131.情熱vs冷酷―機の激闘―
機国イズセラ。名もなき広大な雪原より。
背中に砲台を背負った虎【パンツァーティーガー】数千匹が群れ、轟々と足音を重ねて南へと下っていた。
『皆さん、今回も速やかに撃破しましょう!』
それに遭遇した四千機のロボットで構成されたチョルヒ率いる軍は、先へ進むため掃討する。
『……では、デモンストレーションを始めるとしようか』
『新生キラリエルの強さ! 特とご覧くださいませ!』
特に目覚ましい活躍をしたのは黒と金色の二機――両腕両肩にガトリングを装備した【デリトソース専用ヴァンガード】と、レーザーブレードとビームシールドを装備した【キラリエル専用ヴァンガード】だ。
『今んところは張り切ってんなぁ。アイツら』
と、ごく普通の【ヴァンガード】で空を駆け、絨毯爆撃めいて銃を連射しながら、エドウィンは皮肉を言う。
すぐ隣で同じことをしているチョルヒは苦笑いして、
『せっかく専用機体を造ってあげましたから、これからも張り切って貰わないと悲しいですけどね……』
チョルヒたちの目的は首都【鋼都】で待ち構えているだろう旧化神官の討伐。
よって彼女たちは、こんなモンスターごときに時間はかけないと言わんばかりに、群れを溶かすように掃討した。
直後、ウルフレットはチョルヒに報告する。
『【チーム・トランス】による生命探知の結果、これ以上進路を阻むモンスターはいないとわかりました』
『ありがとうございます。これでテンポよく目的地に行けます』
これにてチョルヒたちは鋼都への進軍を再開する。
その最中、地を駆ける【ウールヴヘジン】に揺られながら、ウルフレットは先程のモンスターの群れについて考える。
(【パンツァーティーガー】が数千規模の群れを成した事例は未だかつてなかった。
あの動作のまばらさからして、王耀などの誰に操られたわけでもない……奴らは一体何だったのだ?)
一方、空中ではチョルヒとエドウィンが旧化神官について話し合っていた。
『確か、イズセラの旧化神官の名前は……『イアン・ルビ』でしたね』
『そうだな……相変わらずどんなやつなんだ?』
イアン・ルビ――その名をジュリクスから聞かされてから、チョルヒたちは当人について、自由区で調べられる限り調べ回った。
結果わかったのは『雪山五つを一瞬にして融解させた』という逸話だけ。
最厄、剣聖、学園創設者、などなど、他の旧化神官と比べるとあまりにも情報が少なかった。
『ここまで情報が少ないと、ますます嫌な予感がするな……』
『とにかく、用心して鋼都に帰りましょう』
そしてチョルヒたちは鋼都に帰還する。
来る激戦に備え、予め残存者を地方へ避難させていたこともあり、そこは時が凍ったように静まり返っていた。
チョルヒはイアンを見つけるため、自軍を十前後の部隊に分割し、鋼都中の捜索をする。
ウルフレット、エドウィン、チョルヒら三人は【トドッバ・マ神殿】近辺を担当する。
『旧化神官たちの性格上、俺たちが来るや否や啖呵を切って襲いかかると思いましたが……』
『意外と臆病寄りだな』
『もしくは奇襲でも考えてるのでしょうか……』
と、神殿側を巡回しながら話し合ってる最中、地面が揺れ……そして文字通り割れる。
『み、皆さん! とにかく避難してください!』
地面の隙間はトドッバ・マ神殿を中点に、キロメートル単位の真直線を描き、南北へ開く。
その幅が数百メートルまで広がった時、地中から巨大な左手が伸び、
『う、うわーっ、く、来るなぁ!』
運悪く伸びた先を飛行していたロボット五機を掴み、スナック菓子めいて粉砕する。
左手は残骸を漏らしながら天へと上り、太陽を遮る。
この時既に地面の隙間はなくなっていた。新たな円形の地面がそれを塞いでいたからだ。
しかしそんなことはあまりにもどうでもいい。今注目すべき、その円形の地面に立つ存在……
『な、なんですかこれは……』
『こんなものが鋼都の地中でずっと眠っていたのか!?』
『これが、イアンさんなのでしょうか……この……巨大過ぎるロボットが!?』
紛れもなくロジスティクス・サーガ最大の人工物が――全高五千メートルの畏怖と荘厳と神格を併せ持った紅鋼鉄の大巨人が、鋼都の中心に顕現す。
『ハァァァァハッハァァァッッッ! よぉく聞け有象無象にも満たない微小共! これがイズセラ最高峰の技術の叡智! 【機動戦神 イズセランダム】!
そしてボクが機神トドッバ・マに選ばれし『紅帝』、イアン・ルビだァァァァッ!』
と、イズセランダムに登場するイアンは己が名乗りを轟かせた。刹那、
『景気づけだ! 【ホライゾン・ゼロ・ドリーム】!』
イズセランダムの各所から計一千の発射口が開き、ミサイルが五発ずつ放たれる。
『皆さん、避難してください!』
ミサイルの五月雨は鋼都中心部へ降り注ぎ、イズセラ軍千機を黒煙立ち込める爆炎と残骸の海に沈める。
『エドウィンさん、ウルフレットさん! 大丈夫ですか!』
『ええ、ギリギリ回避できました!』
『我らもどうにか無事だ!』
『ああ、ワタクシが作り上げた街がたった一瞬で……』
『チョルヒはお前らには聞いてなかったような気がするんだが……とにかく大丈夫……じゃねぇッ!?』
イズセランダムはレーザーブレードを抜刀し、自分の身の丈を倍にするように最上段に振り上げ、
『【ゼニス・ブレイド】!』
太陽の存在を霞めさせるほどの煌めきを湛えさせ、袈裟に振り落とす。
紅蓮の斬撃は鋼都に裂け目を作り、千機のロボットを灰燼にし、遙か北方の雪山を二つに分けて終息する。
イアンがイズセランダムと共に現れてからここまでの経過時間は約三分。その間の総撃墜数二千――この悪魔的な撃破数を間近で体感し、残された者たちは、必然的に、戦慄した。
『……アハハハハッ! よかったねー街がすっかり綺麗サッパリして! どうだ、ボクってすごいでしょ!?』
『すごいわけあるか、このゲス野郎が!』
エドウィンはイズセランダムに発砲する。が、イズセランダムの装甲はあまりにも重厚。カーン、と弾丸が跳ね返った音が虚しく鳴った。
『よくも俺たちの仲間と街をメチャクチャにしてくれた……』
『あー、えー、あーごめん。ボク難しいことわかんなーい。もっとわかりやすいキレイで正しい言葉で喋ってよ。それができないならさっさと死ねよ、生きる価値ないゴミども』
絵に書いたような残虐下劣なイアンの様子を見聞きして、ウルフレットは嘆く。
『なんて幼稚な奴なんだ……』
『あ! テメー今ボクのこと幼稚とかいったな! ダーメなんだダメなんだ! 人の悪口いうなんて最低だー!』
やがて、イアンの酷薄さは普段はおとなしいはずのチョルヒさえも憤らせる。
『じゃああなたは何様なのですか!? 少なくとも、これだけの被害を生み出して大勢の人を楽しませたあなたは私たちよりもひどいと思うのですが!?』
『いーや! ボクは何も悪くない! だってボクは最強で天才だもんねー! だから何をしてもいいんだよー!
ボクの言うことを聞かない奴も! ボクをバカにした奴も! ボクに歯向かおうとする奴も! たった一日しか経ってないのにボクの化神官の力を取り上げた神様も! ボクの思い通りにならない皆が、百パーセント悪いんだよー!』
チョルヒは、鋼都にいる全員とともに絶句した。そして彼女は、鋼鉄さえも凌駕するほどの硬度と、タイヨウのような熱を秘めた覚悟を、決めた。
『ははは……あーノド乾いた。こいつら全員消したらジュースでも飲もー、っと!』
再びイズセランダムが動き出す。目障りな弱小ロボットへ手当り次第レーザーブレードを振りかざす。
その搭乗者イアンへ、チョルヒは化神官として、イズセラ全てを代表して告げる。
『安いセリフですみません……私たちはあなたなんかに絶対に負けません! 何としても、勝ちます!』
チョルヒたちはイアンの規格外の攻撃をかわしつつ、各々攻撃をする。だがイズセランダムの重装甲はそれらを一切通さない。
『いーみなーいんだよーっ! イズセランダムはロジスティクス・サーガ最強の兵器! お前らのオモチャなんかもうじきゴミ箱行きだもんねー!』
『悔しいですが、今は言いたい放題にさせる他ない……』
『あれだけ大きかろうが造られたロボットであるのは確か……きっとどこかに勝機はあります! なので皆さん諦めないで攻撃を続けてください!』
味方を鼓舞しながらチョルヒは、操縦する機械の行動速度全てを三倍にするスキル【機神の激烈】で得た超スピードを以って攻撃を加え、脚部の装甲に浅い傷を付ける。
イズセランダムとて無敵ではない証明故の希望と、チョルヒでさえ浅傷しかつけられない事実の絶望が、イズセラ軍へいっぺんにのしかかる。
『どうすれば、どうすれば私たちはこれに……』
打倒イアンのためチョルヒが熟考している最中、キラリエルは彼女へチャットをかける。
『あのー、チョルヒさん。少々お時間いただいてもいいですか?』
『はい、どうかしましたかキラリエルさん?』
『ものすごーく今更なのですが、化神官就任祝いに一言贈ります。
――『イズセランダムの弱点は胸部中央』ですよ』
ロジスティクス・サーガにおけるロボットの弱点は二つ。
一つは『操縦者本人』。理屈はシンプルなので詳細説明は割愛。
もう一つは『律動の魔石』。サッカーボール大のものでも全高十メートルの機体を動かすぐらいのエネルギーを秘めた魔石。かつ、強い衝撃を与えるとエネルギーが炸裂し良くて暴走、悪くて爆破を引き起こす魔石だ。
魔石の研究をイズセラ一進めていると自負する【チーム・エナジー】のリーダー、キラリエルは、その成果を根拠として己の推察を話す。
『あれだけの巨体を動かす場合、胸部にざっと直径百メートルぐらいの魔石を搭載するのが一番エネルギー使用効率が良くなります。
ですから、奴の弱点はそれがあるだろう胸部。狙うのはそこ一点だけですよ』
『なるほど、規格外の大きさだろうとも、普通のロボットと弱点が同じなのですね。
それと、聞く人を間違えているかもしれないので予め謝ります。コックピットがある確率が高い『頭部』は弱点ではないのですか?』
『違いますねぇ。なんせあのクソガキは胸部にいますから。
なぜなら、直径百メートルの【律動の魔石】は自然界にも人工的にも存在しえない。だから奴自身が何かしらの『カラクリ』とならなければいけませんから』
己を発源に変え、無限大のエネルギーを供給し、如何なる機械だろうとも操縦可能とするスキル――【機神の帝政】。
まぐれかもしれないが、キラリエルの推察はイアンの能力の詳細に辿りついたのだ。
『さて、これで就任祝いはおしまいです。後のことはあなたの三倍速と、あの人の頑張りでどうにかしてください……健闘を祈りますよ、朱い太陽さん』
キラリエルはチャットを切るや否、両耳を塞いでぼやく。
『音量調節ミスり過ぎですよ、デリトソースさん!』
『ウォォォッ! この我の強さ、特と刮目するがいい!』
デリトソースは自機のスピーカー越しに叫びを響かせつつ、四つのガトリングをイズセランダムに乱射、乱射、そして乱射する。
この鬱陶しさがイアンの逆鱗に触れ、イズセランダムはデリトソースがいる方面へ攻撃を開始する。
エドウィンは彼の武働きへ感心して言う。
『ここまですればだいたい分かると思うが一応言っておく。奴と俺とキラリエルとであのガキを引き付ける! その隙に一発ドデカイのかましてやれ!』
『はい! お任せください!』
チョルヒは二つ返事でイズセランダムの胸部へ飛行する。
『【ストライカーズ・ネクサス】!』
やる気だけは十分過ぎる朱いゴミを排除するべく、イアンはイズセランダムから千機もの自立飛行刃翼戦闘機を発進させる。
しかし一機としてチョルヒを阻むことはできない。彼女の朱い【ヴァンガード】の三倍速の進撃は、それらには全く及ばない。
チョルヒは戦闘機が発する爆炎を置き去りにし、イズセランダムの懐に――
『ああもう、どうしてこんなところまで来るんだよぉ! 大人しく足元で潰れっちまえよぉ! 嫌だ嫌だ、死にたくない死にたくない!』
――そして胸部に到達。
『これで終わらせます。【ライズ・オブ・ゼス……』
昇り日が如く燃える斧を、
『……って、子供っぽいことをボクが言うと思ったかな? 【エンペラー・クリード】』
イアンは絶対原則が如き鉄壁のバリアを以ってして防御する。
『このバリアは本来イズセランダムの全身を覆って使うものなんだけど、今回は特別に貴様の正面に集中させておいたよー! てなわけで、感謝して死にやがれ!』
この時既に、チョルヒは戦闘機に囲まれていた。一斉突撃が始まったのは、彼女がそれに気づいた時……
『させるかァッ!』
イズセランダムの肩にしがみついていた【ウールヴヘジン】は装甲を蹴って跳び、手裏剣射撃と剣技で戦闘機を一掃する。
いくら弱点を知ったチョルヒだとしても、イアンは強すぎる。
と、ウルフレットは彼女の身を案じ、自力でイズセランダムの身体を登って来たのだ。
『あーもう! なんてタイミングで来るんだよお前! ……まぁ、忠犬ともどもぶちのめせばいっか。うん、それでいいや』
主の思いに応え、残存する戦闘機がチョルヒとウルフレットの元に集結し、突撃し大爆発する。
『今度は破壊されることを予想して、エネルギー暴走状態で行かせてよかったー。やっぱボクって天才!』
と、墜落する朱いヴァンガードとウールヴヘジンを見て、イアンは自惚れる。
『さて。そろそろ再装填完了した、ね。じゃあボクが懇切丁寧にゴミを焼却してやるよ! 【ホライゾン・ゼロ・ドリーム】!』
再びイズセランダムの全身にある発射口が開く。五千のミサイルが連戦故の疲労が募ったイズセラ・プレイヤーたちへ降りかかる。
『ああ! もはや、幕引きとなりましたか……』
『くっ……せっかくここまで戦い抜いたと言うのに!』
『諦めるな、皆! まだ、赤い太陽は沈んじゃいないぞ!』
エドウィンのヴァンガードが斧で指す先の光景――それは数多のミサイルが、三倍速で空を駆ける朱いヴァンガードが持つ、ウールヴヘジンの刀で次々と斬られる様だった。
『……わかりました。皆さん、陽動を再開しますよぉ! 朱い太陽の黄道を絶やしてはなりませんからね!』
『……そうだ。それでこそイズセラの朱い太陽だ! そうこなくては頑張り甲斐がないからな!』
『さあ、もう一度行くんだ! 俺たちの赤い太陽!』
キラリエル、デリトソース、エドウィンらは情熱を滾らせ全力でイズセランダムを攻撃する。
『たかがミサイル斬ったのを見て何が嬉しいんだよ!』
またしてもウザくなった雑魚達へイアンはレーザーブレードの斬撃をくれてやる……寸前、彼は冷静になる。
『……いや待て。ここは奴らの心の拠り所……あの速さだけは立派な朱い雑魚をぶっ倒すべきだな! あはは、やっぱボクって超天才!』
イアンは戦闘機とレーザーブレードで、朱いヴァンガードを今度こそ破壊しようとする。
朱いヴァンガードは三倍速で機敏に飛び回り、全ての攻撃をかわす。そして先程よりも短時間で胸部間近へ到達する。
だがこれはイアンの予想通り、
『ふん、どれだけ速く来ようがボクにはぜーったい勝てないんだよ! 【エンペラー・クリー……』
即座にバリアを展開……する寸前、イズセランダムの胸部装甲が、ウールヴヘジンの持つ斧により三倍速で引き裂かれる。
『い、犬ころ!? お前いつの間にここにいたんだ!』
ウールヴヘジンの操縦者は答える。
『ついさっきです。三倍速で駆け上がってきました』
『その声は、さっきまで朱い雑魚に乗ってた奴!? じゃあ正面にいるお前は……』
『犬コロ……ではなく、ウルフレット・ブラッドムーンです』
再び朱いヴァンガードが現れた際、イアンのヘイトは確実にそれへ向かう。
そう予想したチョルヒとウルフレットは、墜落後すみやかに機体を乗り換えた。
ウルフレットは予め、朱いヴァンガードに搭載されたエドウィン回路を作動させ三倍速に加速し、あたかもチョルヒが乗っているように装う。
そしてチョルヒはウールヴヘジンを操縦し、気づかれないうちにイズセランダムの身体を駆け上がる。
――これが二人が編み出した、イアンの暴政を打ち砕く奇策だ。
『ち、調子に乗るんじゃない! 【エンペラー・クリード】!』
イアンはイズセランダムの胸部前面にバリアを展開。ウールヴヘジンを弾き飛ばす。
飛ばされたウールヴヘジンは朱いヴァンガードの背に乗る。ここでパイロット二人は自機に戻り、即、二機で同時攻撃してバリアを破壊する。
イアンは二機を追い払おうと、イズセランダムの右手のレーザーブレードを振る。
『もうこれ以上邪魔をさせん! デリトソース、キラリエル! ついてこい!』
『力を貸してやろう。だがリーダー面はするなエドウィン!』
『もう少し丁寧な物の頼み方をしてくれませんかね……まぁ、快く引き受けますけど』
最中、イズセランダムの右手に三人が接近し……
『『『【EAMストリームTRINITY】!!!』』』
レーザーブレードの斬撃、ガトリングのゼロ距離射撃、そして斧の一撃が間断なく繰り出され、イズセランダムの一振りは中断させられる。
そしてチョルヒとウルフレットは、がむしゃらにイズセランダムの胸部を攻撃し、その内側に座すコア――操縦者イアンへと迫る。
もはや二人と二機を止める手段が無くなった――破滅の運命へまっしぐらとなったイアンは、コックピットの中で大泣きする。
『な、何で……何で皆ボクにひどいことするんだよぉッ!? ボクは何も悪いことしていないのにぃッ!?』
ウルフレットは叱責する。
『しらばっくれるんじゃない! 貴様はどれだけの俺たちの大切なものを傷つけたと思っている!』
『じゃあ弁償するよぉッ! 家もお金も全部、全部、ボクが集めて返して上げるからぁ……』
このイアンの言葉により、チョルヒの義憤にますます火が付く。
『それもそうですが、一番に、あなたは私たちの心を――情熱を踏みにじったのです! それを物で返そうなど思わないでください!』
『……ぃぃぃじゃあ……じゃあ、どうしたらいいんですか、何をすれば許してくれるんですかぁ……!』
『それはだな、お前は……』
『貴方は断固として……』
『『絶対に許せる存在じゃない!!』』
コックピット前方の壁が砕け散る。ここでチョルヒとウルフレットは、泣き喚く赤髪の少年と対峙する。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 死にたくない死にたくない死にたくない……」
刹那、イズセランダムはコアを失い、あっけなく機能停止した。
【完】
ロジスティクス・サーガ・データベース
■キャラクター紹介
【イアン・ルビ】
分類:ピープル(旧化神官)
所属:機国イズセラ
レベル:100
ジョブ:【重装士】/【化神官】
機国イズセラの旧化神官。またの名を『紅帝』。
有り体に言うと悪ガキ。化神官に就任する前は、機神トドッバ・マに気に入られるような熱血少年だったようだが、本性はとにかく残虐で思いやりのない少年。
下記のイズセランダムを悪用し、機国で大暴れした結果、就任からわずか一日で化神官の称号を剥奪された。
イズセラの【重装士】は、プレイヤーが操縦できる最大サイズの機械の免許【メカニカル・ライセンス5】を取得可能という、シンプルなパワースタイルが推奨される。
加えて彼は【機神の帝政】という、【メカニカル・ライセンス∞】とも言うべき、全ての機械を操縦する権限と、自身から無限大の機械を動かすエネルギーを生み出せる効果を併せ持つスキルを持つ。
このスキルを用い、イズセラの首都【鋼都】の地下に眠っていた、数多の武装と全高五千メートルの規格外のサイズを誇るロボット【機動戦神 イズセランダム】を操縦し、圧倒的な力を振りかざす。
名前の由来はアイアン(鉄)とルビーです。
旧化神官は長ったるい名前のキャラクターが多いので、彼はこんなシンプルな名前になりました。
ロボットアニメの主人公も、わりかしこんな感じで短くまとまった名前が多い印象もありますので。




