デリヘル呼んだねお兄ちゃん。
やばいやばいやばい、童貞捨てよマジ捨てよ。
人生でこれほど真剣に童貞と向き合った事はない秋原。お母さん世代と色恋はかなり抵抗が御座いましてよお姉様。何だよ先輩も課長もドイツもコイツもはぁーーー???いっそ開き直ってドーンと恋、今まで通りこの身を時の流れに身を任せてテレンス・リー。人生、諦メロン?まだだ、まだ終われない、終われない戦いがある。24時間を切った秋原の戦いはこれからだ。
帰宅したアパートの部屋で正座をしながら、目の前のチラシを見つめる秋原陽一29歳11ヵ月29日、時間は割愛。そう言えばここんとこ毎日デリヘルのチラシがポストに入ってる。デリヘルったら負けかなと思ってました。ちょっと風俗怖いよね、何か比較対象されてそうだし、そもそも女性の前で脱ぎ脱ぎする想像が出来ない。脱ぎ脱ぎってお前。あー何かチラシだけで使えそう、何この子可愛い。秋原は真剣に向き合っていた、己の、己の欲望と可能性に。潔く明日を乗り越えるか、最後まで諦めず抗って散らすか童貞、どうするDOするハウスDO!。時間はまだ10時、スマホで…頼んじゃおっかな…
チラシのQRコードを読み込むと繋がるお店のサイト。今日の出勤?スクロールすると目線を隠した女の子たちの写真…ん?なんかみんな、髪型とか色とか違うけど似てね?あーこれAIかー。好みをスクロールして下さい?何これカスタム出来んの???好みに合った女の子を派遣型だ!すっげ!とりあえず美乳、小柄、髪は…つ、ツインテール…んだよこの選択。色?あーピンク?キャラ設定??ボクっ子???何だこれ。
秋原陽一29歳11ヵ月29日、己の性癖と向き合う。
登録して数分後、秋原のスマホに着信が入る。
「ありがとうございます!カスタムメイト中野店です!」
「あ、ども…」
「本日はご利用ありがとうごいざいます!」
「は、はい」
「一時間ほどで到着いたします!いましばらくお待ちくださいっ!」
「お、おなしゃす」
最後に緊張で噛む秋原29歳。営業電話よりもデリヘルの電話に緊張する男。だがしかし…妙に、聞き覚えのある声してなかった、か?いやでもだいぶトーン高いしそもそも相手は女のコだし…
一時間が過ぎた。もう11時半。遂に…さらば童貞のお時間デス。ピンポーン、と鳴るインターフォンが待ち遠しくて。
「あ、はいはいはーい!」
「遅くなってごめんなさい…」
ドアを開けると小柄なツインテールのミニスカート。っひょー!!!
「どど、ども」
「はじめまして、ユウです…ボッ、ぼく」
「ん?」
何だろうこの子の顔、既視感ありありなんすけど・・・
「がんばるから、お兄ちゃん」
…お、お前…夕輝じゃねえかッ!!!
「何してんの…」
「呼ばれたから」
「呼んでねえよ?」
「…」
「まあ取り合えず入れや」
開けっ放しの外び立たせておいても誰に見られるか分からない。半ば強引に引き入れる。
「お兄ちゃん、強引だよぉ」
「いやいやオカシイだろ!なんでなんでなんでッ”!!!」
今日が…初めてのデリヘル記念日。この俺が、いいねこの子と頼むから、誕生日前デリヘル記念日。人生を…返せッ!!!秋原は泣いた、心の奥底で。
「悪いお兄ちゃん、デリヘル呼んでる」
「お前だよ!!!」
そう、彼は年の離れた唯一無二の美少年な弟、秋原夕輝14歳。15歳差の…かっ、可愛い……ぐぬぬ、弟じゃ。
「帰れお前」
「嫌だよ」
不貞腐れた様に返すユウ。
「お兄ちゃん全然帰って来ないじゃん」
「近いから一々帰らねえよ。中野と下北だろが」
「ボクは寂しいな…」
「また今度帰るから、今日は帰れ」
「…」
しょぼ、っと俯くユウ。女装?初めて見たんだけど。いや確かに…可愛いけどさ、ベースがいいから、良すぎるから!でも兄として女装は…ちょっと…っておい
「お前押し付けんなって!!」
ぎゅうっと体を寄せて抱きついてくる弟。右手がヤツのグレイゾーニングに
「…当ててるんだよ」
頭一個下の位置からあざとすぎる上目遣いビーーム!!!って違う違う、そうじゃない。




