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64.餓狼惨歌

 機国イズセラ西部にて。

 【チーム・アーセナル】・【チーム・エナジー】連合軍本軍は、自分たちの悪事を止めに来るとする他チームを、次々と塵芥に変えてやった。

 両チームリーダー、デリトソースとキラリエルの専用機を筆頭に、その軍は他のチームとは一線を画す性能の機体が揃っている。

 なので次々と増える鉄くずの山は、無念な話だが、こうなることは当然の帰結だった。


 そんな精鋭機揃いの連合軍本軍の中に、明らかに戦闘能力が無さそうな装甲車が一台紛れていた。

 

 その後部座席のど真ん中で、いかにも傲慢そうに足を組んで座る男が一人。


 彼の名前は、ギアディオ・テクノロジオ。

 時国ランニバーニの八大ギルド【テクノロジオ連合】のマスターであり、今回の騒動の元凶だ。

 彼はアーセナルとエナジーに、莫大な報酬を約束しつつ、その対価として自分をイズセラの【化神官】にすることを求め、今のようにイズセラ侵略の手駒に変えたのである。


 ここでチーム・エナジーのリーダー、キラリエルがギアディオにチャットをかける。

『いかがでしょうか、ギアディオ様。我々が愛用する装甲車の乗り心地は?』


「ええ、最高ですよ。しっかりと防音装備もついてるおかげか、外の喧騒もあまり聞こえないですし。そして何よりも、今のところ何のトラブルも無く進めているのがいいですね」


『それはありがとうございます。では、機国イズセラ侵略の旅を、ごゆっくりお楽しみください』

 と、言ってキラリエルはチャットを切った。


 そしてギアディオは呟く。

「これで自分はイズセラの化神官になれるんだ……そうして、自分は、あのジュリクスを倒すことが出来るんだ……」


 ジュリクス・ヴィオレックス。

 現ランニバーニの【化神官】であり、ランニバーニの八大ギルドの一つ、ランニバーニの政治を司る【ヴィオレックス評議会】のマスターであり、八国の調律をとる会議、【八神会議】の議長を務める男である。


 ロジスティクス・サーガがVRMMOになる前より、元々ランニバーニは誉れ高い国であり、プレイヤー人口も一位と。

 紛うことなき大国である。だからそれを治めるジュリクスも偉大な人物であるのが常識であるのだが……


「ジュリクス、ジュリクス、ジュリクス! ああ、奴のことを考えるだけでも腹が立つ! 

 化神官、ギルドマスター、議長……これだけの名声と大国ランニバーニを持ってるのにも関わらず、奴は一体何をした!?

 名声に合うだけの知を振るってランニバーニを強くした訳でもなければ、圧倒的な武を持ってして他国へ侵略活動をした訳でもない!

 ヴァイスが ミレアを覇権国にせかせか育てあげているのを見過ごし、そのヴァイスがネロアに倒されても、追い打ちをかけることも無く、ただ適当にネロアへ枷をかけて、ずーっとずーっと遺跡にこもっている!

 確かに遺跡には強力なアイテムが眠っているから、探索する意味はある。だがそれは大国の指導者がその他を放って率先してすることか!? その辺のプレイヤーにやらせておけばいいだろうが!

 そしてお前は、大国の指導者として、この大陸の次の覇権を掴みに行くべきだろうが! この臆病者めが!

 ぜぇ、ぜぇ、とにもかくにも、ジュリクスめ、貴様の愚行は、このギアディオが終わらせてやる。貴様の権力は、このギアディオが奪ってやる……イズセラの【化神官】という武器を使ってなぁ!」


 少し前、ギアディオはデリトソースとキラリエルにこう言った。


『落ち着いて、冷静に考えてください。もし自分がイズセラの化神官になれば、ランニバーニとの関係は強固となり、貿易が活性化し、イズセラもランニバーニも経済が潤い、双方莫大な利益が得られるのですよ。

 もちろん、お二人方の派閥には事が済み次第、相応の報酬を与えますし、『自分の側近』としての地位を与えるつもりです。それらを合わせれば、あなたたちは、ゆくゆくミレアから得てきた以上の大金を得られるのですよ』


 だが実際は、ギアディオは、イズセラとランニバーニとの貿易の架け橋になるつもりは更々ない。

 彼の真の目的は、現時国化神官であるジュリクスを、イズセラの国力をぶつけて倒し、二国の長として名声を得ることなのだ。


 そんなギアディオの野望を当然知る由もない、とにかく出資されたいデリトソースとキラリエルは、熱心に、襲いかかる同国民を返り討ちにし続けていた……


『失礼します、ギアディオさん』


「お、今度はデリトソースさんですか。一体どうかしましたか?」


『ただいま、これまでの規模とは比べ物にならない数の抵抗軍がこちらに来ております。

 かなりの騒音は勿論、流れ弾が飛ぶかもしれないので、その辺りはご了承下さい』


「わかりました。きちんと撃退お願いします」


 そして、チャットを終えたデリトソースは、前を向く。と、おびただしい量の機体――【ヴァンガード】が、こちらに飛んで迫ってくるのが見える。


『あの深緑の量産型機体【ヴァンガード】……【チーム・モブ】の烏合の衆だな』


 二チーム本軍に襲いかかる【チーム・モブ】の大軍の一人、ギビーは仲間たちに、この激励の言葉を送る。

『いいか皆! イズセラの売国奴共に、正義の鉄槌を下してやるぞ! そして【チーム・モブ】の団結力と底力を見せてやるぞ!』


『『『『『おー!』』』』』


 凄まじい気迫で襲撃する【チーム・モブ】を前にし、キラリエルは、

『有象無象がどれだけ頑張って吠えても、所詮は有象無象なのですよ! さぁ、くたばれぇい、この雑魚共が!』

 と、啖呵を切り、チーム・エナジーの配下が乗る機体を、己の専用機【神聖輝 キラリエリオン】の前に行かせ、チーム・モブの軍隊の撃墜に向かわせる。


 エナジーの配下機体は、レーザーガンなりレーザーブレードで襲いかかる。

 対するモブの面々は強固な隊列を形成しながら、個々の武器で弾幕を張り、エナジーの一般兵に抵抗する。

 その最中、あるヴァンガードから、生身の人間が投下される。


「【堕落の衝】!」

 その生身の人間――群青色の髪の少女は、闇属性を帯びた剣を、とある【チーム・エナジー】の機体に振り下ろし、縦一直線に斬りつけ、それを爆破させた。


 この少女を見て、キラリエルは驚愕する。

『き、貴様はぁ!? まさか!』


 少女は目をパチクリさせるキラリエルとその他エナジーの配下に名乗る。

「貴様が幻想(おも)っている通り……僕(やつがれ)は、死神ホイプペメギリより、トードイスムカの鎮護の運命を課せられた者、ネロア・ルォーナピアナだ!」

 

 そして、ネロアをこの地に投下した【ヴァンガード】の操縦者、ギビーは言う。

『ではネロア様! 頑張ってください! 僕はマリックとグレゴリーと一緒に戦いますんで! 失礼します!』


 ギビーがただいま【チーム・アーセナル】と交戦中のマリックとグレゴリーの元へ向かうのを見送った後、ネロアはキラリエルが乗るキラリエリオンを睨んで、

『その反吐が出るような豪華絢爛な様相の機体――【チーム・エナジー】のキラリエルだな!』


『ええ、そうです。お久しぶりですねぇ、ネロアさぁん。あのレストラン以来でしょうか? そして、なぁーぜぇー、あなたはここにいるのでしょうか?』


「貴様のその態度……真正の蒙昧か、虚偽の道化かはどうでもいいが、念のため教えてやる、この為だ! 【黒狼煙の牙】ッ!」


 ネロアはまず、近くにいた【チーム・エナジー】の胸部に、闇属性を帯びた剣を投げ、深々と刺し込む。

 続けて、剣に付けられた紐を引き、爆発寸前の機体に接近し、それから剣を抜いた後、機体を思い切り蹴って跳ぶ。

 そして剣に刺された機体の爆炎をバックに、ネロアはまた別の機体に向かい、


『く、来るなぁぁぁ!』


 その機体が及び腰で放ったレーザーを、ネロアはヒラリと空中でかわして、


「【哀連鎖の積】!」


 闇属性を帯びた剣で、機体の胸部をめった刺しにする。


 最後に、ネロアはその機体を蹴って、雪原に着地する。同時に、めった刺しにされた機体は爆発して砕け散った。


*


 数分前、ギビーの【ヴァンガード】に同乗している最中、ネロアは彼にこう尋ねた。

「ところで、機械を相手にする上で、何か重点とすべき概念は存ざ……」


「今運転に集中してるので話しかけないで貰えませんか!」


「誰が質問していると思っている、ギビー! そして貴様、人が話している最中に乱入するのはなるべく控えるべきではあるまいか」


「はっ、すいません……で、機械を相手にする時、何かポイントを教えてほしいって話でしたね。

 結論から言いますと、機械の弱点は『律動の魔石』か操縦者です」


 操縦者の方は簡単な話、操縦者がいなくなれば基本、機械は動かなくなるからだ。

 律動の魔石の方は、強い衝撃を与えると過剰な動力を放って、よくて暴走、悪くて爆発する性質があるためだ。


「さらに言うと、律動の魔石と操縦者は……【チーム・アーセナル】と【チーム・エナジー】の構造がどうなってるかはわかりませんから、きっぱりと言えませんが、頭部か胸部にあります。そうするとエネルギーの循環効率が良いんですよ。

 なので素早くロボを倒したいのなら、可能な限り狙うのがいいです」


「解した、有益な情報、感謝する」


*


(ギビーさんの言う通り、やはり律動の魔石はいい弱点のようですね。

 恐らく相手が【チーム・エナジー】ですから、大量のエネルギーを出すため、機体に比率ギリギリの大きさの魔石を積んでいるというのもあると思いますが……非常にありがたいアドバイスでした。ギビーさん)


 キラリエルは、キラリエリオンに拍手をさせ、

『ほう、見事ワタクシの部下の機体を、こうも倒してくれましたねぇ。流石は化神官、いやぁお強い……ただし、頭の方はお弱いようでございますねぇ……』


 キラリエリオンはレーザーブレードを手に取り、キラリエルは言う。

『今あなたが行ったのは、イズセラの二大チームの一つ! 【チーム・エナジー】と、そのリーダー、キラリエル・シャングダラーと、その専用機【神聖輝 キラリエリオン】への、むぼぉー極まりない宣戦布告ですよぉ! 事実上の自滅宣言ですよぉ!

 ワタクシ、サービス精神旺盛ですから、あと三秒以内に謝ればキャンセルは効きますけど、いかがなさいますぅ!?』


「無論、遠慮する……僕は根源から、貴様ら、イズセラの売国奴にして殺戮者を誅する為にここにいるが故に!」


『はっは! わっかりましたぁ! では、エナジーにまみれて死に絶えやがってくださいましぃ!』


 かくてキラリエル操るキラリエリオンと、ネロアの戦いが幕を開ける。


*


 同時刻、イズセラ首都【鋼都】中心部にて。

『このウルフレットめ! よくもガイオン、デリトソース、キラリエルのイズセラ三トップ体制を崩しやがっ……』


 【チーム・トランス】のリーダー、ウルフレットは専用機である、狼形態と人形態に変形できる赤い機体【ウールヴヘジン】を操縦し、襲いかかる敵機の胸部に、刀を突き立てる。

 続けざまに自分に襲いかかる、敵機八体の頭に、それぞれ手裏剣一つを発射する。

 そして側面から襲いかかる敵機五体は、狼形態に変形し、その爪で深々と装甲を抉ってやる。

 これにて、ウルフレットの周りで計十四体の敵ロボットが爆発した。


 一旦、周りが落ち着いて来たので、ウルフレットはエドウィンにチャットをかける。

「エドウィンさん、ウルフレットです。そちらは大丈夫ですか!?」


『ああ、何とかやれている! そちらはどうだ!』


 ウルフレットは周りに転がる、【チーム・トランス】の機体の残骸を一瞥して言う。


「こちらは……それなりに消耗してしまいました。すみません、こちらの連携と鍛錬不足で……」


『気にするな。多分お前に対するデリトソースとキラリエルのヘイトはかなり高いだろうから、そちらの方が襲われがちなんだろう。

 相当ヤバいっていうなら、一旦兵力を纏めなおす為に退いてもいいぞ』


「はぁ……では、お言葉に甘えて」


 かくてウルフレットは、他の【チーム・トランス】メンバーに号令をかけ、一旦自チームの管轄区域に戻った。

 そしてそこで、各種機体のメンテナンスをしている最中、ウルフレットは腰掛け、考え込む。


(流石は【チーム・アーセナル】と【チーム・エナジー】……いくら売国行為という外道な行為を重ねてるといえども、実力はまた別か。

 そしてこちら【チーム・トランス】は、それに圧し潰されそうになっている……まだ本軍に当たっている訳でもないのに!

 くっそ、どうすればいい! どうすれば奴らに勝てる!)


 ここで一人のメンバーが、ウルフレットに連絡する。

「ウルフレット様! 【チーム・モブ】から連絡が入りました! どうやらかのトードイスムカの【化神官】、ネロア・ルォーナピアナ様がキラリエルと交戦を開始した模様!」


「その戦局は!? 分かる範囲で教えてくれ?!」


「ただいまは、サイズなどを物ともせず、互角の勝負に持ち込んでいるとのことです!」


「……やはり、いよいよ一歩踏み出す時だろうか」


 ウルフレットは立ち上がり、何処へと向かおうとする。


「あ、ウルフレット様! どちらへ行くつもりでしょうか!」


「【トドッバ・マ神殿】だ、そこでトドッバ・マ神に会う!」


「いや、その必要はないと思うぜ」


 と、いつの間にかウルフレットの前に、赤髪のパイロットスーツめいた服を着た少年――機国イズセラの神、トドッバ・マ神が現れた。


「何かいかにも僕を呼んでるような気がしたから、来てやったぜ」


 ウルフレットとその他チームメンバーは、片膝を突いて、トドッバ・マ神にひざまずく。そしてウルフレットはトドッバ・マ神に訴える。


「トドッバ・マ様。この俺、ウルフレットは、どうかあなたにお伝えしたい事があります」


「そこまで畏まらなくてもいいんだぜ? で、何だ?」


「俺は、イズセラの売国奴の一人であるガイオンをこの国から追放しました、愛機【ウールヴヘジン】に乗り各地で戦果を上げ『赤狼(せきろう)』と呼ばれるような武人となりました、そして何よりもイズセラの歪な構造を正そうと懸命に働きました!

 先日、トドッバ・マ様は俺にこう言いました! ――僕はもう化神官の座を与えるに近い人間に、既にロックオンをかけている。だが、あくまでそいつは与えるに『近い』人間だ。そいつがあともう一歩踏み出した時、そいつに化神官の座を与えたいと思っているんだ。と!

 俺は、正直迷っていました、俺の器で、このイズセラを救えるのかと。だから俺の今までの行動は、全部鈍くなってしまいました。

 だから、俺はこれから、もっと『死に物狂いで、本気で、ただその一心で、イズセラを救う』という勇気を持ちたいと思います!

 ですから、トドッバ・マ様! このウルフレットに、今から一歩踏み出す俺に、どうか応援として、イズセラの【化神官】を下賜してください!」


 と、一語一語に魂を込めるが如く、トドッバ・マ神に訴えた後、ウルフレットは地に頭を付け、必死に懇願する。


 そんなトドッバ・マ神は、優しい声色で、ウルフレットに言う。


「だから畏まらなくていいって言ってるのに……まず、その頭上げろ」


 言われた通り、頭をあげ、真剣な眼差しを合わせてくるウルフレットに、トドッバ・マ神は告げる。


「ウルフレット、お前はよく、イズセラのために頑張ってきたよ。あれこれ助かったよ。それは本当に神として認める。

 けれどもな……本当にすまない、お前に【化神官】の座はあげてやれない……」


「え……?」


「重ねて言う、本当にすまない……」


 そしてトドッバ・マ神は背後にノイズの集合で出来たゲートを作り、それを通って、ここを去った。


 時同じく、ウルフレットは茫然自失の体となり、意味もなく上を見上げて床に腰掛ける。

 この様子を心配した、チームメンバーはウルフレットに声をかける。


「だ、大丈夫です……」


 そのチームメンバーに、ウルフレットは鬼の形相を見せ、刹那、凄まじい速さで、己の一刀を浴びせ、倒す。


「ちょっ、ウルフレット様! どうしたんですか急に!」

「どうして彼を斬る必要があるんですか!」

「落ち着いてください!」


 そのチームメンバーの心遣いを微塵にも耳に入れず、ウルフレットは、不気味な引き笑いをしながら、呟く。

「……俺は、頑張って来たんだ、ただひたすら、イズセラを救おうと、頑張って来たんだよ……なのに、なのに、ひどいじゃないか……この俺を、化神官にしてくれないなんて……! じゃあ俺は、一体何がしたくてここまで来たんだよ……教えてくださいよ……誰か、誰か、誰かぁっ!」


 ウルフレットは目の前の、誰もいない空間に、滅茶苦茶に刀を振るう。そしてある程度疲れた後、ウルフレットは納刀し、冷徹な目をして、チームメンバーに言う。


「メンテナンスは、終わったか?」


「……は、はい」


「ならば行くぞ……」


*


『うらぁ!』

 【チーム・モブ】リーダー、エドウィンが操縦する【ヴァンガード】は、携えた斧を豪快に振るう。

 流石は百万の大軍を作り上げた英傑。エドウィンの斧は、【チーム・アーセナル】と【チーム・エナジー】の機体を見事同時に三体粉砕した。


『ふぅ、さっきから兵の量が何となく減ってきてる気がする。どうにか終わりが見えてきた、って所か?』

 と、一息つくエドウィンに、三機の狼型ロボットが迫る。


『むっ、あれは【チーム・トランス】の汎用機体……ウルフレットたちはようやく活動再開したって所か……!?』


 三機の狼型ロボットはエドウィンに牙をちらつかせ、飛び掛かる。


『え、どういうことだ!?』


 【チーム・トランス】は、こちらの味方だったはずなのに……という疑念を覚えながらも、エドウィンは咄嗟の判断で、銃を三発撃ち、三機の狼を撃破する。


『本当にどういうことだよ……どうして【チーム・トランス】の連中が俺たちに襲いかかったんだよ……?』


 ここで丁度良く、チームメンバーからチャットがかかる。

『もしもし、エドウィンだ。一体何のようだ!』


『た、大変です! 【チーム・トランス】が、突如として俺たちや【鋼都】の住民を襲い始めました!』


 この時も、【チーム・トランス】の管轄区域から、機体が出撃し続けていた。

 それを見ながら、ウルフレットは吠える。


「さぁ、行け、チーム・トランス! 目に映った敵全て、虐殺してしまえ!」


 直後、ウルフレットも自機【ウールヴヘジン】の操縦を始め、修羅の道を歩み出したのだった。


【完】

ロジスティクス・サーガ・データベース


■キャラクター紹介

【ウルフレット・ブラッドムーン】

 分類:プレイヤー

 所属:機国イズセラ

 レベル:81

 ジョブ:【暗殺者】


 【チーム・トランス】の新リーダー。

 前任のガイオンとは打って変わって、礼儀正しく正義感の強い人物。

 アーセナルとエナジーが幅を利かせ迷走を続けるイズセラを憂い、国を救う英雄になろうと日々夢見ていた。


 イズセラの【暗殺者】は軽量で身軽なロボットをより素早く動かすことに適した性能となっている。

 愛機は膂力と瞬発力に優れた狼形態と、刀をメインウェポンとする鋭利な攻撃を得意とする人形態の二つに変形できるロボット【ウールヴヘジン】。これが彼の異名『赤狼』の由来だ。

 変形機構や、それぞれの形態の長所の先鋭化により、イズセラのロボットにしてはやや装甲が脆いが、彼の天才的な操縦センスによりその弱点は克服されている。


 ウルフレッ『ド』ではなく、ウルフレットです。

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