第七十三話 ドッキリ
「そんなに怒らないでくださいな。ちょっとした悪戯ですわ。」
「結構ハイレベルな悪戯ですね。」
呆れた様に私は呟きました。思い返せば、あれはカモミールさんの守護精霊だったはず、黒いベールを被せてあったから、なのとしばらく見ていなかったせいで分かりませんでした。
「でも、リーズさんだけ、全然悲鳴を上げてくださらないのですもの。私、一番リーズさんの悲鳴が聞きたかったのに。」
カモミールさんは心底残念そうに呟く。
「私が生きているうちは、リーズは私のなんだからね!」
クリスはかなり本気で、カモミールさんを威嚇する。威嚇しなくても、私がカモミールさんと交際することは一生ないですよ。
「さて、冗談は、程々にしておいて。何をして遊びましょうか?」
何も考えず私たちをお家に招待してたんですか!?あれだけ盛大にトラップを仕掛けておいて置きながら、今更、何して遊びましょうか?と言われても思いつきませんよ。
「そうですわ!かくれんぼしましょう。最初は私が鬼をやりますから。皆さん隠れてください。」
そう言うとカモミールさんはいーち、にー、さーん、と数え始める。
何故か、私の家の伝統の遊びが広まっていました。確かに面白いですけど、恐怖のカモミールさん家で、かくれんぼは恐怖でしかないです。
何だか捕まったら何かがやばい。と感じた私たちは、一斉に隠れるために走り出した。
「寝てる場合じゃないわよ!起きなさい!」
「いでえっ」
いつもの様にマリエルが拳で起こしていたが、状況が状況なので、マリエルは拳で一発殴るとそのまま、ブルーノを引きずって行った。
私たちも急いで逃げるものの、カモミールさんが何時まで数えるのか、不明なので急いで隠れたい心境です。
「きゃああああああ!?」
その時、エリザベスさんの悲鳴が、辺りに響き渡った。それと同時にカモミールさんが動き出したという、事が分かり私とクリスと何故かイグナーツが、同じ場所に隠れることになったのでした。
「今更ですが、何故イグナーツが一緒に居るんですか?」
「今回ブルーノは役に立たないから。」
「「……。」」
ブルーノが言いたいことも、分かります。でも、流石にかわいそうだと思いますよ?今頃はマリエルと一緒に隠れてるんでしょう。だってこんな怖い空間に1人で隠れるなんて無理です。だってすごく怖いです。
取り敢えず、三人で大量のぬいぐるみの山の中に隠れる。こんな状況なので魔法でも使って逃亡したいですが、そんなことをしてみれば、カモミールさんが直ぐに此方の動きに気付いてしまいます。ぬいぐるみの山の中の一番下に潜り込むと、私たちはじっと気配を消してカモミールさんが来ないか気を配るのでした。




