時流の配下達
動きを固められた響達に闇禍が迫る!
【【【【マーズ参上!】】】】
の声に続いて現れた4人の忍者各々が術を唱えつつ水銃を構えて放った。
響達は まだ動けないが、瞬時に拡がった防護壁に覆われた。
液体に触れた闇禍が弱って落ち、次々と闇呼玉に吸い込まれていく。
【【【【具現翼、浮空!】】】】
腰帯と同色の翼を広げ、横一列の忍者達は浮き上がり、闇禍の勢いを押し返して上昇し続けた。
そんな空に桜花の塊のような光がキラリとし、
【空マーズ参上! 狐術総解還!】
現れた忍者がカケルを防護壁に押し込み、両手を当てて唱えると、響達は動けるようになった。
【彩桜くんは!?】
【マヌルの里! すぐ来るよ!】
翼を広げて飛んで行った。
【御札で身を守って!】
上昇して忍者の列に並ぶと水銃を貰い、放ち始めた。
空マーズの言葉通り、然程も遅れずに桜花鱗の2龍神に乗った彩桜達が現れた。
【また闇禍いっぱいにしてるぅ~】
即座に忍装束になって飛ぶ。
【闇禍なんて使うの許さないんだもんっ!
響お姉ちゃん、御札で固めてねっ!
アッシュム様に強制具現化!】
【見えたからには逃がさない!】筆で薙ぎ、
【御札の塊にしてあげる!】大量に放つ!
それを見た『より不穏な方』が逃げようと動いた。
すんなりとは通れない結界を抜けようと頑張っている。
【させない!】
空マーズが瞬移、カケルを掴んで瞬移、投げる!
が、超越者が逃げる方が早かった。
【【俺達が追うから!】】桜龍神達も消えた。
【だったら俺、大闇禍ねっ!】
桜マーズが瞬移して大闇禍の前へ。
一気に闇呼玉を膨らませた。
追った青・紺マーズが両側から闇呼玉を支える。
【【【昇華闇障暗黒、激天超特大闇呼吸着!!】】】
至近距離なので光矢は不要だと、抗う大きな闇禍をガツンと吸着して引き寄せて、シュポッと吸い込んだ。
宙で弱った小闇禍達も吸い込まれている。
逃げようと飛ぶ闇禍には光矢と具現化矢が追って貫き、闇禍玉へ。
【ちょこまかするな! 捕まりなさいよ!】
響の声で、闇禍に集中していた忍者達が神眼でサッと見回すと、身体のあちこちに御札が付いている超越者が必死で逃げようとしていた。
瞬移的な移動方法でチラチラと見えるだけなのだが。
どうやら御札効果で大きくは移動できないらしいと皆が感じた。
【コマ送りみたい~♪】【笑わさないでよ♪】
闇呼玉を大量生産しつつ闇華の蕾を神速連射している桜マーズと、周りに浮かせた弓から光矢を放ちつつ水銃で応戦している空マーズは、もう楽し気になっていた。
【響お姉ちゃん最強~♪】【そうだね♪】
【闇禍が終わったら捕らえよう】【はい!】一斉。
【1匹でも逃がしたら大変だもんねぇ。
アッシュム様コミコミねっ♪】
【もうっ、笑わさないでってば♪】
闇禍が苦手とする陽の気を盾として回収を加速したマーズは、漏らさず包囲網を狭めていき、とうとう全ての闇禍を捕らえた。
皆が辺りを探り確かめている間に桜マーズは漂わせていた満腹闇禍玉を回収した。
残るは超越者アッシュムのみだと確かになったので、態勢を整えようと集まりつつ金マーズを頂点としたV字になって滑空降下した。
【わぁ……カッコイイしキレイ~♪】
響は つい見てしまった。
【あっ! 逃げちゃったぁ】
その隙に超越者アッシュムは消えてしまった。
【んと~、たぶん月♪
だからピッカンしてから追いかけよ~♪】
【む】赤マーズが何やら差し出した。
【赤の兄貴お願い♪
俺、対超越者様用武器探す~♪】
【ふむ】【あっ!】
飛び始めた桜マーズを、カケルを投げた空マーズが追った。
赤マーズが手に持っていた物を開いて、山と積んだ満腹闇禍玉に眩しい浄化光を浴びせると、
【闇呼玉解還♪】
と桜マーズの声が聞こえた。
光が収束すると、すっかり何も無くなっていた。
【俺達ただいまなの~♪ 海に落ちてた~♪】
【ユーレイ平気で良かったわね♪】【ね~♪】
【では月へ】【はい!】
【今トコ闇禍いにゃいよ?
でもマーズで行く?】
【ふむ。では普通に。
闇禍が現れたならばマーズに】【承知!】
返事はマーズとしてだったが、笑いながら輝竜兄弟に。
空マーズはサーロンではなくソラに。
戻ってから円陣を組む。
【アミュラ様?】来ようとしないので。
【この穴は? もういいのかい?】
【たぶん~真ブルー様が滅した思うの~。
と~っても危険な道だったから~】
【そうかい。セキュアは?】
【この保護珠。ちゃんと生きてるよ。
でもね、まだまだ治癒しなきゃなのぉ】
【ありがとよ。
そんならアタシ達は離れるよ。
狙いは女神だからねぇ】
受け取って愛おしそうに撫で、治癒で包んだ。
【そんなぁ――あ……】
【また何か拾ったのかい?】
【ダメダメ拾知だからマヌルの里に居るべき、てだけなのぉ】
【そうかい。それなら待ち構えとくかねぇ。
またすぐに会うだろうけど、気をつけて行きなよ】
【うんっ♪ アミュラ様とカミュラ様もねぇ】
そうして輝竜兄弟とユーレイ探偵団は月へ。
皆でアッシュムの気配を探す。
【もしかしてシェルターに?】
【うん。中に居るみたいだね】
彩桜と青生の言葉で皆が集まり、神殿前へと術移した。
【開けてみるねっ♪】
彩桜と青生が向かい合い、唱えると神殿が上昇して地面に丸い蓋が浮かび上がり、隙間が開いた。
声が聞こえるので蓋を持ち上げ、皆で覗き込んだ。
「――此度は去ると決めたのだ。
だが私の言葉では時流の主様のお考えは変えられぬ。
アッシュラは聞く耳を持たぬ。
せいぜい頑張れ、と言うのが適切なのかは分からぬが……私は、やはり『生』の側だ。
生き残れるよう、頑張ってくれ」
「ねぇねぇアッシュム様♪
お名前、誰が付けてくれたの?♪
超越者様て、お名前不要なんでしょ?」
驚いたアッシュムが見上げた。
「先程の!?」
「ごめんなさいなのぉ。
攻撃されたら返しちゃうよねぇ。
それで お名前のは?」
「確かに時流の主様には名なんぞ不要だ。
だが我等、配下には判別の為の名が有る。
それだけだ」
「ふぅん。
俺達、宇宙様とお話ししたいの。
時流様トコ連れてってく~ださい♪」
「無茶を言うなっ!」消えた。
「あららら~」
「彩桜ってホント、イキナリ単直の極みだよね♪」
皆、堪えきれずに笑っていた。
「う~~ん。だったらぁ、アッシュラ様と話す~」
飛ぼうとして瑠璃に捕まった。
「今は敵だ! その誰でも友呼ばわりはヤメロ!」
「ピュアリラ様、ドラグーナ様。
そういう訳で、もう暫く籠っていてくださいね」
「そぉゆ~わけ? 青生兄もアッシュラ様とお話ししに行くんだよね♪」
「最終的には話さないといけないけど、先ずは戦うのかもね」
「さっきのアッシュム様みたく戦って お話しだよねっ♪」
「また闇禍連れらしいから気をつけてね」
ドラグーナは絶賛苦笑中。
「は~い♪ 行ってきま~す♪」
蓋を閉め、神殿を元の高さに戻した時、桜龍神達が戻った。
【【また逃げられちゃったぁ】】
【アッシュラ様、何か言ってた?】
【い~っぱい言ってたけど~】
【罵詈雑言とかとかで無益~】
【超越者様なのに~おパカさん?】【パカ?】
【【そ~かもね~♪】】
【アッシュラ様パッカパカ~♪】
〖愚弄するかっ!?〗鉄槌雷撃!
【飛んで火に入る【【無化無神☆】】】
桜龍神達と彩桜との強烈目潰し☆だけでなく、皆が反撃していた。
その何やらかんやらが すっかり収束して、ようやく見えたのは直径2メートルくらいの御札ボール。
【響お姉ちゃん最強~♪
ねぇねぇアッシュラ様~♪】ポンポン♪
〖何故 名を!?〗
【拾知♪ 俺も持ってるも~ん♪】
〖物生体 如きが何故!?
いや、物生体としては不自然……まさか!!〗
【ヒノカミ様の仲間だも~ん♪
超越者様に触れるんだも~ん♪】
〖有り得ぬ!!〗
【今、捕まってるの、にゃんでだろね~♪】
〖っ……〗
【ね~♪】ポンポコポンポン♪ ポコポンポン♪
(闇禍共よ! 此奴等全てに憑け!!)
【聞こえてるよ~ん♪
せ~のっ♪【【光神輝煌!♪】】】
引き付けてピッカン☆一網打尽。
【ねぇねぇお話ししよ~♪】ポコポコポン♪
〖この状態でか!〗
【闇禍 呼んだり~、逃げたり~、攻撃したり~とかとか悪いコトしにゃいなら出してあげる~♪】
〖ふむ。よかろう〗
【お・や・く・そ・く♪ できる?】
〖フン。物生体なんぞが偉そうに。
だが約束しよう〗
【じゃあ総解還♪】
御札が消え、アッシュムと区別のつかない人型超越者が見えた。
ついでに御札の層の中に居たらしいカケルも落ちた。気絶しているようだ。
【ねぇ――】〖約束の有効期限は3秒だ!〗
再び雷撃を落としてアッシュラは消えた。
【んもぉ、小学生なのぉ?
やっぱりパカパカおパカさんなのねぇ。
落としっ屁クッサ~いのぉ~】
〖臭くなんぞあるかっ! この――〗
戻ったアッシュラは見えない『手』に連れ去られてしまった。と感じた。
【さっきの、時流様の手?】
【【かもね~】痕跡追跡?】【もっちろん♪】
桜龍神達も消えた。
【ねぇソラ、超越者様って同じ姿ばかりなのかな?】
【そうなのかもね。
でもアッシュム様とアッシュラ様が双子なだけかもだよね】
【そっか~♪
ね、異界から戻って暫く姿を見せなかったのは?
どこに居たの?】
【空マーズとして来たのが戻った直後なんだけど?
ガンガン移動して着いたのがマヌルの里で、彩桜は青生先生を手伝わないといけなかったからボクだけ先に此処に送ってもらったんだ】
【じゃあ『無の御札を放って!』って言ってくれたのは誰?
ソラの声だったよ】
【ボクじゃないけど……もしかしたら青身神様かもね】
ソラは響を護ってくれた感謝を込めた気を届けと放った。
時流様の配下な超越者アッシュム様とアッシュラ様が登場しました。
同じ姿で区別の難しい――って輝竜兄弟も同じなので響達はあまり気にしていません。
不穏はあるけど悪いヒト達じゃないみたい、くらいです。




