドはネアロペ大陸で最もチョコレートの生産が盛んな国として知られる。
更に言えば煙草も吸われており、大半は葉巻か煙管だが、紙巻き煙草のジョイントも一応は存在する。
《娯楽》
ネアロペ大陸内の国家では、何処でも大抵はテーブルを囲んで複数人で遊ぶボードゲームやアナログゲームの文化が盛んである。
昼間は外で働き、夜は家の中で家族や友人、仲間内と酒を片手に遊戯へ興じるのが、この世界でごく当たり前に見られる日常風景の一つ。
チェスやトランプのようなカード、ダイス等の現代日本人にとって馴染み深いものも似通った物品が普通に見受けられる。ただし、ギャンブルに関する規制は基本的にどの国でも厳しい傾向にある。
《薬物》
覚醒剤の原料になるものの栽培はこちらの世界でも違法かつ重罪。
それでも高性能な魔法薬の作成に用いられるものもある為、一部の魔法植物などはきちんとした国家資格を持った者が専用の施設にて限定的に取り扱う事例は特別に認められている。
しかし犯罪組織や反社会勢力が裏で密売している事実は、厳しく取り締まられているとはいっても中々後を絶たない。麻薬の一例として、大麻やコカインに似たものが確認されている。
また戦闘用の特殊ドラッグなんてものもあり、使用する事で痛みや疲れ、眠気や空腹を感じなくなったり、一時的に身体能力が向上するなどの様々な効果が齎されるが、それらは須らく何かしらの重い代償を支払ったり、深刻な後遺症を残す羽目になる。
《食料(保存食)》
長旅をしたりダンジョンに潜ったりする冒険者などには保存食の存在が欠かせないが、その主な例として干し肉や燻製肉、塩漬けや酢漬けの野菜、ドライフルーツ、クッキー、カ〇リーメイトもどきや粘土のような携帯食料、ペミカンなどがある。
また瓶詰めだけでなく缶詰もあるが、こちらは一般的に普及しているとは言い難い。因みに缶詰があるということは、ブリキを作り出す技術がある。
《食料(無い物)》
醤油、味噌、みりん、ワサビ等の日本的な調味料は流石に無い。あとマヨネーズもないが、似たようなドレッシングのソースが実は存在していたりする。
《宗教》
作中で描写されることは殆ど無いだろうが、物語の舞台である異世界にも宗教は勿論、存在する。
特にネアロペ大陸では、人間や亜人といった種族に関係なくその大多数がクロスティオ教、またの名を光十字教と呼ばれる宗教を信仰している。
因みにネアロペ大陸の全人口の半分以上がその信徒だとか。ただし、僧職や神官職を除いて冒険者をやっているような者は些か信仰心に乏しい傾向にある。
クロスティオ教は元々、有史時代からあった精霊神信仰から派生したものを起源としており、各属性に一つずつ存在する八柱の精霊神のうち、光のマナを司る精霊神クロスティオを神々の長として定義し、崇めている。
事実としてネアロペ大陸全土に影響力のある巨大宗教ではあるが、けして一枚岩ではなく、東と西で二つの宗派に分かれている。故に双方の総本山もそれぞれ、ナーロ帝国首都の黄金帝都とロスタリシア首都の白銀皇都にあったのだが、現在はどちらも魔王軍によって滅ぼされている。




