第七十八話 罰ゲーム2
「僕はもう済ませたから、残るはクリスとリーズの二人だけ。」
学校に登校するなり、イグナーツにいきなりそう言われました。イグナーツがやけにいい笑顔だったのが気になりました。いったい何をしたんでしょうか?
「でも、罰ゲームと言っても何をしましょう?」
結局悩んだ末に良いアイディアが浮かばなかったので、偶には何もせずに放置でもしてあげましょう。良いことしたなあ。と優越感に浸る私は、今この時、ブルーノがクリスの手によって、とんでもなく酷い目にあわされているなんて、全く知りませんでした。
「ブルーノ。凄く似合ってるよ。」
クリスがホクホクと幸せそうに微笑む中、ブルーノは顔を真っ赤に染めて、とてつもない羞恥心に駆られていた。
「うんうん、とても似合ってると思うよ。」
隣でクルトも満足そうに笑みを浮かべている。
「何で、俺がこんな目に、」
ブルーノの瞳からは今にも涙が零れ落ちそうだった。
今現在のブルーノは、クルトのお下がりである、真っ黒なゴスロリに身を包んでいた。長い髪は丁寧に黒いリボンでツインテールにされている。それに加え、ブルーノのサイズがクルトと同じ位という事もあって、丁度いい感じに出来上がっていた。
そう、誰がどう見ても完璧な女の子に見える。
元々幼少期が小柄だったためか、今がちょうど成長期を迎えている最中だからなのか、服装次第で男にも女にも見える容姿だった。
そんなわけで、クリスの罰ゲームが女装と言うものに決定したわけだが。
「なあ、何時までこの服着なくちゃいけないんだよ?」
何処か怯えながら問いかけるブルーノに対し、クリスとクルトはやんわりとほほ笑んだ。微笑み返されたブルーノはビクリッと大げさに震えていた。何かやられるのか!?と身を構えた。
「うん。もう脱いでいいよ。」
あっさりといい返事が返ってきて、ブルーノは驚きに目を丸くさせた。
「えっ!?」
「それとも何その服気に入ったの?まだ着たいんだ?」
ニヤニヤと笑うクルトに、ブルーノは
「んなわけねーだろ!?」
と赤い顔のまま怒鳴りつけ、急いで木の後ろに隠れガサゴソと着替えた。ゴスロリをクルトに渡すととてつもないスピードで走って行った。
ブルーノの姿が見えなくなると、クリスが笑顔で、クルトに問いかける。
「ちゃんと撮れた?」
「勿論。」
まるで悪魔のような笑みを浮かべて、クルトが手の上に水晶を出現させる。水晶の中には、先程のゴスロリの衣装を纏ったブルーノの姿が映し出されていた。クリスが水晶を眺めて満足そうに微笑んだ。
「レンタルだといくら位するの?」
「別にただでもいいけど、その代り偶にでいいから討伐に付き合ってね。」
「ん、それくらいならいいよ。」
当然の事だが、ブルーノはこんな取引に使われているとは露程も知らない。




