設定資料集⑭
《作中で登場したアイテム一覧》
『悪魔のモノクル』
魔王の私物の魔道具にして装備品。モノクルとは片眼鏡のこと。
遠隔透視及び視覚共有用のアイテムであり、装備者の視覚情報をセットの鏡に映し出すことが出来る。ついでに音声もある程度拾える。
実は身に着けると魔力がアップする。更に言うと、魔王はこの手の透視機能を持ったモノクルを数種類所持しており、中にはス〇ウターのように相手の能力を測れるものもある。
『遠見の水晶玉』
遠隔透視、または千里眼用の魔道具。物語の舞台の異世界では、魔法使いのアイテムとしてそんなに珍しいものではない。
水晶玉の中に直接映し出すものから、プロジェクターのように壁へ映像を投影するものなど種類が幾つか存在する。
便利なようだが、使用には専門の技術を持った使い手が必要。千里眼を扱えない者は、使い魔か魔導器を中継しなければならない。
『エリクシル』
高密度の魔力結晶体。見た目は真っ赤な宝石、または鉱石状だが魔法による変容で液化もする。魔力回復用アイテムとしては最上級。因みにこれの粉末を水に溶かした薬液がエリクサー。
作中では賢者の石と同じものとして扱われているが、厳密には別の代物。あくまで製法も効果も酷似しているだけの産物。材料には人間の魂を必要とする。
しかもゲドウィンが作り出していたものは、エリクシルの更に一つ上の段階にある“ハイ・エリクシル”にあたる。異世界の住人の技術で作成は不可能。
この結晶体はあらゆる属性の物質に無条件で変換することが可能なので、魔法用の魔力素材としてこれ程便利なものもない。故に魔力リソースとしてゲドウィンは自分の陣地で、とにかくこれを作りまくっていた訳である。
『魔光石』
グロウストーンとも呼ばれる。地のマナを含んだ、自発的に発光し続ける鉱石。昔は照明器具の代わりに用いられていた。
そのままだとやや薄暗い光量だが、職人や魔導師が手を加えることで強い光を放ったり、点滅させたり光の色を変えるなどといった事が可能。
エリジェーヌが支配していた頃のブレスベルクでは、ハーフドワーフの若旦那はこれを加工してライブ用のペンライトやサイリウム的なものを延々と作らされていた。
実は魔導妨害用の魔力欺瞞粉の材料にもなるが、作成には専門の高度な技術が必要。
『スターペンダント』
七つの宝石に繊細な加工を施して星型の枠に収めたペンダント。
ネアロペ大陸では装飾品型魔道具として最上級の品であり、世界的にも王家の人間など限られた者達しか所有していない。とっても超高価。
某国民的RPGでいうところのリボンくらい超強力な、耐状態異常や耐弱体化などの対魔性能を有する逸品。しかしそれだけの効果を持つアイテムでも、エリジェーヌのG.S.A.の無力化には至らなかった。
極めて高度な加工技術を持つドワーフ族の中でも一部の職人にしか作れないとされる。
『気付け薬』
賢者妹がエリジェーヌの洗脳抵抗用に作成したアイテム。小瓶に入った黄褐色の液体で、とにかく強い刺激臭がする。
現実の気付け薬とは異なる方法や材料で作られた、錬金術の産物。まともに嗅ぐと鼻の神経をやられる上に、下手すれば失神しかねない。
『ガルバニの腕輪』
電撃腕輪とも。賢者妹が個人的に作成した、対洗脳用の装備アイテム。
魔力を流すと代わりに電流が流れて、装備者に痛みを伴う刺激を与える。賢者妹はこれの外部刺激にて、ただ一人、エリジェーヌのドミネーション・アイズに抗っていた。
『バートリの鳥籠』
シャンマリーが賢者妹を捕縛するのに用いた魔道具。捕らえた対象を小さくして持ち運ぶことが出来る。
実は拷問器具にも転用でき、内側に大量の棘を生やした状態で籠を振り回すことで、中に閉じ込めた者をズタズタに傷つけることが可能な恐ろしい代物。
『魔物の因子』
オデュロの支配地であるナーロ帝国での人体実験的な計画に用いられていた魔法薬物、もとい魔性物質。作成者はゲドウィン。
真っ赤な液体がアンプルに似た形の容器に入れられており、これを背中から突き刺して脊髄に注入することで、対象の遺伝子を無理やり組み替えては魔物化した人類――造魔人へと変異させる。
あくまで実験を目的とした物なので、魔物の特性を得た人工魔人の能力には大きな個体差が生じるが、誰でも造魔人化できる訳ではなく、子供や老人、身体の弱い者などは負荷に耐えられずに衰弱死してしまう。
また変異段階で体質的に変異できなかった者も、理性の無いグール同然の怪物と化してしまう。
何にせよ、この物質を投与されて魔人化した人類には魔族への強制服従効果が掛かるので、抵抗を含めたあらゆる害的行為が不可能になる。
『魔封結晶』
ラスター族が超古代のテクノロジーで作る収納用魔力結晶。旧文明を象徴する技術の産物。
物品や魔法を中に封入して携帯することが可能で、魔力を流すだけで即座に中身を取り出したり、内包した魔法を発動させる事ができる。ただし解凍後は外殻が霧散消滅するので使い捨ての消耗品。
封じた物品は時間の経過や外の環境的要因による変化を一切受けず、重たい物を入れたからといって結晶自体の重量が増えることもない。ただし中に入れられる体積や質量には限界容量がある。重さのみだと、通常の魔封結晶ではせいぜい100キロ弱といったところ。
物品は容量を超えない範囲でなら何度でも中に入れられるが、取り出す際の解凍は一度のみしか出来ず、当然ながら内容物は一斉に外へ出てくる。逆に魔法は規模に関係なく一個の魔封結晶につき、必ず一つしか封じられない。因みに生物を取り込むは不可能。
完全に空の魔封結晶はきれいに透き通った水晶のようだが、中に何かを入れた時点で表面に曇りが生じ、魔法が込められたものは、その属性に応じた色に変わる性質がある。
『召喚用魔封結晶』
エステラの持ち物である召喚アイテム。
中にはアルバロン島の哨戒衛士であるラスターフェンリルと、防衛機構であるクリスタラー・ガーディアンが封じられている。
本来、魔封結晶に生物は保存できないが、召喚魔法として固定された精霊などは限定的に封入が可能で、上記の魔物もその例に含まれる。
特にこの二体は巨大怪物としての強力な戦闘能力に加えて不死身の再生機能も有するが、その性質故にアルバロン島の範囲内でしか呼び出すことが出来ない。
他にも似たような魔法生物を封印したものが数種類存在したとされるが、詳細は不明。
『亜空の水晶』
ゲドウィンが作り出した収納用魔道具。亜空水晶とも呼ばれる。形状は長方形をした平たい水晶板。
ラスター族の魔封結晶と機能自体は全く同じだが、実はこちらの方が性能的に上位互換。物品を収納する際に直接触れなければならない魔封結晶と異なり、こちらは離れた位置からでも写真を撮るように封入が可能。ついでに内容量も大きい上に携帯性にも優れていて、とても便利。
因みにゲドウィンなら本当は使い捨てではなく、何度でも繰り返し使用できる亜空水晶も普通に作成することが出来る。しかしそれを魔王軍に一般配備しようとしないのは、わざとであり、あくまで一介の駒に過ぎないNPCに余計な力をつけさせて管理の手間を増やさないようにする為だとか。
カリストロスの離反後、ゲドウィンは仲間の六魔将たちにだけ、使用回数制限の無い亜空の水晶を提供している。
『ソーマエキス』
シャンマリーが自分の支配地であるウッドガルドで生産していた魔法薬。
その正体は人間から体液を介して魔力や生命力だけでなく、精神エネルギーまで溶かして搾液し、抽出加工を施したポーション。青紫色の洒落た小瓶に入れられている。
飲むと賢者の石やエリクシル並みの回復効果があるが、魔族や魔人、悪魔といった魔性を持つ生物が服用すると、能力を大幅に強化させるドーピング剤としての効能も有する。
元はゲドウィンの発案で、オデュロの領地で実験されていた造魔人を正式に量産した際の育成用栄養剤に用いられる筈であったが、シャンマリーにとってはもはやその過程と手段が目的と化していた節がある。
別に人間の女性からしか作れない訳ではないが、あくまでそうしている理由の半分はシャンマリーの趣味趣向によるもの。
『魔導式拳銃』
シャンマリーが自作した拳銃型魔導武器。ベレッタM92そっくりのデザイン。
炸薬を用いた実弾ではなく、あくまで魔力弾を発射する二丁拳銃。故に弾倉をいちいち取り換える必要はない。
神秘貫通の効果は無いが、シャンマリーのG.S.A.を応用して作られた物なので、魔人であるカリストロスでも当たれば普通にダメージを負う程の殺傷力を有する。
『駆け落ちのペンダント』
ロズェリエが作成した装飾品型魔道具。薔薇のような紋様が刻まれたペンダント。
使用すると持ち主を一瞬で遥か遠い場所へ転移させる緊急離脱用装備。使い切り且つ転移箇所は指定不可だが、ランダム故に転移先を探知魔法によって特定することは出来ない。
上級規模の魔法妨害すら無視して空間跳躍が可能な、超一級品のマジックアイテム。二つで対になっており、片方が効果を発動させると、もう片方を所持した者も同じ場所へ瞬時に転移させられる。
『魔導拡散器』
エステラが右手に付けている、機械仕掛けの籠手型魔導装備。勿論、彼女の手製。
魔法の出力補助に加えて、いちいち魔法の全体化を掛けずとも複数の対象に状態異常やデバフ、強化の魔法を放つことが出来る強力な魔法装備。
『柘榴石のペンダント』
賢者妹の私物の装備品で、ガーネットが嵌め込まれている。身に着けると火属性の魔法の威力アップと火属性への耐性上昇の効果。幸運も僅かに上がる。
実は召喚用のマジックアイテムであり、幻獣カーバンクルを呼び出して操ることが可能。その見た目は某唯一王か、はたまた赤いフォ〇くん。
カーバンクル自体の戦闘能力は手練れの冒険者からすると見掛け倒しで大したことはないが、その身体は炎のマナで構成された精霊のようなものであり、物理攻撃は有効ではない。
本体はあくまでペンダントの宝石の方なので、こちらが破壊されるか術者の賢者妹が戦闘不能になるとカーバンクルは消失してしまう。
『水鉄砲型魔導式拳銃』
シャンマリーが自作した玩具。デザートイーグルにそっくりなデザイン。
実弾でも魔力弾でもなく、水鉄砲なので水を発射する。ただしシャンマリーのG.S.A.を用いて作られた物なので、普通の拳銃と同等かそれ以上の殺傷力を有する。
『サイゴの鍵剣』
メルティカがアルバロン島を襲撃した際に用いた魔道具。ゲドウィンが作成した、刀身が鍵の形をした短剣型の魔杖。
場所限定だが鍵の概念を強制解除する機能を持つ、何気にすごい魔導開錠装置。どこでもマスターキー。
これにより、本来ならラスター族が専用の呪文を唱えなければ入れなかった異次元へと、メルティカは部隊を率いて侵入を果たした訳である。
『細石の指輪』
蒼の獣団から提供された装備品。無色透明の小さな宝石が嵌めこまれたリング。団に在籍していた魔導師が作成したものらしい。
指に嵌めると、対象を認識阻害の効果により一種の不可視状態にする。いわゆる、未来の秘密道具の石〇ろ帽子のようなもの。
ただし効果発動中は魔力を消費し続ける上、あまりに大きな物音を立てたり、他の魔法を行使すると不可視状態が解除されてしまう。
『大淫魔の王冠』
レフィリア一行と蒼の獣団の女性陣がサキュバスクイーン撃破後に手に入れた戦利品。形状は精巧な作りをした、玩具のように小さな金の王冠。
被る、というか頭の上に乗せると自動的に変身魔法が掛かり、装備した者の種族をサキュバスクイーンにしてしまう。あくまで女性限定の装備品だが、意外にも特にデメリットはない。
一度変身すると元に戻れなくなるようなことはなく、使用者本人が王冠を取って術を解くか、残存魔力が三割を切ると変身状態が解除される安心設計。
サキュバスクイーン自体は上位種の強力な悪魔なので、淫魔固有の魅了や飛行能力、悪魔としての強靭な身体能力や膨大な魔力を手軽に得られることを考えれば、ものすごく便利で高性能な魔道具。
ただし変身した女性は、須らく露出の際どい格好になる。
『双子人形』
蒼の獣団のドクターが拵えた魔道具。ドルイドの技術が用いられた、玩具のような形と大きさをした木偶人形。
二つ同じものがセットになっており、片方を傷つけたり燃やしたりすると、対になっているもう片方の同じ部位にも同様の損傷が発生する。
どれだけ離れて隔絶された環境でも即座に効果が表れるので、魔導通信機が意味を成さない状況下での緊急連絡手段としてキャプテンに持たせられた。
『妖精女王の涙』
レフィリアたちと蒼の獣団が風精の谷で託された、龍都攻略用のマジックアイテム。見た目は角錐状をした紫水晶のような宝石を黄金の鎖で繋いだ、振子型の装飾品。
その機能は既に起動している魔術式を別のものに上書きするというもので、その効果も竜種のみに作用する猛毒の瘴気を発生させる魔法に限定されている。いうなれば、妖精種を虐げた竜の軍勢に仇なす事のみを目的としたメタ兵器。
そもそもこの魔道具はハーフフェアリーの少年の母親でもあった妖精の女王が死の間際に創造したものであり、彼女の思念の結晶体にして呪いの具現。故に当然、使い道自体も初めから定められている。
最上位の妖精が生み出した代物だけあって凄まじい魔力を秘めており、竜種特攻の呪詛と毒素は直接浴びれば、真性の竜種であるデルタドラゴンのアインすら一瞬怯ませる程の威力を発揮した。
『冷たい鉄の拘束具』
対妖精種用の手枷と足枷。神出鬼没で珍妙奇天烈、多種多様で気紛れな妖精なんて生き物を安全に管理するには打ってつけの代物。
妖精の害となる素材である“冷たい鉄”で作られており、これは妖精が直接触れると魔法や特殊能力が軒並み使えなくなる上、低温火傷のような症状まで発生させる。
他の生き物からすれば、触れるといつもひんやりするだけの不思議な金属にすぎないが、何処でも簡単に取れる訳でもない。
『認識阻害の結界石』
賢者妹が作成したステルス用魔道具。紋様が刻まれた小石を一定間隔で撒いて囲い、その範囲内の物体を外から視認できなくする。
作った本人曰く間に合わせの急造品で、材料と道具に余裕があればもっと高性能なものを作れたとのこと。
蜃気楼のように周囲の地形に依存した迷彩を展開するので、周りに何も無い更地のような場所だと効果を発揮できない。
『透視眼鏡』
魔王軍の監視員やメルティカが身に着けていた、隠蔽魔法看破用のメガネ型魔道具。
作成者はゲドウィンで、見通しの遠眼鏡と同等の能力があるが望遠機能まではついていない。
対魔法用装備としては便利だが耐久性は脆弱で費用的にも高価なので、あくまで一部の部署に必要数しか配備されていないとされる。
メルティカのものだけは、機能的にもデザイン的にも特注品。偽装を暴く以外にも様々な解析や透視機能を備える上、他の六魔将のメンバーにも配られているとか。因みにデザインは、眼鏡に拘りのあるシャンマリー監修。
『閃光飛礫』
賢者妹と女発破師が共同作成した、魔力式の閃光手榴弾。形状は楕円型をした小さな宝石のようなもの。
二人は大したことない代物だというが、その効果はスタングレネードそのもので、まともにくらうと失明したり鼓膜や三半規管に甚大なダメージを負うだけの威力がある。
出力を調整して、癇癪玉程度に威力を抑えたものも後で作られた。どちらにせよ、魔力を流して投げるだけで発動させられるお手軽防犯装備。
『戦線攻略』
ネアロペ大陸では割とポピュラーなボードゲームの一つ。基本的に二人用だが、拡張して多人数プレイも可能だとか。
異なる地形のシートが数枚と、チェスのように兵種で分けられた駒の数々でセットになっている。
両者は決められたコストの中で交互に駒を動かし合い、相手の兵を全滅させるか王を討ち取るかで勝敗が決する。まんま聖〇戦線。
『妖精門鍵』
エステラが作成した妖精門転移用魔道具。形状はクレカくらいの大きさをした金属板。
これがあればラスター族がいなくとも、誰でも妖精門を利用することが出来る。むしろ本来ならラスター族の彼女が作ってはいけない、禁忌のアイテム。
超古代の遺跡で使用した場合、遺跡外からだと遺跡内の決まった場所に転移するが、遺跡内からだと妖精門鍵を使用した者が出入りした地点へと転移する。
効果の発動には専用の呪文を唱える必要があり、その際に転移魔法を行使した判定となるので、他の魔法と併用できない一部のアイテムはその時点で効果が解除されることとなる。
後に女神ミシュタリアによって、彼女だけから一方的に交信が可能な機能を勝手に付け加えられた。
『血薔薇の呪刻入りロケット』
ロズェリエが作成した装飾品型魔道具。薔薇のような刻印が彫られたロケットペンダント。
使用すると持ち主を瞬時にロズェリエの元へと強制転移させる。いうなれば逆サモンアライズであり、特に詠唱や術式を用いず対象を瞬間転送させられる超一級のマジックアイテム。
しかもこちらは駆け落ちのペンダントと違って、何度でも繰り返し使う事が可能。ただし魔力の補充は必要なので、無補給だと一度の戦闘に一回しか発動させられないのは変わらない。
『ギュゲスの指輪』
ブレスベルクからエーデルランド王家を通じ、レフィリア一行へ贈答品として渡された金環。製作者はハーフドワーフの若旦那。
細石の指輪の超々上位互換にあたる、認識阻害の魔法効果を有したアイテム。価格をつければスターペンダントと価値の変わらない、超高級品。
燃費は前者の半分以下なのに効力は倍以上で、いちいち使用の度に着け外しをする必要も無い。ついでに装備者本人だけでなく、直接触れた他の人間や乗り物すら不可視状態にすることが出来る。
ただし攻撃態勢に移ったり、他の魔法を行使すると視線避けの効果が解除されるのは同じである。
『自白剤』
賢者妹が風精の谷で分けてもらった、妖精の粉などの貴重な素材を用いて錬成した魔法薬液。
飲まされた対象は正気の状態で強力な催眠にかかり、本人は危機感を抱くことが出来ないまま、質問された内容に素直に答えてしまうようになる。
実は効能的にも材料的にも法に触れる危険なドラッグに分類されるので、作成はおろか所持しているだけでも重罪に問われる。
『魔導通信用バッジ』
賢者妹が作成したピンバッジ型魔道具。音響魔石という素材が使われている。
性能的にはトランシーバーのようなもので、効果範囲は200メートル前後といったところ。使い魔や魔導器による中継を挟むことで500メートルくらいまで有効範囲を拡張できる。
便利ではあるが、基本的に軍隊同士がぶつかり合う戦場では魔導妨害が敷かれているものなので、そういった環境下ではあまり機能を発揮できない。
『魔弾避けの護符』
オデュロがゲドウィンから手渡されていた、対カリストロス用装備の一つ。
所有者を対象とした魔弾による追尾機能を無効化する為の代物だが、カリストロスの能力が強すぎた為に通用しなかった。
『影写しの呪符』
オデュロがゲドウィンから渡されていた、対カリストロス用装備の一つ。見た目は赤い人型の紋様が刻まれた黒いお札。
使用した者とそっくりの姿になって別の方向へ逃走する、魔弾などの自動追跡型能力を無力化する為の魔導式デコイ。
相手から受けた標的指定効果を強制解除する上に、後から追尾性のある攻撃や呪詛を仕掛けても自動的に囮側へ狙いが吸い寄せられてしまう便利な妨害機能を有している。
『竜呪血晶』
真性の竜種の血液を特殊な魔法技術によって凝縮且つ結晶化させた、伝説級のレアアイテム。形状はその名の通り、辰砂の宝石に酷似している。
摂取すると心臓が竜種化し、それに伴って全身を竜の血が巡る事で肉体がとにかく強靭になる。超人的な身体機能に加えて膨大な魔力も手に入るので、戦士職だとか魔法職などと関係なく、冒険者にとっては喉から手が出る程欲しがられるような極めて希少な代物。
ただし誰でも服用して無事に済むかというと別にそうでもなく、加えて竜の力を手にした人間には何らかの運命が待ち受けるとされる。
因みにこのアイテムは竜特性を得られるだけで種族的に竜種化する訳ではないので、メルティカのドラゴンレガリアで支配されることはない。それでもG.S.A.の特攻及び特防効果の対象にはなるので、戦った場合はものすごく不利には違いない。
『スード・ティンクトゥラ』
ロズェリエが作成した赤い飴玉状の魔力結晶体。
過去にシャンマリーから贈答されたソーマエキスを真似て作られた代物で、効能的にも疑似ソーマエキスといったところ。故に単なる魔力補給だけでなく、種族が魔人であるカリストロスの能力を一時的にブーストさせられる。
人間の魔力や生命力だけでなく魂も原料にしていることから、疑似エリクシルとしての側面もある。どちらにしても、シャンマリーやゲドウィンが量産していたものよりかはランクが下がるが、それでも魔力回復用資源としてはかなり優秀。
そもそも専用の設備がないので仕方がない。
『ガンドルフィン』
ロズェリエが気まぐれで製作した魔弾射出限定型短杖。形状はリボルビング・ライフルのコルトM1855に似ている携行魔導武器。
実は銃器の見た目をしているだけのれっきとした魔杖であり、構造的にはモデルガンと大差ない。これは作ったロズェリエ本人が銃本来の知識を持たないので仕方がない。
しかしその威力はアダマント製の鎧なら一発でぶち抜ける程に強力であり、少なくとも対物ライフル級の破壊力を持った弾丸を発射可能。しかも反動無しに連射まで出来る。カリストロス曰く、魔力式ビームライフル。
これはロズェリエがスード・ティンクトゥラ錬成時に生じる魔力生成物の残り粕を再利用した、高密度の魔力結晶体をエネルギー源にしている為で、機能的には単純ながら異世界転移者以外を相手にする上では非常に強力な武装。
拳銃型のくせにライフル並みの大きさだが、普段は腕輪に変化させて携帯することが出来るなんとも便利な設計。
『クロスクローバー』
エステラが賢者妹とともに作成した、ロスタリシア用装備の護符。
ロザリオのような十字架型をした金具に四種類の宝石がそれぞれ嵌め込まれた、四葉のクローバーを模したデザインの装飾品型魔道具。スカイヴラズニル号の船内で見つかった素材を元に作られた。
分類上は魔除け装備にあたり、火、水、風、土の四属性の魔力攻撃を弾く効果がある。ただし完全に防ぎきれるのは初級魔法規模の威力のみ。
というのも本来の用途は周囲環境の影響や負荷から装備者の負担を取り除く為のものであり、豪雨や吹雪、突風、落雷などからの防護、はたまた100度からマイナス100度までの過酷な温度変化をも凌ぐことが可能。
更にコメットの持つ魔封じの十字杖とリンクさせた事により、限定条件下において完全状態異常耐性を付与するアイテムとしての機能も得ることになった。
『闇天黒晶』
ゲドウィンが作成したとされる魔力結晶。黒水晶のように真っ黒な、手のひら大のクリスタル。
通常の亜空水晶では中に入れられない生命体を封印してしまう事が可能な物体。ただし亜空水晶と異なり、対象へほぼ接触するくらいまで近づく必要性がある。
この水晶に封印された者は他のクリスタル系アイテム同様、時間の経過や外部の環境による影響を一切受けないものの、水晶自体が砕け散るぐらいに破壊されてしまうと中の生命も致命的なダメージを受ける事となってしまう。
初めから誰かを拉致して人質にする為に生み出された悪質な魔道具。
『魔王の首飾り』
魔王が前大戦で勇者エメルドに敗れた際に紛失し、偶然エメルドが拾って鑑定後、そのまま保管していた豪奢な装身具。
黄金造りの鎖帯に繋がった装飾には大粒の紅玉が嵌め込まれており、魔力を流すことで宝石部分からは、魔王の伴侶であった女性の姿を立体映像のように投影できる。
これは膨大な魔力でも悍ましい呪いでもなく、今は亡き魔王の妃の魂のほんの一欠片が封じられているからであり、それ以外にこれとった装備効果は無い。
単に高価なだけの素材で出来た、防具ですらない装備品など魔王にとって何の価値も無い筈なのだが……?




