116.集う因縁
イペファワエゼ軍の裏切り、ネロアの東軍本陣への単騎奇襲。などなど、開戦間もなく次々と大きな出来事が起こる、このロジスティクス神戦。
その戦地となっている平原の、とある場所にて、黒い煙が蔓延していた。
煙の中には、何人ものトードイスムカ軍などの、いわゆる西軍のプレイヤーが何人もいて、良くて何も無いところへ、悪くて味方へ、悲鳴を上げながら理由もわからず攻撃していた。
その狂乱状態を、ある黒鎧を装備した男は遠くから眺め、たった一人で大爆笑して。
「ザマーみやがれェ、クソネロアのシンパどもがァッッッ! 俺を恨むんじゃねえぞ、恨むのはお前たちの心と頭の弱さと、ロジスティクス・サーガ最凶のダニ、ゴミ、ガン細胞、存在意義完全不明物体の、クソネロアなんだからなぁッッッ!」
彼の名前はアルトリウス・ノープライド。 災国カメセスコアに属するプレイヤーにして、十二星竜の一人――【乙女星竜】でもある。
だがこの二つ名はあまり彼には使われない。もっと彼を端的かつ正確に表す『ロジスティクス・サーガ最低のプレイヤー』という渾名があるのだから。
この黒煙は、アルトリウスのスキル【乙女星の竜眼】によるものだ。
これにより展開された黒煙を吸った相手は、自分の弱みや罪を貶され続ける幻覚を見続ける状態異常【憂鬱】になる。
今、黒煙の中にいるプレイヤーたちの目には、過去の因縁の相手などが映し出されており、それをどうにか退かそうとしている結果、あのような狂乱状態となっているのである。
こうした状況を、アルトリウスは黒煙を、広大なこの戦場に遠慮なく撒き散らしていくつも作っていた。
「……ウェンリーやヴァイスからは『君は北ルートで戦え』ととやかく言われたが。俺はそんな無策なんざ聞くもんか。
なんてったって今日は、あのクソネロアを合法的に殺せるビッグチャンスなんだからな! しかも超大衆の前で! ヒヒヒヒヒ! 大恥かかせてロジスティクス・サーガにログイン出来るどころかインターネットも使えないぐらい社会的に抹殺してやらァッッッ!
そのためにお前ら! 義憤っていう余計な感情に駆られて来てくれるだろう、ネロアのための生贄となりやがれ!」
アルトリウスの下劣な高笑いと、煙を吸ったプレイヤーの悲鳴。その二つの声がここから響くのだった。
そしてアルトリウスは一通り笑い尽くして疲れた後、
「……さーて、次はどこ行こっかなー。なんかクソネロアさっき本陣のほう行ったとか聞いたが、俺がそこへ行くのは、何か奴に譲歩した感じがあって嫌だな。
そしてとっととネロアを見つけてやる。じゃあ」
辺りを見渡し、次なる戦場と生贄を探す。
「【轢殺デッドリーハイウェイ】!」
その時、彼の元に、雷に覆われた車輪のようなものが、凄まじい勢いで接近してきた。
「【ディザスター・バッシュ】ッ!」
アルトリウスは咄嗟に、赤黒い稲妻を帯びた盾を突き出し、車輪を防御する。
車輪は徐々にその回転速度を弱めていき、やがて、正体――稲妻で刀身が構成された剣を持つ、イカツいナイスガイがあらわになる。
「だ、誰だテメェ!?」
「お前はアーサーだな!? ネロアから噂は聞いているぞ、貴様はロジスティクス・サーガ最低のプレイヤーだってな!?」
「アーサーではない! アルトリウス! 勝手に略称を使うな! でもって結局、誰なんだテメェは!?」
「逆にお前は知らないのか? トードイスムカ国営闘技場リーグ戦のランキングトップ10からなる【十殺】のナンバーワン! エマヌエス・サンダーロード様を!?」
「知るかボケ! そんな急に出来た設定引っ提げて、急に現れた新キャラのことなんかなぁーッ! 【ディザスター・バッシュ】!」
この詠唱の直後、アルトリウスの盾が帯びていた稲妻が一気に炸裂し、エマヌエスを後方へふっとばす。
すかさずアルトリウスは盾を装備した左腕を、エマヌエスへ突き出し、彼に黒煙を浴びせる。
器用に着地し、体勢を立て直した直後、エマヌエスは自分を取り囲む煙を見て騒ぐ。
「な、何だ、これはレーティング緩めのゲーム内で出していい煙なのか!?」
「いいからこうして出せるんだろうが! まぁ、ここから起こる惨劇は、ひょっとしたら不適切かもしれんがなぁ……ヒヒヒ……!」
アルトリウスは、エマヌエスが黒煙の中で、自分どころか自軍すらいない、明後日の方向を見つめ始めた。その辺りに、エマヌエスの罪悪感の元があるのだろう。
(さてさて、アイツは一体どんな罪の意識があるんだろうか……)
アルトリウスは一応武器を構え、エマヌエスの様子を観察し始めた。
その時、エマヌエスはブツブツと明後日の方に向かって何か話していた。
それが終わると、エマヌエスは雷の剣を、アルトリウスへ狙って振り下ろす。
「【裂殺サドゥンカッター】!」
すると稲妻の斬撃波が放たれ、アルトリウスへ一直線に飛んでいく。
「な、なんでぇ!? 【ディザスター・バッシュ】!」
アルトリウスは再び稲妻を帯びた盾を突き出す。が、想定よりも威力が強く、アルトリウスはなかなかのダメージを受けながらのけぞる。
エマヌエスは黒煙の中を歩き、アルトリウスの方へ向かいながら、
「俺の愛刀【クライムブライト】は、刀身に属性攻撃を受けると、その二割分の威力を吸収し、次の攻撃の威力を高めることが出来る……」
「そんな武器の説明なんかいらん! それよりもお前、何か嫌な感じの幻覚とか見てないのか!」
「ああ、見たぜ。ある映画のオチを無意識にバラしてキレさせた友達が、そこにいたんだ。で、『二十五年前くらいの映画なんだからもうネタバレされまくっても文句言えんだろ』って説明して帰ってもらった!」
「そ、それだけ……? え、何かお前、今までに悲しませた人とか、傷つけた人とかいないのか!?」
「知らん! 多分そこまでのことは本気でしてないと思うし、仮にしてたとしても俺は無駄にクヨクヨしねぇ! 即行で行動で示すのが、俺の流儀だ!」
「……はぁ、こんなのが今のネロアの手下なのか。だったら……歩いてないでさっさと来やがれェ! トードイスムカ・プレイヤーの大先輩として、このアルトリウス・ノープライドがテメェを躾けてやる!」
「何だとぉ~……面白れぇ! じゃあ今から速歩きしてやるよ、ナンバーワンの称号にさらに箔をつけるためになぁ!」
「いや走れ! 何ならさっきのスキル使えよ!」
エマヌエスとアルトリウス。新旧の死国の実力者が、ここに激突する。
*
戦場南部にて。
カイナフィ、オサラウド、ヒドゥニルンらが率いる術国イペファワエゼの精鋭千人が、邪魔する敵を倒しつつ、進軍する。
彼らが狙うのは新たな東軍本陣。先程までそこに組みしていたことで把握した最短ルートで、ヴァイスたちへ二度目の急襲をしようとしているのだ。
イペファワエゼの急襲隊を先導するオサラウドは、命国ミレアら三国の旗が掲げられた地を指さして、
「見えてきたぞ。東軍の本陣が」
「接近し次第オサラウドが【ノーム・エーペックス】で場を荒らし、オレ様が【シルフ・インビンシブル】でヴァイスの首のみをかっ切る……こんなショボい小手先の策通じるのかぁ?」
と、ヒドゥニルンは不安げに言う。
「おっと、僕の【ウンディーネ・スペリオル】の戦況把握によるアシストもお忘れなく」
対してカイナフィは自信満々だった。
「ヴァイス、ジュリクス、橙瀧……その他大勢の親衛隊もいるだろう。だが臆するな、皆! 『幾多の学び』と『呉越同舟の結束』を根拠とした我々は強いと信じるのだ!」
オサラウドの鼓舞を受け、ますます勢いづく急襲隊。そしてついに決行の時が来る。
「む? や、奴らはイペファワエゼの……」
「【ノーム・エーペックス】!」
陣幕を突き破り、真っ先に本陣へ突入したオサラウドは、槍先を地面に叩きつけ、ヴァイスたちがいるであろう箇所を隆起する岩で突き上げる。
何人かの親衛隊が空中に叩き上げられ絶命する。が、肝心のヴァイスの姿は見えない。
「さぁ、どこにいるのでしょうかヴァイスさんは……【ウンディーネ・スペリオル】!」
続いてカイナフィは半径十メートルに状況把握効果のあるミストを展開。これでヴァイスの現在位置を探ろうとする。
「お、岩の中心が不自然に凹んでいますね。やはりここに誰かいる……」
「よっし、じゃあオレ様が秒で仕留める! 【シルフ・インビンシブル】!」
ヒドゥニルンは突風を作るや否、これに溶け込む。突風の速さで隆起した岩の中心へと向かう。
「なっ!? ひ、ヒドゥニルン様早くお戻りを! そこにいるのは……」
「うぉぉぉ! 覚悟しやがれヴァイ……ス……!?」
「残念、ここにはヴァイス様はいません」
「いるのはオルディッツさんと、僕、ウェンリー・イーブネスだけだ」
ミレアの【五造:尋】オルディッツは意味深な座標をつぶやき、カメセスコアの【天秤星竜】ウェンリーは得物の三角刃を、風吹く方へ向けて磁力で宙に固定する。
「げほぁっ!?」
三角刃に引っかかりヒドゥニルンは裂傷する。ダメージを受けたことにより、風への溶け込みも解除され、オルディッツとウェンリーにその姿を晒す。
これにはもう意味がない。使用者がそう判断したため、岩が土に還る。
カイナフィとオサラウド達急襲隊がヒドゥニルンへ駆けつける
「ち、ちっきしょぉ……」
「あなたはファストでクイック過ぎたんですよ、ヒドゥニルンさん! 私は言おうとしましたからね! 『ここにヴァイスはおろか、ジュリクスも橙瀧もいない』と!」
「ヴァイスは我々の急襲を勘付き、ジュリクスと橙瀧と共に予め、さらに奥へ避難したのだな……」
ウェンリーはオサラウドに拍手を送り、
「ご名答だよ」
オルディッツはこれに補足する。
「正確にはネロア殿が最初の本陣を捨てたのと同時に、使い捨てることを前提とした第一本陣と、最終的に腰を据える第二本陣を両方とも用意していたのです。
手前味噌になりますが、これ以降の前線指揮はヴァイス様の方針を元に、私たちが取っていました。もっとも、化神官という法外な実力が暴れまわったせいで、あまり褒められる戦果は出せていませんが」
「化神官五人が一挙にここに来る前に彼らに来てもらえただけでも大手柄だと思うけどね。
そうじゃなければ僕たちクラスじゃあ瞬殺されて策がオジャンになるから」
「それで気持ちを切り替えさせてもらいます。ウェンリーさん、ありがとうございます」
「どういたしまして、オルディッツさん。さて、じゃあ僕も気を切り替えよう……!」
他人の所有物以外の金属を磁力で操る【天秤星の竜眼】で、周囲に浮かせていた正三角形の刃二十枚で構成された特殊武器【レジスタンス】を操り、ウェンリーは両手それぞれに持った棒に十枚ずつ連結させ、双剣を作る。
「イペファワエゼの三雄を倒す気に、ねッ……!」
「私も微力ながらお力添え致します。皆、即急に集結して陣形を組み直してください」
東軍本陣跡にて、ウェンリー・オルディッツの親衛隊と、イペファワエゼの奇襲隊がにらみ合う。
軍師二人より発される尋常ならぬ殺気と、策に踊らされていた後悔で、イペファワエゼの急襲隊は足が動かなくなる。
このマイナスな空気が流れる中、オサラウドは、槍を構え直し、轟々啖呵を切る。
「生憎だが、策にはまっていたのはお前たちだ! 我らの『貴様らを押さえつける』という策にな!」
「どうやら、あちらも気を切り替えたようだね。付け焼き刃のようにも聞こえなくはないが、気迫が凄まじい」
「さらにこの気迫は単なるハッタリじゃないようです」
急襲隊は一斉に臨戦態勢を取り、オルディッツとウェンリーを睨みつける――オサラウドの『切り替え』に、再度勇気を焚き付けられたのだ。
「オサラウド様。オルディッツ様は私にお任せください。理由はシンプルかつイージーですから事細かく言いませんし、言いたくありません」
「オレ様はウェンリーを重点的にやる。一度つけられた傷は百倍にして返してやらないと気がすまないっつーの」
「俺もウェンリーの相手をする……奴は『素の実力なら橙瀧とも互角』と噂されている猛者だからな」
イペファワエゼ勢は簡単な作戦会議をした後、再度軍師二人を睨み、息を揃えて彼らへ突撃する。
「かかれーッ! イペファワエゼの知勇、特と思い知らせてやるのだ!」
「知勇兼備なら僕も負けずにはいられないね!」
「皆様、全力を以て相手してください。そして、奴らの命で作戦失敗の責任を取らせるのです」
学を積み重ねた者たちと、策を極めつつある者たちによる、個々の名誉をかけた烈戦が始まった。
*
流水、大地、暴風……イペファワエゼの三学級長が、偽の第二本陣で戦っている頃、そこからやや北西の戦地にて。
「【最羅万怒竜・万軍無】!」
その三学級長のメインカラーを赤に差し替えたような装備を身につける、古典的な不良のような男が、西軍を火の海に沈めていた。
彼の名前は、ブッチギリースト。少し前にはこの後に『サラマンドラ』という名前が続いたが、今はもう名乗ることが出来ない。
彼は過去に、イペファワエゼの学園都市で、術国の改革のために、秘宝『トパライザ禁書』を中心とした陰謀を働き、生徒会長エロイースに国を追い出された。
その際に【烈火の学級長】の称号と、それが名乗れる『サラマンドラ』の名前を剥奪されたのである。
現在、彼はヘブンズレイドの折に知り合ったウェンリーを頼りに、カメセスコアに居候しており、今回はそれに従って、イペファワエゼ正規軍とは敵対した東軍に、自分を慕ってついてきた烈火の学級生ともども身を置いている。
ブッチギリーストはある程度敵を片付けた後、南東の方角を見る。
そこから発せられる水土風の残渣から、そこ――偽本陣で起こっていることを、ブッチギリーストは察した。
「三学級長ら、ウェンリーと、オルディッツの野郎と戦ってんな……まぁ、あの二人なら互角なるか」
と、嫌な再会をしなくて良い理由を自分に言い聞かせるようにつぶやき、ブッチギリーストは次なる敵を探す。
その時、自分より前に出張っていた元同級生たちが、閃光に包まれ消滅していた。
「な、なんじゃあこりゃあ!?」
自分の同志はこんなに軟弱くないはずなのに――ブッチギリーストは強敵の襲来に遅れて気づき、拳を構える。
「キャハハ! ざぁこざぁこー! みえっぱりわるわるおばかさーん!」
閃光が止んで晴れた、前方の視界にいたのは、足元から光を放って空中に浮く、和風な魔法少女であった。
「だ、誰だテメェ!?」
「フキ=フシキベ=ストラグラー。あたまカチカチおばかさんのために、遥々ヨヤアサからやってきましたよ」
「文国ァ? あの平和な国にこんな強いヤツいたのか……?」
首をかしげる級長に、残された烈火の学級生たちは言った。
「そんなことよりも早く、先に散った奴らの仇を取りましょうや!」
「なんかよくわかんない力を使ってきますけど、俺なら楽勝ですって!」
「とっととぶっ飛ばして、ウェンリーさんにもっと恩を返してやりましょうぜ!」
「応、そうだな! あんなガキンチョ、迅ッ速とお家に帰してやらァ!」
そしてブッチギリーストら元烈火の学級生たちは、フキ一点に突撃する。
フキは、辺りに浮かぶ緑色の光の粒――ホタル型モンスター【ノーブルファイアフライ】を数十匹放ち、向かってきた暑苦しい漢たちに光属性エネルギーの連鎖爆発を浴びせた。
閃光の中からいくつかの消滅エフェクトが飛び散ったのを見て、フキは高らかに笑う。
「キャハハ! ざーこざーこ! 計画性スカスカおにーさんなんだね!」
「ああそうだ、計画性スカスカお兄さんだワシは! だがな……!」
その閃光の中から、HP残り三割の満身創痍状態で、ブッチギリーストは飛び出す。
「根性は誰よりもギチギチなんだぜワシは! こんな単純い攻撃なんかシャワーでも浴びたくらいで済ませるくらいにはなぁ!」
「ひ、ひやぁぁぁ! お、お兄様、助けてくださいましぃ!?」
「急に敬称っても無駄だぞテメェ! ワシの同級生の無念を浴びてくたばりやがれぇぇぇ!」
ブッチギリーストはフキとの距離を詰めて、拳に紅蓮の炎を纏わせ――彼が誇る最大級の火属性魔法【サラマンドラ・マグナ】を繰り出す。
しかし、
「【シルフ・ファンタスティック】!」
ブッチギリーストは突如、百八十度向きを回転させ、意味もなく虚空に拳を打ち込んだ。
「あ、あれ? 何でワシは振り向いて……」
ブッチギリーストは直ちに踵を返し、再びフキに向き合う。
だが、その時彼女は遠くに逃げていた。代わりに、その位置にいたのは、古風な騎士のように全身を鎧で固めた青年と、上に跨る主と同じ鎧めいた甲殻を持つカブトムシであった。
「!? あれ、テメェはまさか……ブラゼファ・シルフ!?」
「その名はもうとうに捨てた! 今の我輩は、ブラゼファ=サルヴァンデス=ストラグラー! そして下におるのが我が愛馬【ナイトメアビートル】!
我らと後ろに居るフキ殿ともども、誇り高き文国ヨヤアサの【ストラグラー家】を背負いし者である!」
ブッチギリーストは一旦後ろへ下がり、ブラゼファとの間合いを取ってから、
「ワシはどっちかというとあの性悪の打倒に専念してたから然程対峙ったことねえが……まさかこんなところで会えるとはな」
「ストラグラー家を代表し、シュラ殿とネロア殿への償いのため、このロジスティクス神戦に来たのだが……まさしく奇遇であるな」
と、ブラゼファは感慨深げに言った。
「ちなみにわたしはお父様から言われて、ブラゼファお兄様の監視役として参りましたわ。本当はお兄様お姉様と一緒にお留守番したかったのですが」
ついでにフキも離れたところでこう言った。
「神秘奇遇だな。互いに啓都から追放された元学級長が、こうして出会い、そして対決することになるとはな!」
ブッチギリーストは、拳を構え、闘志をたぎらせて叫んだ。
対するブラゼファも、跨る愛馬とともに真剣な眼差しでブッチギリーストを睨み、
「同感である! ブッチギリースト殿、貴様であれば申し分ない! 遠慮なく、ストラグラー家の戦果としてその命、頂戴する!」
「火傷るんじゃねぇぞ……間違って汚名を頂戴しないようにな!」
そして、烈火と暴風……かつて学級長の称号を持った二人の英才の、意外な対決がここに勃発する。
【完】
ロジスティクス・サーガ・データベース
■キャラクター紹介
【術神イイキュフォアグ】
分類:神
管理国:術国イペファワエゼ
ロジスティクス大陸の、学術を管轄する女神。
知識欲の強い、寡黙な神格。
大陸に数ある技の効果とそれ相応の対価を決めるのが神の務め。
また、自国の学園に限っては、優れた魔法使いが編み出した魔法に名前を付けたり、能力の改修をしてくれることもある。




