表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/68

その前に



 食事の後ソラと彩桜は別行動となり、ソラ達A班はB班が交代しに来ても終われずに延長していると、とうとう禍が大量噴出した。


【俺達、参上♪ 一気に闇呼吸着するねっ!】

【支配解除は任せて!】【まずは盾よねっ!】

彩桜はモグと紗を連れて来た。


【それなら術光矢封乱悪牢(フウランアロー)連射!】


力丸とショウは投網しては氷結を繰り返す。


【禍源あった~♪ モグ、出すからお願い!】

彩桜が放った大蕾が地中へ。

【3、2、1、出るよ!】【うんっ!】

保護珠を包んだ大蕾に向かってモグが飛んだ。



 そうして今回も楽勝で集めた禍をピッカン滅禍して、A班はマヌルの里に戻った。


力丸とショウは神王子として神王殿へ。

モグはアミュラの作業部屋へ。

彩桜はカーリカリューの部屋経由でザブダクルの部屋に行ったので、ソラは瞑想しようと自分達の部屋に戻った。



 2時間程は経ったかという頃、もう大丈夫だろうと響を起こす。

「おはよ。気分はどう?」


「おはよ♪ スッキリよ♪ A班 出発?」


「終わって戻ったとこ。

 今夜からは、またお願いね」


「うん♪ ね、人世がザワザワ?

 これって身体から伝わってくるのかな?」


「え? でも……ボクには身体のは分からないけど、確かにガイアルフ様から伝わるね。

 悪い感じは無いけど人世が騒がしいよね。

 お祭り騒ぎが続いてるのかな?」


「ソラにも悪い感じしないのなら瞑想する?」


「そうしよう」



 暫くは瞑想していたが、どうにも落ち着かない。

二人は同時に目を開けた。

「ね、彩桜くんは? 今日はマーズは?」


「彩桜はザブダクル様の所。

 それも重要任務だからね」


「確かにね~。

 また魔化したら災厄再来になっちゃうもんね。

 サーロンくん、彩桜くんと一緒にザワザワを確かめてもらえない?」


「響は?」


「修行スイーツ食べたくなっちゃった~♪」


「そのくらい待つよ。行きたいんだよね?」


「行きたいのは あるけど、それよりも強くなりたいのよ。

 行ったり来たりじゃなくて、早く神世の復興を終わらせて人世に帰りたいの。

 その為にも修行でしょ?

 だから今日のザワザワはサーロンくんと彩桜くんにお願いしたいのよ」

上目遣いのお願いポーズ。


「分かったよ。じゃあシッカリ修行しててね」


「うん♪ 行ってらっしゃい♪」




 ソラが部屋を出て暫し。

部屋から遠ざかった後、ソラの気がマヌルの里から消えたので人世に行ったと確信して、響はアミュラの部屋に向かった。

【アミュラ様、今よろしいでしょうか?】


【入りな。おや、嬢ちゃんだけかい?】


「失礼します。どうしてもな相談なんです。

 心配性なソラには聞かせたくなくて……」


「ふむ……その不調かい?」


「はい。どうして魂だけなのに身体があるみたいに不調なんでしょう?

 神世だからかと思ったんですけど、人世でも変だったから……」


「人世に行きゃあ身体に近づくからねぇ。

 伝わっちまうのは当然さね。

 そりゃあ悪阻(つわり)だよ」


「へ? 悪阻!? ソラはユーレイなのに!?」


「具現化が確かだからねぇ。

 生き人と同じなんだろうよ。

 何か問題でもあるのかい?」〈先生?〉


「おや、目覚めちまったかい。

 今だなんて困ったねぇ」

後ろに置いていた保護珠を手に取り、響には治癒眠を放った。


〈困った? どうして?

 ええっと、それよりも……僕って……?〉


「もしかして、すっかり忘れちまったのかい?」


〈何を? 忘れたって……?〉


「だったら今、覚えてる事を話してみな」


〈えっと……アミュラ先生だよね?

 いつも叱られてるよね。

 でも修行とか勉強とかって、どうしても僕は好きになれなくて……えっと……〉


「自分の名は?」


〈オーロザウラ〉


「歳は?」


〈100と……26かな?〉


「そうかい。何を言ってもグータラな頃まで戻っちまったんだねぇ」


〈え?〉


「オーロには子が居るんだよ」


〈まさかそんなぁ〉


「居るんだ。

 その子達にオーロが込めた悪いモノを全て消してもらう為の神力(ちから)が必要だから、ほんの少しだけ生かしているんだよ。

 親じゃなきゃ解けないからね。

 それが終われば静かに消えてもらうよ。

 この世の為にね」


〈そんなぁ……〉


「成神したオーロは神世を滅ぼしかけて、その余波で人世を滅ぼしちまった罪神なんだ。

 皆から憎しみしか向けてもらえない憐れな者になっちまったんだよ。

 だから消えた方がいいんだ」


〈怠けたから見捨てられたの?〉


「そうしておいた方が良かったねぇ。

 グータラ王子は強い女神達から力を分けてもらおうとしたんだ」


〈へぇ~。手っ取り早くて良い方法だね♪〉


「やっぱり滅するよ」〈ええっ!?〉


「その考えが神世を滅ぼすに至るんだ。

 グータラな神は存在しちゃならないんだよ」

「だったら人世で犬とか、ど~ですか?♪」


〈えっ? 誰?〉

「おやおや、嬢ちゃんも起きたのかい。

 不調は取れたかい?」


「はい♪

 ソラに もっと強い治癒眠されたから耐性ができちゃったかな♪」


「そりゃあ どうだかだけどねぇ。

 身体を置いてまで神世に来たくらいだから普通の人用じゃあ弱かったかねぇ」


「さっきも思ったんですけど、私が生き人なの、ソラが話したんですか?」


「ソラも嬢ちゃんの不調を心配して来てたんだよ。

 強化もするから、このまま天使として神世で暮らせば心配しなくてもよくなるよと言ったら『妻は生き人なんです』とねぇ。

 だから不調の原因は身体の方かもとラピスリに頼んでたんだよ。

 そうしたら喜ぶべき事だって、さっきねぇ。

 医神の診断だから信用しな」


「はい♪

 それで、その魂、諸悪の根元(こんげん)なオーロザウラなんでしょ?

 やっぱり生きてたんですね。


 ショウと力丸も犬として人世に戻るし、モグも一緒だし、獣神様いっぱいな邦和でユーレイ探偵団犬4匹目としてシッカリ働いてもらうわ♪」


〈ねぇ先生、さっきから何の話?

 僕を悪者みたいに――〉


「悪者なんだよ。だから消えなと言ったろ」


〈そんなぁ〉


「さっきから、そればかりじゃないか。

 他の言葉は忘れちまったのかい?」


〈っ……〉


「ったく。今度はダンマリかい。

 それじゃあ選びな。

 用が済んだら消えるか、ずっと犬か。

 この2つだけだよ」


〈生きてたい……から、獣神でもいい〉


「今すぐ滅してやろうか」〈どうして!?〉


「獣神じゃなく、人世の獣だよ。

 何を聞いてたんだろうねぇ。まったく!

 それに『でも』だなんてまぁ、よくもアタシの前で言えたもんだよ!」


〈えっ……とぉ……〉


「嬢ちゃん、笑ってるけど、こんなのをホントに連れてくのかい?

 手を焼くだけだよ?」


「獣神様の前で『でもいい』なんて言った勢いで犬達の前でも言ったら、ソッコー解らせてくれますよ♪

 それでユーレイ犬になったらなったで、ビシバシ鍛えてくれる祓い屋は大勢いますから大丈夫です♪


 私、優しさとかで助けようって感じじゃないんです。

 ダグラナタンもザブダクルも反省して償おうと頑張ってるのに、大元が ただ消えるだけって納得できなくて。

 全部知って反省してもらわないと許せないんです」


「そうかい。それなら預けるよ。

 アタシも許せないからねぇ。

 オーロだけじゃない。

 オーロを止められなかったアタシ自身も許せないからねぇ、神世(コッチ)が落ち着いたらアタシも人世に行くよ。

 今度こそオーロに好き勝手させないからね」


「はい♪ ありがとうございます♪」

〈うわぁ……〉


「オーロ、今から術を1つ覚えな」


〈ええ~〉「私と競争よ♪」〈どうして!?〉


「あら、人に負けるとでも思ってるの?

 神様で王子様なんでしょ?

 アミュラ様、術をください♪」


「同時に飛ばすから暗唱できるなら手を挙げな」


「はい♪」〈ままま待って!〉


容赦なく光が飛んで来た。


即、響が挙手。


「嬢ちゃん早いね」ニヤリ。 〈えええっ!?〉


歌うように唱えた。ついでに御札にもした。


「完璧だね。ほれオーロは?」 〈ううっ……〉


「人に完敗するとはねぇ」やれやれ。

「嬢ちゃん、勝った褒美だ。

 何か望みはあるかい?」


「脱走しないように、この腕輪と犬の首輪を繋ぐってできますか?」


「お茶の子サイサイさね。

 そんな事でいいのかい?」


「私のイチバンの願いは叶っちゃったし、これからが楽しみですから~♪

 あ~、でもタイミング悪いかなぁ。

 まさかユーレイと~~~だなんて思ってもなかったからぁ」


「嬢ちゃんが子に成長していいと合図するまで保留しといてやろうかねぇ」


「ありがとうございます♪

 私ってホントとっても幸せ~♪」


「オーロと繋ぐのは人世に帰る時だよ。

 それまでは預かっとくからね」

保護珠を強い治癒眠で包んだ。


「はい♪」



 アミュラはオーロザウラが深く眠ったのを確かめて、元の場所に保護珠を置いた。

「このオーロは無知も甚だしい子供なんだよ。

 母親に言われるがままに動くだけの傀儡みたいな存在だったんだ。

 修行も勉強もしないから神力が弱くてねぇ、支配を使うにも己の魂片を相手の魂に込めなきゃならなかったのさ。

 その沢山の魂片が成長もできずに残ってたんだ。

 年齢はバラバラだった。

 寄せ集めたら、人で言えば10歳くらいになっちまったんだよ」


「カーリ王様も そのくらいですよね?」


「そうさねぇ、もう少しばかり歳上かねぇ。

 ま、大差はないさね」


「同じくらいなら……今度こそ仲良くなれたらいいですね」


「嬢ちゃんは優しいねぇ」







異界やら超越者との戦いやらに突入する『その前に』確かめておきたかった事、でした。


瑠璃(ラピスリ)だけでなく青生も『医神』の称号を貰ったようです。


響が来る直前にアミュラはラピスリから聞いたので、先に相談していたソラは まだ診断結果を聞いていません。

この後、安心した響が元気になるので、相談していた事すらも忘れてしまいます。


響がアミュラ様に相談していた時、実はソラはまだマヌルの里に居たんです。

獣神王の間に入ったので気が遮断されただけなんですけど、鉢合わせはしなかったので良しとしましょう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ