最終確認
アミュラが真ピュアリラ、カミュラが今ピュアリラとして信奉者達を集めている間に上空を飛んで探るのを繰り返して、人神の都は全て調べ終えた。
街や村は、場所は離れているものの神が疎らなので調べるのは早い。
信奉者が気付いても騒ぎ立てずに その場で祈りを捧げるだけなので、都を離れると後はスムーズだった。
見付からないままマヌルの里に戻るのは悔しかったが、彩桜が戻っているかもしれないし、部屋に残したカケルも気になるので戻った。
ソラと響は真っ先にカケルの部屋へ。
ノックすると、返事をしたのは紗だった。
入ると紗は眠っているカケルに治癒を当てていた。
【彩桜は?】
【さっき戻って白久お兄さんとお話ししていました。
あ、大広間に……演奏するみたいです♪
私、行きますね♪】瞬移♪
【どうするの? 行きたいんでしょ?】
【お兄の状態を確かめてからね。
何度も投げたし、闇禍も入ったんだからね】
【あ~入ったね~♪
もう すっかり忘れてたわ~♪】
【そうだろうと思ってたよ】苦笑。
【ソラ、お兄を相棒にするの?】
【…………無理】
【やっぱりね~♪ 彩桜くんがいいよね♪
私がサポートして2人が戦う。ベストよね♪】
【うん。お兄がシッカリ修行してくれたら加わってもいいけどね。
彩桜とは離れたくないよ】
【一緒に三界にも行きたいもんね♪】
【一緒に行こ~♪ サーロンも行こ~♪】【え?】
咄嗟にサーロンになって彩桜へと瞬移した。響も追う。
【サーロンも来た~♪ 演奏しよ~♪】【うん♪】
【マーズとユーレイ探偵団、集合なの~♪
演奏会するの~♪ お祝いなの~♪
陽の気にするの~♪】
最初は、この災厄きっかけで復興中に結婚した神々を祝っての演奏会だったが、集まった神達が話し合ううちに、もう神世の復興は一区切り着いたのではないかという流れになっていった。
【アノーディアでは地下に避難してもらった人神さえ出してもらえれば、後は神が協力していけばいいよね】
もう人世に行く気満々なドラグーナ。
【だろ?
カソーディアも発掘なら終わったからな。
いつまでもユーレイ達に頼りきりは神として情けねぇだろ】
もう自由の身だと浮かれ気分のマリュース。
【その通りだな。兄様も帰りたいのだろう?】
子供達も人世に連れて行くつもりのトリノクス。
【帰る、とは人世にか?】
怪訝全開なオフォクス。
【だよね♪】【他にあるかよ♪】
【狐の里に帰れば長を押し付けられるのでは?
兄様が神世に残っても私は人世で暮らすつもりだ】
【ふむ……む? 話は神世の復興であろう?
儂の話に置き換えるな。
明日より復興は神のみとするのだな?】
【だからユーレイ達と一緒に人世に帰ろうね♪】
【……ふむ】
四獣神達の そんな話が聞こえる。
潜んでいるのは確定な闇禍が見付かっていないのにとソラの気持ちが傾きかけたのを彩桜が治癒で支えた。
【あのね、今は見つからない思うの】
【彩桜でも無理なの?】
【んとねぇ……闇呼吸着てお尻イチバンなの。
お尻に闇呼玉ピトしたら捕まえられる思うの。
どんなに工夫して隠れてても、しがみついててもね。
でもねぇ、今回て女神様でしょ。
ね? 無理でしょ?】
【無理だね】どうしてお尻なんだか、と苦笑。
【ね。だから動くまで待つが正解て思うの。
たぶん~『次の女王はワタクシよ!』て騒ぐ思うから~♪】
【騒ぐってアリ?】隠れてるのに?
【アリなの~♪
闇禍憑くと悪ノリしちゃうの~♪
にゃ~んかズレちゃうの~♪】
【言われてみれば……そうだよね。
彩桜みたく ご陽気じゃないけど、ノリノリで『悪』をしてたよね】
【ね♪『ワタクシこそが悪の女王ですのよ!』
で『おーっほほほ!』でしょ♪】
【彩桜ってば♪ 吹けなくなるからヤメて♪】
一緒にクラリネットを吹いている。
【笑ってないとね~♪ 陽の気は正義~♪】
【もうっ】
【だから~♪ 一緒に人世に帰ろ~ねっ♪】
【そうだね……うん♪】
【悟と竜騎、狐儀師匠に神世案内してもらったみたい~♪
まだ途中だから また行くみたい~♪
サーロン、一緒に行かない?♪】
【だったら恐竜に乗りたい!♪】
【うんうん♪ 一緒に行こ~♪】
演奏会は神世の復興が一区切り着いた祝宴に変わり、異界の龍神達も演奏に加わって大いに楽しみ、地星を陽の気で包んだ。
祝宴が終わると輝竜兄弟は異界の龍神達と行動を共にしたので、A班とB班は最終確認の為にカソーディアに行った。
B班は揃っていたが、王子達は神王殿だし、カケルは起きなかったのでA班はソラと響しか来ていなかった。
地に両掌を当てて慎重に探りつつ前進する。
カソーディア中を少なくとも一度は探っているので、より深くを速く調べていった。
【なんだか雑巾がけ?】
【え?】
【学校でしなかった?】
【掃除の時?
ボク達、人数が少なかったからかな?
モップだったよ】
【もしかして……ジェネレーションギャップ?】
【じゃなくて人数だってば♪】
【彩桜くんにも聞いてみなくちゃ!
あ……ねぇ、まだ引っ掛かってるでしょ】
【何を? 彩桜から連想?】
【うん。彩桜くんと話してたこと。
闇禍は今は捕まえられないって】
【それは……スッキリしないよね】
【ソラ、神世にホイホイ来れちゃうでしょ?】
【うん。ホイホイじゃないけどね】
【彩桜くんなら もっとホイホイでしょ♪】
【そうだね。
彩桜は職神もしてるから通うと思うよ】
【だったら~♪ 巡回しよ♪】
【ボクは来れるけど、響は都度ユーレイにならないと無理なんだよ?】
【じゃあ私は紗ちゃんか飛鳥くんに乗せてもらって人世を巡回するから、彩桜くんとソラが神世ねっ♪
人世だって来ちゃう可能性あるでしょ♪】
【そりゃあ可能性ならね】
【だから♪ ユーレイ探偵団が一番に見つけるのよ♪
誰に入ってるのかが分かれば対処もできるわよ♪
今は貴族な女神様のお尻を片っ端 調べるなんてできないんだから~♪】
【どうして そんなに張りきってるの?】
【闇禍に対抗するには明るく考えなきゃ♪
でしょ?】
【そうだね】
【これからも怨霊は出ると思うのよね。
でもユーレイは もう増えないでしょ?】
【欠片持ちな子供は生まれなくなるから、そうなるよね】
【だから今の祓い屋は ずっと続けないといけないし、ユーレイ探偵団も永遠よ♪】
【あ……慰めじゃなかったんだ。
確かに そうなるよね】
【家族と一緒に成仏を選んだり、神世で天使するのを選んだりで減るんだから、今がピークよ。
私はソラと一緒に戦い続けるつもりなの。
だから潜んでる闇禍も、その戦いの中の1戦ってだけだと思うのよね~♪】
【そっか。今回のは終わりにして、次に進まないといけないよね。
これからが長いんだから張りきって明るくだよね♪】
【ね♪ ん? なんか……声?】
【だったら止まって】あははっ♪
引き返して調べ直す。
【確かに何か……歌ってる?】【歌ってるね♪】
【この声……彩桜?】
【ほえ? ソラ兄どしたの~?♪】
【何処に居るの?】
【絶滅種保護区域~♪ 恐竜達と歌ってた~♪】
【異界の龍神様は?】
【帰っちゃった。
でもねっ、また会えるからいいの~♪】
【そっか♪ それに行くんだよね?】
【ぜ~ったい行く~♪
ね、ソラ兄 何してるの?】
【最終確認。
もう残ってなければカソーディア側もユーレイは終わりにしようって】
【ソラ兄の掌握、下空の天井スレスレだよ?
あ♪ だったら俺、天井から調べる~んるん♪
終わったら恐竜ライドしよ~♪】
【しよう♪】【ホントに乗るの!?】
【ふかふかカワイイよ~♪】
【【ふかふか?】】
【羽毛♪ 大きな鳥さん♪】
【そうなんだ♪】【いやいやそれでも~】恐い。
とかなんとか言っていた響が一番はしゃいで乗り回していたのは言うまでもない。
―◦―
彩桜が加わって予定より随分と早く終わった分は、恐竜に乗って遊んでいるうちに過ぎてしまった。
マヌルの里に戻り、カケルの部屋に行くとモグが添い寝していた。
【そういえばモグ、どこで何してたのかな?】
【そうだね、ずっと見てなかったね】
【見てないと言えばだけどアッシュイ様は?】
【音楽をたっぷり聴いたのも含めて報告するって帰ったよ】
【異界とか超越者様とか、とんでもビックリな大騒ぎになったけど、元通りになってくのね~】
【そうだね。あとは人世に戻るだけだね】
【まだ夏休みよね?】
【そうだよ♪
新曲の発売日も決まったんじゃないかな?】
【もう発売されてたりして~♪】
【かもね♪
これからバンド活動も忙しくなるよ♪】
【そうね♪ 頑張らなくっちゃ♪】
最終確認が終わりましたので、神世でのユーレイ達の復興活動は終わりました。
半月ほどの神世生活は落ち着く暇なんてありませんでしたが、響もソラも充実していたと思っています。
カケルは……どうなんでしょうね?
寝てるか投げられるかでしたからね。




