58.機国の危機
死国【トードイスムカ】の化神官、ネロア・ルォーナピアナは空前絶後の戦いを経て、災国【カメセスコア】の化神官、錦山橙瀧から認可状を手に入れた。
時国【ランニバーニ】の化神官、ジュリクス・ヴィオレックスによって課せられた死国越境禁止の約定を解く旅路を、どうにか一歩進んだのだ。
あと必要な認可証は、機国【イズセラ】と術国【イペファワエゼ】の化神官の物。
故に、カメセスコアでの戦いを終えたネロアは、(本人の希望もあって)側近であるアンティルをイペファワエゼへの使者として送り、ネロア本人はイズセラとの本格的な交渉を始めるために、本拠地であるトードイスムカの首都【冥都】に戻ろうとしていた。ところが……
「すみません、ウェンリーさん。急対応していただきまして」
「いや、何の問題もないよ……ははぁ、これがあのミレアの覇権が初めて揺らぎだした伝説の戦場、調和の砦か」
彼女たちは途中で進路を変え、調和の砦に帰ってきた。
ここはかつて、ミレア軍によってトードイスムカの東の国境を蓋するように建設された要塞である。
また、ここはネロアがトードイスムカの化神官として大陸中に名を馳せた制圧戦の舞台としても知られている。
先日の八神会議において、ヴァイスからミレアへの返還を求められたこともあったが、現在はヘブンズレイドの結果などもあり、正式な手続きを踏んではないが、完全に死国のものとして自他国共に扱われている。
ネロアとレイザック、それからウェンリーは、竜に装着した荷台から、調和の砦の最上階にあるヘリポートに降り立つ。
するとすぐそこで、金属本来の色が剥き出しの、無骨過ぎるデザインの飛行機が停まっているのが三人の目に入る。
「だ、誰か来たよー。もしかして化神官さんかな?」
「いや誰がどう見たってあの人だろうが!」
「と、とにかく早く降りよう! ああもう、風強いからって中に戻ったら、結果失礼なことになるなんて……」
飛行機のドアが、ウィーンとそれらしい音を立てて上へ開き、そこから三人の少年が、ドタドタと出てくる。
その三人は揃って、胸元に機国イズセラの紋章と、ハニカム構造を模したマークが並列して刺繍された作業着を身につけていた。
彼らはネロアの前に並んで立つと、寸分も狂いのないタイミングで、一斉に深々と頭を下げた。
「「「あなたがネロアさんですね!!! よろしくお願いします!!!」」」
この勢いにネロアはたじろぎながら、挨拶を返す。
「は、はい……どうも、ネロア・ルォーナピアナと申します」
「……あの、俺の名前はレイザックです」
「正直この場にはあんまり関係ないと思うけど一応……ウェンリー・イーブネスです」
遅れて、レイザックとウェンリーも礼を返した。
続けて三人は頭を上げて、
「……ほら、僕たちも名乗るぞ。僕は、ギビー・バートンと言います」
と、三人の中で一番冴えない感じがする、痩せ型の少年が名乗り、
「おう、俺はマリック・トンプソンだ」と、三人の中で一番喧嘩っ早そうな、大柄な少年が名乗り、
「オイラはねー、グレゴリー・ロスだよ」と、三人の中で一番のんきそうな、恰幅が少々ある少年が名乗る。
「ギビー殿、マリック殿、グレゴリー殿。その名前、僕の記憶に繊細に刻み込んだ。して、君たちの願望は如何なる物か?」
そうネロアが尋ねた瞬間、三人はまたしても奇妙なシンクロ力を発揮し、同時に土下座の体勢へスムーズに移行して
「それは、ネロアさんに僕たちイズセラを、時国ランニバーニから救って欲しいんです!」
「あと、おまけに燃料とかをお裾分けしてくれ!?」
「マリック、それ今言う必要ないと思うよー」
*
数分後。
マリックとグレゴリーが、調和の砦に残されていた列車整備用の資材を用い、飛行機のメンテナンスを行っている。
その横、停めっぱなしのウェンリーの竜のカゴの中で、ネロアとレイザックは、ギビーと向かい合っていた。
【調和の砦】に設けられた駅より、オンボロの一両編成の電車が出発した。
まず、レイザックはこうギビーに尋ねた。
「では、イズセラがランニバーニに目をつけられているのはどういうことか、じっくり説明して貰いますよ」
「わかりました。ですが、事情が事情なので、先にイズセラの成り立ちを話します。かなり長い話になりますよ……」
という語り出しで、ギビーは自分たちがここに来るまでの話をする。
*
機国イズセラ――大陸北東部に存在する、雪と氷に閉ざされた環境の中、そこにある独自の鉄鋼資源で、独自の機械技術が発展した国である。
そしてそこの住民たちは、ただ一致団結して機械を作るのではなく、一つのテーマに特化した機械を作る専門の『チーム』をバラバラに結成し、各々、土地を持ち、そこで技術研究・開発を行っていた。
国の運営は、その各チームのリーダーが集い会議することで成り立っており、イズセラとチームの関係は切って離せないようになっている。
皆、ほぼほぼ同じ技術力を持ち、突飛して強いチームは存在しなかった。
隣国、命国【ミレア】を覇権に押し上げた英傑、ヴァイス・O・ヘブンが化神官の座を頂くまでは。
ヴァイスはイズセラの全チームに、とある『誘い』の手紙を送りつけた。
――こちらに技術提供してくれた暁には、莫大な報酬を支払う。と。
イズセラ固有の技術を他国に渡す。それは売国に等しい行為であったのは目に見えていた。しかし一部の人間は、こう考えた。
『その莫大な報酬を用いれば、自分のチームの技術力を大きく飛躍させられる』
その後、その誘いに三つのチームが名乗り出て、イズセラの技術を売り飛ばした。
その三つのチームは、目論見通り、ミレアより得た金銭で、新技術の開発・研究を行い、他のチームを追い抜いた。
イズセラは、かつてのように多数のチームが存在し、互いに支え合ってなりたつ国ではなくなった。
今現在のイズセラは、ミレアから出資を受け続ける『ある強大な三チーム』を中心にして回り、その他の弱小チームはそれらのどれかに脅えるか、従うだけの国となったのだ。
*
「これが、今のイズセラの成り立ちです」
ネロアは言う。
「……十全に理解した。なるほど、イズセラがミレアに従属同然の同盟を締結していたのは、そういう卑劣な事情があったからなのか。
では次に、何故今、イズセラにランニバーニの牙が向いているのかを語りたまえ」
「はい。では続いて、今、ランニバーニの脅威がこちらに迫っているのかを教えます」
かのヘブンズレイドで、ミレアは大敗を喫し、その首謀者ヴァイスは謹慎の身となった。
さらにはこれでの悪事なども大陸中に露呈し、人口も激減。
こうしてミレアは、覇権から大きく引き離された。
同時に、イズセラの三大チームへの出資が止まった。
言うまでもなくこれは、ヘブンズレイドに関連してのことだ。
ミレアが自由区で反乱を起こした責任を取り、財源をその賠償にあてがわなければいけないからだ。
三大チームの権力は、ミレアの出資があって成り立つ物。
故に三大チームのリーダーは、何としてでも出資を受けるべく、ミレアの上層部に直談判した。
「無茶苦茶言わないでくれないかなぁ? こちらもこちらでお金がないんだよ。それでまたおねだりしてくるとか最低じゃーん。
加えてさ、僕は個人的に、イズセラに恨みがあるんだよ。こないだお前らの電車のせいで死んでさ。だーかーらー、無理なものは無理なんだよ」
そして、こういった具合で頑固拒否された。
このままでは自分たちの力は維持できず、そこいらの底辺チームとまた肩を組まされる羽目になる。
という未来に怯えた、力と金に飢える貪欲なイズセラの売国奴は、ふと西を、もう一つの隣国、時国ランニバーニを見た。
そして彼らは考えた。『次はランニバーニから出資して貰おう』と。
*
「というわけで、かれこれだいたい二ヶ月前から、イズセラ国内には、異常にランニバーニのプレイヤーが出入りしているんです。
昔からイズセラとランニバーニは隣国っていうのもあって、それなりに友好関係はあります。けれども、今の出入りの数は、あまりにも異常です」
それを聞いてレイザックは一言。
「出入りの数が急増した……これはどう考えても儀礼的な来賓などではな……」
その途中、ギビーは食い気味に言った。
「さらに言うと、その人たちはだいたい、例の三チームの管轄区域に必ず立ち寄っているんです! これは絶対、怪しい交渉だと思わざるを得ません!」
「貴方の予測どおりであると、僕も思……」
ネロアがこれまで通り、芝居がかって相槌を打とうとした中、ギビーは食い気味に説明を重ねる。
「そして何より、ここ最近、例のチームが、戦闘準備を行いつつ、他チームとの接触を避けたり、国民の移動を厳重監視したりしているんです! これはもうクロとしか言いようがないでしょう!? そう思いますよね、ネロアさん、レイザックさん」
「「は、はい……」」
ここで、外からマリックとグレゴリーが、おーいと三人を呼んだ。
三人はカゴから出て、彼らのいる飛行機の側にいく。
「見ての通り、メンテナンスが終わったって訳だ!」
「もういつでも出発できるぞー」
「ありがとう、マリック、グレゴリー。ところで……」
ネロアとレイザックとギビーは、メンテナンスが終わりたての飛行機を隅々まで見つめるウェンリーの方へ目をやる。
ウェンリーはその気配に気づき、こちらへ見返してきて、
「あ、別に僕は技術を盗もうとかしてるわけじゃないよ。純粋に、好奇心で……」
ギビーは問いかける。
「……本当ですか? しれっと技術を盗もうとしてないですよね」
ウェンリーに代わって、隣のマリックとグレゴリーが、手をバタバタさせながら二人の間に立つ。
「本当にそういう訳なんだって、ウェンリーさんは! 別に悪いこと考えてないんだって!」
「そもそもー、災国カメセスコアじゃあ技術を盗んだところでどうにもならないらしいよー」
ウェンリーからも言う。
「そうなんだよ。なぜならカメセスコア・プレイヤーは機械と相性が悪くてね……」
ここで一つ解説を入れるとしよう。
ロジスティクス・サーガにおいてプレイヤーがある程度のサイズがある機械を操縦するには、【メカニカル・ライセンス】というパッシブスキルを覚えなければいけない。
このスキルは五段階のランクが存在し。【1】ならバイク程度のマシン、【2】なら全高五十メートルほどの重装備ロボが操縦可能となる。
このスキルは主にジョブ【職人】が覚えやすいのだが、国々によって覚えられる程度がある。
機国イズセラなら、その呼称の通り、どんなプレイヤーでもデフォルトで【メカニカル・ライセンス2】を覚えられる。
だが、機国イズセラから遠ざかっていくに連れ、覚える難易度と限度は高まっていく。
イズセラから遠いカメセスコアでは、熟練のジョブ【職人】のみが【メカニカル・ライセンス2】を覚えられるのが限界。
最たる例としては、イズセラとは対角線上の位置にある、魔法メインの術国イペファワエゼでは、【1】までしか取ることが出来ない。
なので今仮に、ウェンリーが持ち前の頭脳でこの飛行機の仕組みを理解し、カメセスコアに持っていったとしても、十分に運用することは難しいのだ。
「ああ、確かにそうでしたね。すみません、早とちりしてました……」
ギビーがウェンリーにペコリと謝った後、マリックとグレゴリーはボソっとつぶやく。
「ま、そもそもの話、この機体の構造はメチャクチャだから、盗んでも旨味がない訳だが」
「一応オイラたちなりに設計書を作ったんだけどー、いざ製造開始したら不都合が多くてー、シワ寄せに次ぐシワ寄せでグチャグチャになっちゃったんだー」
「……すみません、なんか変に僕たちの技術力に誇り持ってる感を出しちゃって……」
「い、良いんだよ……別に……」
と、ウェンリーは言った。
イズセラのトリオの側で、お互いに不安そうな顔を見合っているネロアとレイザックに注目しつつ。
*
それから数分後。
ウェンリーの竜と、イズセラトリオの飛行機は同時に、調和の砦から飛び立った。
飛行中、僅かに設けられた客席から、レイザックは言った。
「見た目と、さっきの話からしては、意外にも安定して飛んでますね」
「そうでしょう? 腐っても僕たちはイズセラの技術者ですから、最低限の品質は守るんです」と、ギビーは操縦席から言った。
同じく客席から、ネロアは尋ねる。
「ところでだが。何故、僕ら死国トードイスムカに救済の道を求めたのだ? 音国や文国など、救済の道は分岐しているだろう?」
向かいの席にいるマリックとグレゴリーが答える。
「実際した。文国ヨヤアサとか、音国エホシャドチグパとかにも手紙出したり、メンバーを使者に出したりして、助けを求めてみた訳がよ、全部例のチームに遮られちまったんだ」
「その監視網をくぐり抜けたくて、オイラたちは独自にこの特別な機体を作ったんだよー」
これを聞いて、レイザックは納得した。
「ああ、なるほど。だからこんなに見た目がオンボロなんですね。まさかこんなものがトードイスムカまで飛んでいけるわけ無いと油断させて……」
ギビーが食い気味に、嬉しそうに操縦席から言った。
「そうです! このいかにもスクラップ寸前な見た目はわざとなんですよ! けど、僕たちはもう一つ、監視網をすり抜けられるギミックを用意してます! それまであと数時間、快適なフライトをお楽しみください!」
数時間後。
窓から見える大地に薄っすらと雪が被さり始めたところで、ネロアたちが乗る飛行機はゆっくりと高度を落とす。
「僕の推察だが、まだイズセラの中心からは程遠いと想うのだが」
「はい、そうです。ここらはいよいよ、例のギミックを使うんですよ」
飛行機はかなりの低位置にまで来て、いよいよそこに咲く石や草花の形まで、はっきりと見て取れるようになる。
中でも、窓からの景色で目立っていたのは、鉄道のレールである。
「これは、ミレア鉄道の……」
ここで飛行機の腹部から、車輪が現れる。
飛行機はそれをレールにピタッと合わせながら滑らかに着陸し、ゆっくりと翼を畳んだ。
「ヘブンズレイド以降、死国と、命国・機国を繋ぐミレア鉄道は、最大の顧客がああなっているため全く運用されず、レールもそのまま放置されていました。
それをまさか僕たちが使うとは思うまい。ってことで、この空路と線路の両方が使える飛行機を作ったんです」
それからギビーはより早く、目的地に着くようにと、この機体の最高速度を出す。
すると間もなく、その目的地である、イズセラの首都、【鋼都】が小さく見えてきた。
「もうそろそろ着くと思います! それではネロアさん、レイザックさん。何か確認したいことはありますか?」
ネロアは尋ねる。
「そういえばまだ聞きそびれていたことがあった。その三大チームとは如何なる存在か。そして君たちがは一体どこのチームに属する者か?」
「一つは、動物や乗り物に変形するマシンを開発している【チーム・トランス】。
一つは、レーザー兵器を多用するマシンの研究を得意とする【チーム・エナジー】。
一つは、とにかく武装・重火器を搭載することに重きをおいた【チーム・アーセナル】。
そして僕たちのチームは……」
最中、バコオーンッ! と、またしても不吉な音が鳴る。
「おい、やっぱりグレゴリーよぉ、キチンとメンテナンスしたのかこれ!? そんな訳ない感じのやばい音だったぞこれ!」
「したよー、オイラはオイラの担当箇所を隅々までチェックしたよ。マリックの担当箇所がよくなかったんじゃないのー?」
「こら、マリック、グレゴリー。お客様の前で喧嘩をするな。それにこの電車はまだ問題なく走れてるし、イズセラまではあと少しだ。ほら、窓を見てみろ、イズセラらしい雪景色と、鋼鉄のトラが……トラァ!?」
イズセラのトリオと、ネロアとレイザックはそれぞれ窓から外の様子を伺う。
すると、背中に砲台が付いたトラ――イズセラ固有の機械系モンスター【パンツァーティーガー】の二つの群れが、この飛行機を挟むように駆けているのがわかった。
「まずい! この電車、どうやら群れ同士の縄張り争いの間に割り込んじゃったって訳だな!」
「ギビー! このままだと危ないよー! 最高速度を出してー!」
「もうとっくの前から出してるよ! ああ、でも挟まれちゃうよ……」
「ならばこのネロアとレイザックがこのトラの群れを誅する! ギビー殿、一度列車を止め、僕達を降ろしてくれ!」
「それもできる訳あるかぁ! 最高速度から急に止められる訳ないだろ!」
「されば、ドアを開放してくれ! そこから飛び出す!」
「それは……しまった、無理だったぁ!? 俺が安全のため、走行中はドアが開かないようにした訳でなぁ!」
ギビーは肉声を上げて、マリックに吠える。
「何故そこは余計にしっかり作ったんだよマリックゥ!?」
グレゴリーは大慌てで言う。
「ああ、トラがこっち向いてるよー! おまけに背中の砲台もこっち向いてるよー!」
レイザックはそれ以上に慌てながら叫ぶ。
「しかも、正面から狼の群れが迫ってるじゃないですか! 三方向からやられますよ、これ!」
狼の群れ――そのワードを耳にし、フロントガラスを覗く。
そこにいたのは、赤い鋼鉄に覆われた個体が率いる、巨大な狼の群れであった。
「はっ、あの狼の群れは……そして先頭の『赤狼』は――助かった!」
「「助かった!?」」
と、二人が驚くとほぼ同時に、トラの群れ二つは五人が乗る車両に砲撃する……前に、二手に別れた狼の群れが襲いかかり、それを止める。
続けて、狼の群れは突如、身長十メートル程度の人型ロボに変形し、バッタバッタとトラの群れを倒していく。
レイザックはギビ―に言う。
「す、すごい……ギビーさん。ひょっとして、この変形した狼ロボの集団は、さては【チーム・トランス】の方々です……」
「すいません今ちょっと状況把握で忙しいので話しかけないでくださいって、うわーっ!?」
五人の乗る電車に、狼達の襲撃から逃れた五匹のトラが、ヤケ気味に飛びかかる。
しかし、その前に、唯一赤い、狼のロボが立ちはだかり、左手から手裏剣を発射し、五体の砲身を潰し、右手の刀で、五体をほぼ同時に一刀両断した。
そして赤い狼ロボと、その連れの狼ロボは、トラを狩り尽くした後、素早くその場を後にした。
ギビーはかいた冷や汗を作業着の袖で拭いつつ、電車の床に座り込み、
「……た、助かった……」
そこにレイザックは尋ねる。
「あの……あの狼たちは一体……? そして、ネロアさんの質問――あなたたちはどこのチー……」
「すみません一回気持ち落ち着かせてください!」
「あ、すいません」
*
数分後。ネロアとイズセラの三人は、飛行機から降りた。
まず目に飛び込んできたのは、錆びついた工場が連立し、廃棄されただろう機械が散乱する、重苦しい光景だった。
ギビ―はその光景を背に、ネロアとレイザックに一礼して、
「長旅お疲れ様でした。ここがイズセラの首都【鋼都】、それも僕たち【チーム・モブ】が管轄する区域です」
【完】
ロジスティクス・サーガ・データベース
■用語説明
【イズセラ】
通称:機国
神:機神【トドッバ・マ】
首都:鋼都
プレイヤー数:1000万人(総プレイヤー数の10%)
化神官:非公開
機械神が管理する、テクノロジーが発達した国。
国土の大半が雪と凍土に覆われている。
そこに眠る特殊な鉄鋼資源を活用し、機械産業が発達した。
チームという集団が連合体を成して国を運営している。
固有の成長傾向は完全に機械サポート。
この世界に存在する機械はほぼ全て、ここにルーツがある。
ロボットというロマンの塊に触れたいというプレイヤーが数多くここに集っている。のだが現在はある一部のチームの方針により……




