↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
母を殺した白銀の城を捨て、俺は異国の女と生きる 〜「王冠を叩きつけた第二王子、誓いの逃亡」〜  作者: I・G・ε


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/9

第6話【死闘の船宿と、深紅の閃光】

嵐の雷鳴が轟く中、

狭い船宿の一室で、

生き残りをかけた激しい乱闘が

幕を開けた。


俺たちの真の脱出行は、

この嵐の港町で

最大の窮地を迎えていた。

狭い船宿の廊下に、

刃と刃がぶつかり合う

凄まじい金属音が響き渡った。


踏み込んできた密偵騎士の剣撃を

長剣の腹で受け止め、斜めに受け流す。


体勢を崩した騎士の隙を見逃さず、

柄頭でその顎を突き上げた。


甲冑の砕ける甲高い音とともに、

騎士は白目を剥いて倒れ込んだ。


だが、次から次へと

ガルシアの配下である荒くれどもが

狭い部屋となだれ込んでくる。


「死ね、お尋ね者!」 「くそっ……!」


人数差があまりにもありすぎる。


部屋の狭さが逆に功を奏して

一度に襲いかかられるのは

防げているものの、

長引けば体力を削られ、

黒騎士団の本隊が到着してしまう。


その時、

俺の後方から

激しい魔力の高まりが伝わってきた。


「オリヴァー、耳を塞いで伏せなさい!」


メイヴィスの鋭い声。


俺は躊躇なく床へ滑り込み、頭を抱えた。


直後、

彼女の手元から放たれたのは

普通の弾丸ではなかった。


新大陸の最新技術で作られた魔導閃光弾。


凄まじい爆音と光が狭い部屋を満たし、

敵の男たちは悲鳴を上げて目を押さえた。


「目が、目があああ!?」


「今ですわ、オリヴァー!」

俺は即座に跳ね起きると、

混乱する男たちを押し退け、

メイヴィスの腕を取って

窓枠を蹴破った。


「飛び降りるぞ!」


「きゃあっ!」


二階の窓から二人は

激しい雨が打ち付ける夜の路上へと

躍り出た。


雨でぬかるんだ泥の上に

転がり込みながらも、

すぐさま体制を整える。


背後の船宿からは、

足を怪我したガルシアの怒号が

響いていた。


「追え!

 奴らを第三埠頭に行かせるな!

 港を封鎖しろ!」


「ハッ、口だけは達者な奴だ」


俺は雨に濡れた髪を拭い、荒

い息を吐きながらメイヴィスを見た。 「


「怪我はないか、メイヴィス?」


「ええ、大丈夫ですわ。

 それより……ガルシアの裏切りで、

 第三埠頭の船は絶望的になりましたわね。


「どうなさるつもり?」


「船元はガルシアだけじゃない。

 昔、軍の密入国捜査で知った

『裏の船乗り』がいる。第

 5埠頭の密輸船『黒鯨号』だ。

 奴なら金と命のやり取りに慣れている」


雨と雷鳴がラグナの街を揺らす中、

俺たちは濡れた石畳を全力で駆け抜けた。


追手の足音が四方から近づいてくる。


この港町全体が、

すでに俺たちを捕らえるための

大きな罠と化していた。


だが、

どれほど絶望的な状況であろうと、

俺たちの前に立つ暗雲を切り開く刃を、

俺は握りしめていた。


©[I・G・ε]All Right Leserved.

雨脚はますます強くなり、

路地の敷石は川のようだった。


オリヴァーは

メイヴィスの手を引き、

崩れかけた倉庫の陰から、……。


明日、18:10 に、第7話を投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。