表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/68

解決へ



 ユーレイ探偵団は東邦テレビの地下駐車場に万手内(まてない)外務大臣の車を連れて瞬移した。

直前まで騒いでいた万手内だったが、治癒眠(ちゆみん)で眠らせたので静かなものだ。


【力丸、ショウ。縄で縛ってね。

 腰縄にして後ろ手、手は手首ね。

 脚も歩けるけど走ったり蹴ったり出来ないくらいに膝上に緩く】


【は~い♪】【おう、任せろ♪】

【ソラ? なんか怒ってる?】


【そうかもね。

 でも怨霊化なんてしないから心配しないで】


【そう?】

【あのね、トリノクス様がユーロン神世に連れて来たの、人世から離したかったからなの。

 怨霊ならないよぉにだったの。

 ユーロンもチビッ子マーズとして耐震装置 配ってたの。

 でも……】

【ひどいこと言われたの。

 たくさん、とっても たくさん言われたの。

 子供相手でも容赦しないって感じで。

 ユーロンはユーレイだから私も飛鳥も不穏を浴びないように庇ってたんだけど、不穏が強くて……どうしても浴びちゃって……】

【ラン、泣かないでね。

 ランも飛鳥も頑張っただけ。

 悪くないんだからね。


 地震後も治癒眠維持で落ち着かせてたみたい。

 でも確かめるのに目覚めさせたら、責任感とっても強い子だからマーズとして動きたい、て。

 だから神世の復興になのぉ】


【この人達の妨害のせいなのね。

 ホント許さないんだから!】


【ありがと響。

 ボクはサーロンの弟になってくれたユーロンの為にも、この人達には反省してもらうよ。

 これは仕返しじゃなくて必要な事だと思うから】


【でも、この人達に反省なんてできると思う?】


【すぐには無理だと思うよ。

 それでもボクは本当に反省するまで続けるからね。

 そろそろ行こう。

 新総理もスタジオ入りしたから】


【じゃあ新総理の後ろ、まだカメラにインしない位置にね。

 リーダー(キョウ)とロンサとラクサが前で、オジサンとオバサンの縄は力丸とショウが咥えててね。

 マーヤと――あ……カケルさん、すっかり忘れてたぁ】


【僕が偽装するよ♪】モグがカルケになった。


【ありがとモグ♪

 マーヤとカルケが逃げないよぉに腕組んで確保ね♪

 チェリとシードは忍犬を連れて入るの。

 イチバン後ろで逃走阻止班ねっ♪

 オジサンとオバサンに反転治癒眠、弱~いの。

 これで聞くくらい出来るからね♪】


【それじゃユーレイ探偵団、出動よ!】


【おー!】一斉に瞬移した。



――舞台袖に当たる薄暗い場所に出、3人を先頭にして並ぶと、座らされたばかりの新総理の背後に寄る機を窺った。


司会者の見田井(みたい)も新総理の向かいに座る。

『マーズ、キリュウ兄弟。今は次の会場には行かずに、その場で聞いてください。

 新総理、所信表明等々は改めて、という事でよろしいでしょうか?

 現状に関してお願いいたします。

 まずは、世界中からの声をお聞きになられていますか?』


見田井の口調は厳しく、大いに疑っていて総理だなんて認めないと伝わったので、これまでの事に対する追及は任せておいてユーレイ探偵団は短時間勝負な打ち合わせを始めた。

【御大様て悪いヒトじゃないみたい~】


【拾知?】


【入ってきちゃった~。

 だから疑ってた言いたくないの。

 オジサンとオバサンに行き着いたの、新総理のスマホからにしにゃい?】


【裏のドンみたいに扱いたくないんだね?】


【うん……】

【でも睨みが効いてるから起こったんじゃない?】


【だったら隠居してもらおうよ。穏便にね】


【そうね♪】【うんうん♪】

【問題は新総理と この2人よね。

 どう暴くの? 白状は難しいと思うわよ】


【響お姉ちゃん、紙お願い。カンペしたいの】


【まっかせて♪ はい♪

 これで見田井さんに伝えるのね♪】

スケッチブックにした妖秘紙(ようひし)を渡した。


【そのと~り♪ 団長さん真ん中だから俺とソラ兄が書いて見せるからね♪

 もしも新総理が立ち上がったら御札で固めてねっ♪】


【それなら任せて♪】

【僕達も紅火様から貰っているから使わせて】


【じゃあ死神師匠が先ねっ♪

 その録音データ?】


【間をカットしているけど真実だからね】


【うんうん♪】

『――お飾り大臣だったとお認めになるのですね?』


『信用していただけです!』

『皆さん両手を挙げて頂けますかな?

 全ての罪を現総理とマーズとで背負って頂きますよ』

叫んだのと同じ声が流れ、新総理は何処からだとキョロキョロ。


『確かに総理を監禁していました。

 非常時に何もしないどころか忍者達と企てを謀り、暴動を煽動しようとしていたとして、口封じも兼ねて一網打尽にと……』

『マーズが地震を起こしたとしようと言ったのも国土大臣です。

 それを流布するよう手配しました。

 しなければ私の政治生命が尽きてしまいますので……』

『反マーズ派を作ったら、次は建築業者と対立させると、請け負えば業者が倒産しそうな額を突きつけたんです。総理の名で。

 全ての悪は総理だと』

『国土大臣が、次の総理になる為だからと!

 見返りは十二分に与えるからと!

 政治の為だからと言ったんです!』

違う声が次々と流れた。見田井も驚いている。


『誰だ! こんなものを作って――』

「録音しただけ。まさか忘れたとか?

 誠心誠意、嘘偽り無くと言った筈だけど?」

青と紫、濃淡ピンクの2本帯な神マーズ達が ふわりと下りた。

「死神マーズ参上♪」「あのね」「ホントだもん♪」

歩み寄ると、持っている大きな三日月鎌がライトでギランと冷たく光った。

「ここで身体と魂を切り離してもいいんだけど?」


『話す! 全て話すからっ!』


「最初から素直に話してくれれば脅さなくてもよかったのに。

 マーズは忙しいんだからね」

話しながら歩き、新総理の後ろに立った。

「音楽マーズは優しいけど、神マーズは本来の忍だから容赦しないよ」

「早く話してねっ♪」

【死神師匠カ~ッコイイ~♪】【でしょ~♪】

【彩桜、チャム黙って】【【カッコイイ~♪】】


『つまり前総理を監禁していたのは新総理という事ですか?』

見田井の視線が更に険しくなった。


答えるべきだろうが答えれば……と新総理が躊躇している間に、ユーレイ探偵団はエィムとチャムの後ろに並び、カンペを書き始めた。


『指示――いや、命令されたのです。

 私は総理になりたかった。そこを利用されて。

 それに拒否も出来ず……』


『誰に命じられたのです?』


『そ、それ、は……』


『どういった内容なのです?』


また新総理の言葉が止まっているので、エィムとチャムが三日月鎌が よく見えるように新総理の横(画面では奥)に動き、前が(ひら)けたロンサとラクサがカンペを掲げた。


『前総理を蹴落とせと……政界から葬り去れ、本当に葬り去るのも良し、だと……』


『それが(はじめ)氏の名でのメールで届いて、証拠を残さないように機種変更しろとまで……そうですか。

 それで間違いありませんね?』


見田井が『元氏』と言った時に声を上げた新総理だったが、以降は驚きで口をパクパクするばかりになっていた。


暫く そうしていたが、ようやく見田井の視線が自分より後ろを見ていると気付き、振り返る。

「子供……?」


「ユーレイ探偵団 参上!」一斉。

子供達にライトが当たると、大人2人を囲んでいた。

スタッフがラクサにマイクを渡す。

『新総理、メールの送り主さん達です。

 ちゃんとアドレス確かめましたか?』


『まさか……私は騙されていたのか……』


『スマホ、殆ど使えてなかったもんねぇ。

 新しいのなんて、ぜ~んぜんだったし~。

 サーバーに残らないタイプのメールってのも考えてのコトだと思う~』

『そのスマホ、コレですよね?

 データも復元しました。

 そこから、こちらの2人に行き着いたんです』

『外務大臣さんは、今回の国際問題に非協力的だったのも怪しかったのよね。

 その両方から確信したの』

ラクサ、ロンサ、キョウへとマイクリレー。

その3人が左右に()けると、外務大臣と国土大臣の腰縄の端を咥えている大型犬達と、大型犬のリードを持っているチェリとシード、カルケとマーヤが左右から腕を組んでいるのが見えた。


【カケル君じゃなくてモグ?】【青生兄アタリ♪】

【まだ覚醒しないの?】【間に合わなかったのぉ】


キョウが続ける。

(はじめ)氏の全く知らないところで進んだ企て――とは言え、元氏の威圧が効いたのは明白です。

 今回の邦和の危機、全くの無関係だとは思いません。

 こんな不穏な芽を育ててしまったんですから』

見田井の後ろのカメラに向かって話していたが、スタッフや大型カメラの方を向いた。

『邦和の未来を担う私達、子供だからこそ言わせていただきます!

 もう政界を睨まないでください!

 現役に任せて優しくなってください!

 負の感情は不穏を生みます。

 不穏は禍に成長して魔を引き寄せます。

 どうか穏やかにお過ごしください。

 これからの政治家が引退した時の見本になってください。

 どうか「お願いします!」』


ユーレイ探偵団とマーズが揃って頭を下げた時、見田井の後ろに立っていたカメラマンがスタッフ達の後ろにカメラを向けてズームアップした。


アップになった厳しい眼光をライトが際立たせたが、フッと眼差しが柔らかくなった。

カメラが少し引くと、御大様は苦笑か自嘲かの微笑みを浮かべていた。

『君達に託したいものだな。

 先ずはマーズに。次代をユーレイ探偵団に。

 次野(つぎや)君。地震前、私は耐震装置を配っているマーズを密かに助けよと指示した筈だが?

 それを悪用するとは……』


次野国土大臣は何も言い返せずに俯いた。


万手内(まてない)君もだ。双方の円満離婚と派閥の移籍を待てと言った筈だが?』


万手内外務大臣も唇を噛んで悔し気に俯いた。


『初の女性外務大臣に期待していたのだがな。

 残念だよ。

 騙されたとは言え、(あらた)君もな。

 私は隠居するが、これだけは。

 (みちびき)君を総理に戻してから去るのだけは許してもらいたい』


『「はい♪」』ユーレイ探偵団。


『マーズも戻ってくれるな?

 先日、前君が訂正した額で土木・建築業者は納得している。

 そうとなれば反マーズ派も落ち着くだろう。

 前君を支え、邦和の復興を支えてもらいたい。頼む』

御大様が深々と頭を下げた。



【子供の出演時間は邦和時間でと決まったんだ。

 次はドイツで昼間だけど、そんな理由(わけ)でユーレイ探偵団も子供マーズも出られない時間帯に入るからね。

 皆はキツネの社で修行か眠るかしてね】

青生からだ。


【一緒に忍者移動?】


【うん。それは一緒にね。

 此処に残って居たら大騒ぎに巻き込まれてしまうからね】


【は~い♪】



 この間に新 次野 万手内は連行されていた。

元と話していた銀マーズが戻ったので

『移動だ! マーズ&キリュウ!』『承知!』

見田井に引き留められる前にメーアが言って、皆が楽器やらも連れて瞬移した。







リーロン(オニキス龍神)、サーロン(ソラ ユーレイ)、ユーロン(漢中国人ユーレイ)は血の繋がりこそありませんが仲良し兄弟です。

輝竜兄弟にとってもイトコと言うよりは兄弟。

7人が10人になっただけ、くらいの感覚で仲良く暮らしているんです。

彩桜にとってもユーロンは初めての弟みたいな大切な存在です。

なので桜マーズと空マーズが犯人達の所に通い続けることでしょう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ