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魔大樹ライフ!  作者: てるてる
13/25

11話 封印の破壊方法



 とりあえず目標値であった高さ五十メートル、太さ直径八メートルまで大きくなることに成功した。


 ……このサイズになるまで約二十日。長かった。


 流石にこのサイズとなると生命維持に必要なエネルギーもかなり必要になっているのだが、そこは地下から補給するから問題ない。

 それに、今回の作戦は地下のエネルギーをなくすことに意味があるからむしろちょうどよかったとも言える。



 今回の作戦は、ズバリ、封印の破壊!


 前回、物理的に破壊しようとして何らかの防御機能が発動してしまい根っこが一本お釈迦になってしまった。


 この時点で力ずくの方法では無理だと判断。

 俺は違う方法を探すことになったのだが、そこで一つひらめいた。


 つまり、『封印の周りのエネルギーを全部失くせば、封印は維持できなくなるのでは?』ということに。


 それをひらめいた時、俺って天才かなー?、と思ったが、同時に問題があった。


 ーーこの量のエネルギーを失くすのって無理じゃね? という問題である。


 この作戦を思い付いた時点での地下のエネルギー総量は、最大の四分の三程度。これでもかなりの量だ。

 仮に俺が最大まで自分の中にエネルギーを貯蓄しても、四分の三の内の十分の一も減らないだろう。


 しかも、地下のエネルギーは自動的に周囲から補充される仕組みになっているから、放っておくとすぐに元の量に戻ってしまう。


 

 というわけで、何かしらの方法で一気に大量のエネルギーを一回で封印の周りから消して、その後封印にエネルギーを近付けさせない必要がある。


 そうすれば、封印のエネルギー補給を断つことができて、封印が解かれると思う。……多分。


 ……一応、サブプランも用意しているのだが、これは正直やりたくない。

 何が起きるか分からないからな。


 まあとにかく、大量のエネルギーを一度に消費する方法なのだが、おそらく空中放出が一番手っ取り早い。

 だが、俺が開けた穴からは集められたエネルギーの一部が放出されているだけで、そんなに大量に出ているわけではない。

 どれだけでかい穴を開けても、前回同様にたくさんのエネルギーが一気に放出されるということは起きない可能性が高い。

 それに仮にうまく行っても、空中放出されたエネルギーは空を覆う雨雲に吸収されて前回以上の嵐が起こるかもしれない。……もう天変地異レベルかな?


 ……それは絶対に嫌だ。


 というわけで、まあ次に思い付く妥当な方法。


 普通に俺が大きくなって俺が吸収するという方法に行き着く訳だ。


 なので俺はこの通り、高さ五十メートルの太さ直径八メートルの大木に成長した。

 もうここまでくると大木というより大樹だな。……黒くて、光沢により紫がかって見える幹が美しい!


 成長する際にエネルギーをたくさん使ったので、地下のエネルギー量は五分の三まで減った。


 日々の生命維持のエネルギー補給も含めれば、半分は位まで行くかなー、と思ったが、やっぱり無理だった。成長に二十日間も費やしたから、その間に地下のエネルギーが少し補給されてしまったからだろう。

 本当は一気に成長した方が良かったのだろうが、それは俺への負担が大きすぎるから、まあ仕方ないことだろう。


 プラマイゼロで四分の三から減らないということになるよりはましだ。


 それで残った五分の三をどうするかだが、次はこれを俺が貯蓄する。


 サイズもでかくなったことで、容量も増えたから多分ギリギリいけるんじゃないかな……?


 そこら辺は実際に吸収してみないとわからない。

 ……俺も自分が貯められる最大量はわからないし。


 まあ無理だったら、その分は仕方がないので俺を通じて放出する。


 確実に嵐が起きるだろうが、仕方がない。諦めよう。


 俺を通じて放出出来ることは確認済みなのでそこは問題ない。




 ……さて、条件は揃った。


 まずエネルギーを可能な限り吸いとる。


 無理な分は空中放出で、とりあえず封印の周りからエネルギーを一時的にでも失くす。


 これで封印が維持できなくて消えればいいが、おそらく駄目なので、次はその状態を維持する。


 多分、厳しい感じになるが、時間経過で封印がなくなる可能性の方が高いし、もしかしたら封印の中から自力でヤツが出てこれる可能性も出てくる。

 既に話は通してあるので問題ない。


 ……でも、それでも無理な可能性もある。


 そうなったらサブプランに移行する。……正直、移行する前に終わってほしいところではあるが…。


 それで無理ならもうお手上げ。


 現時点での封印を解く方法はないということで諦めるしかない。


 まあ、俺はこの作戦でいけると確信しているのでそんな時のことは考えてないが……。


 

 準備は整った。


 最後に、封印に自分の根っこを巻き付け覆う。

 ここで締め上げると防御機能が働いてしまうので優しい感じに。


 そして、ヤツ話しかける。


 結局、名前を聞き出すことは出来なかったから俺はヤツと読んでいるが、彼?彼女?ともそれなりの関係が気づけたと思う。


 封印から出てきたときに会うのが楽しみである。


 大丈夫か? と聞くと、不安そうな感情が返ってくる。


 まあ仕方のないことだが、とりあえず、覚悟を決めろ!と言っておいた。

 すると、少し驚いたようにした後、直ぐにやる気ある元気な感情が返ってきた。




 ーーよし、これでいけるな。



 大丈夫、なんとかなる。


 ザワザワと世話しなく揺れる葉っぱを落ち着かせて、俺は覚悟を決めた。


 よし! やるぞっ!


 そこから一気に地下のエネルギーを吸い始める。


 すごい勢いで自分の中にエネルギーが貯まっていく感じがするがまだまだ余裕そうだ。

 だが、地下のエネルギー量もまだまだ大量にある。


 ようやく半分を切ったようだが、それでも多い。


 ……そして、地下のエネルギー量が五分の一になったところで、そろそろ俺の容量に限界が見え始めた。


 くそっ、やっぱり少し足りないか!


 一応、限界越えても吸い続けるが、本当に駄目そうなら空中に放出する。

 限界容量より少し位越えても大丈夫だが、恐らくは……、


 ついに限界容量! まだいけるが地下に残っているエネルギーを全部吸うには無理がある。


 ……仕方ないか…。


 俺は枝葉から少しずつ、エネルギーを空気中に放出する。


 よし、これでまだいける!


 そして遂にエネルギーがなくなった!


 だが、封印がなくなる気配はない。

 しかし、これも計画の範囲内。


 そこで次に俺は封印に集まるエネルギーを吸い続ける。


 このために封印を覆うような形で根っこを巻き付けたのだ。

 封印がエネルギーを吸収する前に俺が吸い取る。

 これで、封印にエネルギーが一切入らない状態にする!


 この状態を維持して、あとは待つ。


 正直辛いがここは我慢。


 まるで満腹を通り越して、嘔吐しそうな感じだが、ここで一気に吐き出すと地上にエネルギーが還元されて巡りめぐって封印に集まってくるので耐えるしかない。


 それに、ここで雨雲に吸収されて嵐が起こるのは避けたいしな。


 だから、空気中に放出するのも少しずつ。これなら地上に還元される量も雨雲が吸収する量も少なくなる筈だ。


 そして、封印の中ではヤツが頑張っているようだった。一生懸命な気持ちが伝わってくる。

 おそらく、封印にエネルギー補給がされなくなったことに気付いたのだろう。


 だが、それでも封印はなくならない。


 それどころか、なんと俺の根っこを通じてエネルギーを少しずつ吸い始めたのだ!


 これじゃあ、この状況を維持する意味がない……!


 やはり、サブプランを実行するしかないか……。



 ーーサブプラン。


 封印の周りのエネルギーを失くしても暫くは封印を維持できる可能性も考えなくはなかった。

 それまで持久戦が続けばいいが、あまり長引くと俺にも限界が来るかもしれないし、予想外の事態も起こる可能性がある。


 そこで考えた、もし万が一の時の最終手段。


 それは、貯め込んだエネルギーを一気に封印に流し込むことだった。


 ようは大量に流し込んで封印をショートさせて破壊する作戦である。


 機械ならこれで壊れるが、封印なんて未知のものにも通用するかは正直不明だ。


 たが、俺はこれはかなりの高確率で成功すると踏んでいる。

 ……根拠は俺の勘だが。





 貯め込んだエネルギーを一気に封印に流し込む!


 すると封印がプルプル震え始めたのだ!

 これはいける!


 俺はさらにエネルギーを流し込んだ。


 だが封印もただ黙ってやられるつもりはないようだ。


 あの高圧電流のようなものが俺の根っこを襲う。


 一気にボロボロになる根っこ……。


 だが、それも俺は考慮済みだ!


 待機させておいた別の根っこで再び覆ってエネルギーを流し続ける。

 その間に、ボロボロになった根っこも再生させて待機させる。


 この繰り返しで、封印を壊す!


 ……あとちょっと、あとちょっとでいける筈なんだ!


 

 俺はさらにエネルギーを大量に流し込んだ。


 封印の抵抗も増してるようだが、関係ない!

 ここで一気に終わらせる!






 ーーその瞬間は、唐突だった。



 ピシリッ、と何かヒビが入ったような音が聞こえ、そして連続してその音がなり続けて、封印を覆っている根っこの隙間から眩い光が漏れ出す。


 ……ピシリ、ピシリと続けて、ふと、音が聞こえなくなった。



 ……その次の瞬間、



 黄金の光の奔流が、漆黒の大樹が開けた穴を通って天空に放たれる。


 その光の奔流は濁流のように天に上っていき、分厚い曇すら突き抜けた。




 その現象は、その世界全てで感じられ、後にこう語り継がれた。


 ーー曰く、『神の復活』と。





 



 ーー主人公成長日記


 主人公=漆黒の大樹


 大きさ=五十メートル 太さ=直径八メートル


 かなり大きくなった。

 

 何かやらかした。



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