次から次へと大騒ぎ
一旦マヌルの里に戻り、楽しく食事をしながら異界での事や これからを話し合った輝竜兄弟とユーレイ探偵団は、カケルと同類であろう利幸も連れて行こうとキツネの社を訪れた。
「待てコノッ! ドロボー野郎!」
2侵入者の片方は利幸が捕まえている。
しかし、捕まった者が持っていた保護珠を奪い取った もう一方が消えた。
桜龍神達が追う。
「魂縛アッシュラ様!」
【昇華闇障暗黒、激天特大闇呼吸着!!】
【昇華光明煌輝、浄破邪雷封乱悪牢!!】
ウンディに組み敷かれた状態で固まったアッシュラから、光針矢に連れられた闇禍が押し出されて闇呼玉へ。
「アッシュラ様しっかりして!
強制具現化! 堅固膜保護! 消えないで!
んと、分身! 魂身分離! コッチ入って!」
何をしても薄れ消えそうになる超越者アッシュラを彩桜は分身に押し込んだ。
「安定、した? だいじょぶ?」
「ああ。助かったようだ。ありがとう」
「逃げたのアッシュム様だよね?
闇禍、飲まされちゃったの?」
「そう、なるのであろうな。
意識を断たれていた。
アッシュムも助けてもらえるか?
私が頼むなんぞ虫の良過ぎる話であろうが……」
「友達なってくれる?」
「は?」
「超越者様と物生体だからダメ?」
「ではなく。私は敵なのだろう?」
「悪意ナイでしょ? それに……」
「そうだな。私もアッシュムも見捨てられてしまったのだろうな。
力も闇禍に奪われたようだ。
物生体の仲間に加えてもらえるのか?」
「もぉ仲間だも~ん♪ じゃ お友達ねっ♪」
「……ありがとう。
力を失い、心を得たようだ。
嬉しい、と思う」
不穏が強かったアッシュラとも彩桜が友達になった直後、異界の龍神青身神が気絶しているアッシュムを抱えて現れた。
アッシュムとアッシュラは、この宇宙に居れば狙われ続けるとブルーは話し、2超越者を連れて去った。
残念だが仕方がないと、利幸を連れてマヌルの里に戻り、桜龍神達とも合流した。
陽の気を保たなければと楽しく待機していると、
【追跡を手伝っておくれ!!
ザブと ダグが拐われちまったんだよ!!】
アミュラの声で臨戦態勢に。
一斉に超越者と闇禍の違和感を探す。
【【みんな行っくよ!!】】
逸早く違和感を見付けた桜龍神達が部屋ごと連れて瞬間移動した。
――神世上空。
既に闇禍を込められ魔化した2神が迫って来た。
【【室内まで引き付けて!】】
猶予は一瞬しかない。
皆が人型超越者を探そうと神眼を素早く巡らせていた。
【【光神輝煌!!】】【【居た!】】
桜龍神達が放ったのと、彩桜とソラが術移したのが同時だった。
【お願いしますね!】
気絶したザブダクルとダグラナタンを桜龍神達に託して、他も彩桜とソラを追った。
――雲地の中。
【よーし!【捕まえた!】】
追った者達が着いた時、利幸とカケルの声が響いた。
彩桜は利幸を、ソラはカケルを掴んで術移しており、各々が人型超越者に向かって投げたようだ。
ガッチリ羽交い締めな2組に向かって響が御札を放ち、捕まえている者も一緒くたな御札ボールにした。
【お~いナンだぁ?】【響! 出せよなっ!!】
【そのまま捕まえてて!!】
【おう♪ 任せとけ♪】【ったく~】
【網~♪】【コレも捕まえやすくする為だ!】
ショウと力丸も投網。
運び易くする為に巾着状態にして ぶら下げ、そのまま雲地の上に出た。
またしても大群の闇禍が飛来している大きな不穏を感じた。
【【無差別に憑けるつもり!】らしいね】
青生と彩桜の声でマーズが動いた。
大群も大群なので人世にも達するだろうと、人世に残っているマーズにも伝えに行った者を除いて神世の上空へ。
が、すぐに空マーズが戻った。
【響、超越者様に逃げられないように厳重にお願い】
【任せて♪
置いてきぼりじゃないってくらい私だって分かってる。
これは分担。私が捕まえたんだから♪
頑張ってね、空マーズくん♪】
【あ、うん。ショウと力丸もお願いね】
【うんうん♪】【任せろ♪】
それでも心配そうに防護結界を成してから空マーズは術移しようとした。
【ソラお兄ちゃん、安心して行ってね♪】
現れ、飛んで寄った龍神達が人姿になった。
【紗ちゃんは行かなくていいの?】
【サクラに頼まれちゃった♪
それに私も団員でしょ?】
【それは彩桜の奥さんなんだから当然だよね】
【でしょ♪ だから父様も連れて来ちゃった♪
これで安心でしょ♪】
【それはもう!】アーマルの方を向いてペコリ。
【それではお願いします!】
頭を下げたまま術移した。
【ウンディも神マーズしているのか?
共鳴は感じるのだが……】
【トシ兄なら この中~♪】
ショウが少しだけ御札ボール入りの網を上げた。
すぐにポスンと雲地に半分ほど沈める。
【また何か やらかしてしまったのか】
【アーマル『また』って言った~♪】
【お~いアーマル。そりゃねぇだろーがよ。
超越者とやらを捕まえてるんだぞ】
【そうなのか?】全く信じていない。
【そ~なんだよ~♪】【はい、捕まえています】
【もう1つは?】
【お兄だよ~♪】
【カケルか。大丈夫なのか?】
【そんなヒトだけが捕まえられるの~♪】
【ふむ。常識外れでなければならないのか】
【そんな感じ~♪】あははは♪
【お兄のこと、よく知ってるんですね♪】
【あれだけ共に居ればな】
【タカシとアーマルとトリノクス様と僕♪
お兄と一緒だったんだも~ん♪】
【あ、そっか♪
眠ってたのコミコミ1年半ね♪】
【そ~だよ~♪
お兄が入って1年半♪ 大変だった~】
【お~い。コイツ、ブツブツ言ってるぞ】
【ん? もしかして!】
【闇禍を呼んでいるのだろうな】
【消音するわね!】御札を放って重ねた。
【もしやウンディも話せなくなるのか?】
【そうなりますね~♪】あはは。 【サクラ♪】
今度は桜マーズが現れた。
【地星まるっと闇呼結界しますから待っててく~ださい♪
それまでに来たらコレで♪】
水銃と闇呼玉を渡していった。
【闇呼玉、何でも大っき神力で発動しますので♪
じゃまたっ♪】大術移♪
【ふむ。とんでもなく強い浄化を込めた聖水なのだな】
【来たわ! 列になってる?】
【雲地を仕切る壁が在る。
そこに穴か道かが在るのだろう】
列を成す黒点達が迫っている。
【【早速 試せるわね♪】】
響と紗が結界の上に出て水銃を構え、他も続いた。
暫くは その場で撃ち落としていたが
【父様、穴まで行ってみない?】
【そうだな。穴を聖水で満たしてやろう】
父娘龍神は闇禍を撃ち落としながら飛んで行った。
【私達は ここで見張らないとねっ】
【おう】【ヒビキ~、もっと重ねて~】
【そうね。まだ来てるんだから通じてるのよね。
消音を強めるわ】
強く念じて成した御札で更に更に重ねていった。
闇禍が飛来しなくなった。
【この雲……浄化を感じない?】
ようやく落ち着いて観察できた。
【感じる~♪】【だったら沈めとくか】
【もう飛んで来ないなら入っとく?】
【だなっ♪】【うんうん♪】
【それにしても広いわね。ずっと雲……へ?】
【【ん?】】
結界ごと御札ボールを押し込んでいたが止まった。
【あれ! 恐竜よね!】
【恐竜だね~♪】【ソレなんだよ?】
【ず~~っと昔、人世に居た生物♪】
【じゃあ、その魂か?】【かもね♪】
【うわ~、神世って――こっち向いた!
来てる! 逃げなきゃ!】
【押し込め!】【うんっ!】
大急ぎで雲地に潜った。
なので響達は闇呼結界が完成したのも見ていないし、アーマルとランマーヤ父娘が何処まで行ったのかも知らないままだった。
【響? また雲地の中?】
【あ♪】【ソラ~♪】
【闇禍から逃げて?
それでいいんだけどね】現れた。彩桜も。
【闇禍は全滅したんだけど恐竜が来たの!】
【あのコ達なら大丈夫♪
ソラ兄、後で乗ろ~♪】【【うん♪】】
【ショウも乗ろ~ね♪ 力丸は?】【ヤダ!】
【うんうん乗ろ~ね♪】【聞けコノ彩桜っ!】
【御札ボール、おっきくなった?】聞かない。
【闇禍を呼んでる気がしたから消音♪】
【やっぱり響お姉ちゃん最強~♪】
【彩桜、置いていいようにしたからね】
青生の声が聞こえたので神眼で探すと、雲地の上に大きな水槽結界が2つ見えた。
【纏めて術移する~んるん♪】
超越者達の心を穏やかにしようと浄化水槽に御札ボールを沈め、神楽器での演奏も加えた。
演奏するのは輝竜兄弟と瑠璃と紗。
ソラと響も引っ張り込まれた。
【この楽器、演奏するのも心地いいね♪】
【そうだね。楽しくなってくるよね♪】
【だから音楽?】
【そうなのかもね♪
神様が陽の気を保つ為の道具なんだよ♪】
【きっと そうね~♪】
穏やかで明るい音色が地星を包んでいった。
人世どころか神世の地上にも全く伝わっていないドタバタ大騒ぎでした。
闇呼結界は彩桜お得意の闇呼玉で地星をすっぽり包んだものです。
そもそも侵入者感知も兼ねた浄破邪結界を紅火が成していましたので、そんなにもは苦労せずに短時間で重ねられたんです。
さてさて、今度の超越者様は誰なんでしょうね。
あ……ザブさんとダグさんは?




