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闇禍探しと歴史集め



 カソーディア上空から闇禍を捜して飛ぶ異界の白銀龍神ハク達の背で、響とソラは地星に関してとユーレイについて話していた。


「異なる物生体が住む星かぁ」

「魂生体状態になった人の具現化体なのかぁ。

 まるで三界の神竜だな」

「地星の神様も魂だけでも生きられて、その力の影響なら納得だ」

「だなっ♪ 三界の仲間だ♪」


「パラレルワールドだと彩桜は言っていましたけど?」


「「だと思うぞ♪」」


「そちらにも響が居るんですか?」


「ヒビキなぁ……あ!」

「先々代の魔猫女王が響輝(ヒビキ)だっけか?」

「だよ♪ 妖狐王族の狐翔(コソラ)と結婚する時にゃあ大騒ぎだったよな♪」

「妖狐王を継がずに婿入りしちまったからな♪」

「女王が猫又が強かったらしくて子が皆、狐の2本尾になっちまったんだよな♪」

「ソレはソレでカッケーかったぞ♪」


「妖狐……」「猫又……」

響とソラが顔を見合わせた。

「「妖怪?」」


「「違うぞ」三界は3層なんだ」

「俺達 天人と、天神な神竜様が住む天界。

 地上界とも言う人界」

「地下界とも言う魔界の3層だから三界なんだ。

 地下界には魔人と魔神様が住んでるんだ」

「誤解するなよ? 地星の魔とは違うからな」

「天人は火とか雷とかの属性技を出す為の気力と術を成す為の術力を持つ。

 魔人はその上に魔術を成す専用の魔力を持つんだよ」

「悪い意味は全くで、術の上位な魔術が使える種族って意味なんだ」

「んで妖狐族だけは更に上の力を持ってるんだよ。

 ソイツが妖力なんだ」

「たぶん、なんだがな。他の種族がビビって そんな名にしちまったんだろーよ」


「あ~なんか納得~」

「響は幼い頃に神様の力が開いてしまって怖れの裏返しでイジメられてたんです」


「「そんなトコまで同じなのかよ」」

「その類いの感情は滅の時流が本流であったり、滅の支流に入ってしまった場合に増えるものだ」

静かに聞いていたアッシュイが補足した。


「だから陽の気は正義なんですね」


「「いい教えだなっ♪」」


「遥か昔に地星を救ってくださった青身神様からの教えだそうです」


「「そ~かぁ。納得だ♪」」

「もうすぐ最初の場所に戻るだぁよ」「そうね♪」

「闇禍の気配も悪臭も感じられなかったねぇ」


「そうですね。

 独特の臭いも禍々しさも感じませんでした。

 アノーディアに行ってみましょう」


「アタシが運ぶよ。

 まさか神の居ない雲海(うみ)の中ってことはないだろうからねぇ」

纏めて光で包み、術移した。




――マヌルの里の真上。

「またグルグルと飛んでくれるかい?」


「「おう♪」」

時計回り――雲海岸線(かいがんせん)に沿って北へと飛び始めた。


「暫くは獣神ばかりだ。

 つまり現状の神世では強い神ばかりが外周で暮らしてるんだ。

 念入りに頼むよ」


「はい!」一斉。

「岬になってるのは岩壁の中とか上とかに里を作っていた場所でしょうか?」


「そうさねぇ。気が集まってるから、そうなんだろうねぇ。

 優しい青身神様は岩壁を雲海に戻すにも、ちゃ~んと里を残してくださったんだよ」


「唯一の草地は島になっていました♪」


「そうかい。草にまでも優しいなんてねぇ」


島の方角を向いて目を細めたアミュラに誰も声は掛けられなかった。


「んん? ほらほら婆ァなんか見てないで下をよ~く見ておくれよ」


「はいっ」



―◦―



 力丸とショウ――ではなくダイナストラ王子とショウフルル王子は金錦とティングレイス王と共に、異界の黄金龍神キン達に乗って神世の地に残る記憶の断片とも言える歴史を拾い集めていた。


そこに橙金の虎神(タイガルル)を乗せた黄金龍神(ドラグーナ)が寄った。

「歴史には大いに興味があるんです。

 ご一緒してもよろしいですか?」

近寄ると随分と小さく見えるドラグーナだが、キン達が地星の龍神よりずっと大きいだけだ。


「「どうぞ」」


「ありがとうございます。

 拾い集め方をお教え頂ければ尚一層 嬉しいのですが」


「勿論です」「尾と尾を合わせましょう」


ドラグーナからも青生と彩桜が拾知した情報が流れ、キン達は感謝を伝えると再び飛び始めた。


「ドラグーナ様ぁ、オフォクス様とかは?」

話したいからとダイナストラが飛び移った。


「マヌルの里で小鳥神の雛達に囲まれていたよ。

 終わって何処かに行っていても後で会わせてあげるからね」


「そうですか♪ 俺、オフォクス様と狐儀様と理俱様にお礼言わないとって考えてたんです。

 前の俺だったら歴史拾いに行くなんて有り得なかったから」

「だったら僕もトリノクス様に~♪」

ショウフルルも跳んで来た。


「うん、一緒に行こうね」


「はいっ♪」「うんっ♪」


「グレイも行くかい?」「はい!♪」

「あ♪」【ヒビキ~♪】ショウが大きく手を振る。


【あっショウ! 王子様、代わりに助けて!】


【ど~したの?】【説明してくれよ団長】

【闇禍を見つけたのかな?】ドラグーナも加わる。


【闇禍じゃなくて人神様!

 雲海(うみ)側からグルグル王都に向かってたんだけど、やっぱり神口(じんこう)が多い所から調べようって、都が集まってる中央部に来たら大騒ぎになっちゃったの!

 ソラとアミュラ様が行ったんだけど、どんどん騒ぎが大きくなってるのよぉ】


【んと~、ピュアリラ様と間違えられちゃった?】


【そうなのよ! ハク様が白くてキラキラ綺麗だから間違えられちゃったみたいなのよぉ】


【ソラのトコ行ってみよ~♪】【だな】

手を繋いで瞬移した。王も追った。

【うわわ。ドラグーナ様も逃げて!

 とりあえず どっちも離れて!】

【僕達も囲まれちゃった~。

 でも静かにしてもらうから探すのと拾うの続けてて~】


「それじゃハク様達、南へ!」「「おうよ」」

「キン様、北へお願い致します」「「ふむ」」

と方角が決まったのは、最初に逃げるように言われて動いたドラグーナが北に居たからだ。



―◦―



 ふた組が再び出会ったのはアノーディア東端、少し前までは禍の滝が在った場所の空だった。

今は清らかな雲水(うみ)が湧き出す緑豊かな山から、陸側と雲海(うみ)側へと流れ落ちる二筋の見事な大滝に変わっていた。


情報交換しつつ降下すると、ドラグーナが子供達に囲まれた。

それは互いに嬉しそうなので止めずに情報交換を続けていると、ティングレイス王と王子達とソラが瞬移して来た。


「ソラ、お疲れさま♪ アミュラ様は?」


「まだ囲まれてるよ。

 だから今のうちに王都を調べるように言われたよ」


「アミュラ様が囮?」


「どうしようもなくてね」


「瑠璃先生がクタクタになったの、よーく分かったわよぉ」


「だよね。

 アレを連日って考えたらゾッとするよ」


「マーズでも?」


「マーズファンは ちゃんと聞いてくれるよ。

 前に時々あった騒ぎは弱禍のせいだからね」


「神様にも弱禍あるのかな?」


「経緯から考えたら入ってないと思うけど、人神様って禍を生み易いみたいだから種みたいなのが あるのかもね」


「ありそうよね~。あれ? 王様も囲まれてる?」


「此処で修行中の王子様達じゃない?

 楽しそうだから問題ないよ」


「そうね~♪」


「それじゃあ闇禍捜索隊は出発しよう」

ハク達の方を向くと、話している異界の龍神兄弟からは離れてアッシュイが2つの集まりを見ているのが気になってしまった。

「アッシュイ様、どうかしましたか?」


「あの集まりは親子というものなのか?」


「はい。訳あっての子沢山なんです。

 責める気はありませんけど、たぶん地星を滅亡へと向かわせる動きの中での副産物です。

 神様って普通は そんなに多く生まないそうですから」


「そうか。感情を持つというのは――いや、何でもない」


「超越者様でも感情を持っていいと思います。

 その上で正しい判断をしていただければ、闇禍なんて必要なく、生と死を繰り返しながら穏やかに時は流れていくと思います。

 物生体ごときが、でしょうけど」


「参考として、芽生えてしまった心に刻んでおく」


「ありがとうございます」


「何故、礼を?」


「嬉しいからです♪」


「そうか」

苦笑か自嘲か、複雑そうな笑みを浮かべてアッシュイはハクの背に乗った。


「行きましょう」

響と手を繋いで飛び、乗ったままだったサイオンジとトクと並んで、笑顔で頷き合った。



 そして王都上空をぐるりぐるり。

最も人神が多く住んでいるので念入りに探ったが、見付からなかった。


「ボクのカンが王都だと言ってるんだけどな……」


「王都の どの辺りとかは?」


「ん……と、あの神王殿を小さくしたようなお屋敷とか?」


「自然の丘なのか盛ったのかな高台の上の?」


「うん。なんとなくなんだけどね」


「貴族神様なのね……」

「「アレだな? もう一度 飛んでやる♪」」



 1箇所に留まると、また大騒ぎになるのでカミュラが祝福を撒きながら二度、三度と通過したが感知できなかった。


「もしかして今度こそって巧妙に隠れてるとか?」


「有り得るよね」「「だな」闇禍は学習するからな」


「アッシュイ様、闇禍は生き物なんですか?」


「私も詳しくは知らぬ。

 しかし生体ではなく道具だと聞いた」


「学習する道具……」

「喋る道具の最上位とか?」


「は?」「「ん? 竜宝や魔宝の事か?」」


「はい♪

 サクラ王様だって大喜びしてましたから♪」


「あ~。あの時のかぁ♪」

「地星を押し戻した時にアオとサクラが飛ばしてた集縮壺のヤツラだなっ♪」


「そうらしいです♪

 すっかり彩桜と友達で青生先生とも仲良くなっています♪」


「やっぱコッチでも♪」「竜宝の王なんだな♪」


「「竜宝の王様?」」物が国民?


「「だよ」竜宝や魔宝に懐かれちまって」

「竜宝の神様からも頼まれちまっての「王だ♪」」

「で、作ったり直したりするアカが「大臣だ♪」」

「コッチの国だと宰相に当たる大臣だなっ♪」


「へぇ~♪」「行ってみたいな……」


「彩桜は何が何でも来るらしい」

「だから一緒に来たらいい♪」


「「はい♪」」







死滅側のお偉いさんは倒せなかったものの追い返せましたので一件落着として、誰かに込められた闇禍探しを急ぐべきと飛んでいたら大騒ぎになってしまいました。

ピュアリラ信奉者は四獣神信奉者でもある事が多いので白龍神にも金龍神にも大騒ぎになってしまうんです。


地星の未来を掴む為の第一歩。

闇禍なんかが居たら未来なんてなくなってしまいます。

すぐに見つかると思ったのに~です。



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