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無人機と野菜。

あの滑走路から離れてから数日経った。

あれからただ、食べて歩いて寝て歩いて……。

そんな生活をずっと繰り返した。

そしてあの街を抜け、明らかに景色が変わったころ。




「明らかに自立兵が多いな。」

ここら辺は確か大国と俺らの国の激戦地だったはずだ。

だからか、そこらへんに薬莢が散らばり、自立兵が闊歩していた。

死体だって十歩歩けば一つある。

機械の残骸だって二十歩歩けば一つある。

死体を回収することすらかなわなかったのだろう。

俺はそんな戦争の跡を見ながら自立兵をできる限り避けていた。

ここは激戦地だったということもあり、自立兵の性能がいままでの二倍ぐらいいい。

真っ向から戦えば、一体なら勝てても応援を呼ばれて終わりだ。

だからビルの影に路地裏。いろんなところを通った。

だが、それもそろそろ無理らしい。

ビルから少しだけ頭を出す。

「あぁクソ。」

路地裏にも自立兵が回っていた。

だからといって大通りに出れば今まではなかった自立兵の自動迎撃兵器にハチの巣にされる。

どうしようか。

どうやってもおそらく死ぬ。

路地裏を戻って迂回するか?

だが、これ以上迂回すると道がわからなくなってくる。

そんな風に頭を抱えているとふとマンホールを見つけた。

……。いや、やめよう。人として大事なものが失われる気がする。

だが、俺はほんの少しだけ確認してみた。

中にはほとんど水はなく、特段汚れた感じはなかった。

そのうえかがめば歩けるぐらいの広さはあった。

暗いが、俺はライトを持っている。

……。まぁ。下手に路地裏に行けば見つかるかもしれない。

それに今更人として大切なものよりも命の方が大事だろう。

俺は意を決してその中に入った。

ライトをつけてみると道が途中で途切れているなんてのはおそらくないと思えた。

俺は上のマンホールを中から元に戻す。

一瞬で中が暗くなったが、ライトをつければ暗闇はほのかな明かりで照らされた。

少しかがみながら前に移動していった。




どれくらい移動しただろうか。

もうほとんどわからないが、そろそろいいだろう。

俺は上のマンホールを中から思いきり押した。

ガコッという外れる音が聞こえ、ライトの光のみだった暗闇に外の光が入り込んだ。

暗闇に目が慣れてしまったせいで目がちかちかする。

とりあえず周りを見渡すが、自立兵はいない。

さらには明らかに街の郊外に来ていた。

「ラッキー。」

そう呟き、外に出た。

「こんなに外って明るかったんだな。」

素直にそう思った。

暗闇に目が慣れてしまったせいか周りがずいぶん輝いて見える。

少し休んでから移動しよう。

目を慣れさせた方がいいだろうしずっとかがんでいた影響で腰が痛い。

少し休養を取った。



「さぁ。そろそろ行こうか。」

そういい立ち上がる。

目指す方向は変わらず。

大国だ。

俺はとりあえず路地裏から少し顔を出した。

だが、その判断は大間違いだったようだ。

すぐそこに自立型二足戦車がいた。

さらにはこちらを向かれた。

俺はすぐさま回れ右で逃げた。

あいつはでかい。狭い路地裏には来れないはずだ。

だが、そんな希望を一瞬にして砕きやがった。

ビルとともに。

おかしい!絶対におかしい!

自立型二足戦車はビルに思いきり蹴りをかまし、粉砕していた。

あのクソデカロボットが!

そして今更だがグレネードランチャーがあったことを思い出した。

おそらく一切きかないと思うがそんなの関係ない。

このグレネードランチャーは破壊が目的じゃない。

足止め。あわよくば撃破。

そういうやつだ。

この世の戦場が機械化され、ほとんど血が流れなくなった戦争。

機械は人間とは違う。血が流れない。

電気で動く。

つまりこのグレネードランチャーはその電気の流れを無理やり捻じ曲げる電磁波を放つものだ。

もうすでに中には電磁弾が装填されている。

俺はグレネードランチャーを取り出し、照準もつけずに後ろに銃口を向ける。

「死ね!無人機が!」

引き金を引いた。

いつもの銃のように銃声が響くわけでもなく、放たれた。

俺は一瞬後ろを向く。

そこには一時的に動きを止めた自立型二足戦車がいた。

この一時的が欲しい。喉から手が出るほど欲しい。

それを俺は手に入れた。

そいつにさっきのグレネードランチャーの銃口を向け、装填されているすべての電磁弾を置き土産にしてやった。

そのまま俺は走って郊外から抜けた。




はぁ。はぁ。はぁ。

疲れた。あれから無我夢中で走り続けた。

後ろを振り返ってもあいつはいなかった。

俺の勝ちだ。

俺は休むために近くのビルに入った。

ここはどこだ?おそらく一直線に走っていると思うが一応確認したい。

ということでビルの二階に上がった。

やっぱり二階にはパソコンが多数置いてあった。

「さぁここに予備電源は……。」

あることを祈り、電源ボタンを押した。

本当に運のいいことにモニターに画面が出力された。

ラッキーだ。

俺は予備電源がもったいないので急いでここはどこなのか確認する。

最後にGPS受信したのが残っているはずだ。

それを確認すると、ちゃんと一直線に行っていたらしい。

それならいい。

そこで俺はふとあのUSBのことを思い出した。

取り出して挿してみる。

そうすると確かにUSBが認識された。

その中身を見ようとクリックした。

すると画面に、

〈問題が発生しました。データ領域が大きすぎるため表示できません。〉

そうでた。

どういうことだ?

データがでかすぎてこのパソコンじゃダメということか?

……まぁしょうがない。

というかおそらく大国につけばもっと高性能なものぐらいあるだろう。

また、大国に行く理由が増えた。

そう思い、俺はパソコンの電源を落とした。




あのビルから出て少し歩いた。

少しずつこの町がわかってきた。

ここは珍しく農業が主な産業らしい。

技術が発展したので合成肉や合成野菜などが簡単に作れるようになった。

それが主食となっていたわけだが、ここはそんな中で野菜を作っていたらしい。

まぁ実際金持ちなんかは生野菜は高級食材として食べていたわけだし。

レアメタルを売るみたいなものだろう。

なんでこんなことがわかるかというとその農業工場にいるからだ。

どうやら栽培していたのはニンジン、キャベツ、ジャガイモ。

この三つらしい。

全部土で作る食材だが、明らかに土じゃない。

おそらく生ごみなんかを特殊分解させた後だろう。

技術ってすごいな。

まだ野菜は栽培、というか植えられたままらしく、ところどころに緑色が見えた。

「せっかくだし。」

放射線がどうかと思うが、それなりに密閉されていたし大丈夫だろう。

それに今更だ。

ガラスを開け、中のニンジンを引っ張ってみる。

スポッと抜けてオレンジ色の実が出てきた。

案外食べられるかもしれない。

他のニンジンを引っこ抜いてみるが、すべて色は正常。

大丈夫そうだ。

キャベツは外から見れるが、ところどころ腐っていた。

だが、あまり腐っていない個体もあったので食べられるかもしれない。

ジャガイモも抜いてみる。

……結構根を張っているのかかなり固い。

思いっきり引き抜くとブチッという音がしてちぎれた。

……しょうがないので土を掘ってみる。

うん。ジャガイモはいろんな環境で育つだけあり、見た目は大丈夫そうだ。

あれ?案外全部食えるんじゃないか。

今更だが、俺の持っていた機械は放射線を測れる機械があった。

測ってみると別に大丈夫だった。

「食えるじゃん。」

おそらく生ものなので外に出せば一発で終わるとは思うがここで食べればいい。

ちょうどいいご飯だ。

まずはニンジンを一口かじる。

カリッという音が聞こえ、口に甘みが広がった。

「甘ッ!」

さすが金持ち向け。

初めて食べた生野菜ということもあるかもだが、かなり甘い。

おいしい。

次はキャベツを食べてみた。

シャキッという音が聞こえ、口の中に何とも言えないおいしさが来た。

このおいしさが表せない語彙力の低さが嫌だがしょうがない。

とにかく水気があり、おいしい。

次はジャガイモだ。

皮をむかなければいけないが、まぁ何とかなる。

さらに金持ち用らしく芽はなかった。

どうやって繁殖して栽培するんだろう。

だが、そんなこと気にしたら負けだ。

そのまま思い切りかじった。

「うめぇ。」

すさまじくおいしかった。

とにかくおいしい。

どうおいしいとか説明できないが、とにかくうまい。

ここは天国か……。

俺はそうやって久しぶりのうまい飯を味わった。

読んでくださりありがとうございます。今後も読んでくださるとうれしいです。なんか最近表現が退化しているような気もしなくはない……。できる限り頑張ります。評価等お願いします。

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