第六十二話 久しぶりの学園
次の日になると私は久しぶりに学園に向かいました。でもクリスが言うには今年で学園生活は最後だというので色々と学園長と交渉に行こうと思います。だって向こうの世界に行ってしまったのは自分んの意志ではないんですから不可抗力です。
そんなわけで何とかクリスと同じ時期に学園を卒業するための交渉に向かいたいと思います。
「頑張ってね!」
クリスは他人事のように手を振っていますが大方無理だとでも思ってるんでしょう。ですが私もバカではありません。普通に交渉したところで良い返事が貰えないことは分かっています。
なら私がやることは卒業する為の条件を今年中に満たせばいいのです。幸い最初の年に取った科目は習得済みになっているはずです。ある程度余裕をもって課題に取り組んでいましたから。
「失礼します。」
学園長室に入室すると早速交渉を試みました。
「私もクリスと同じ年に卒業させてください!」
「構わないよ。」
あっさりと返事がきました。
「自分で言うのもあれですけど本当にいいんですか?」
「リーズさんは優秀だったからね。飛び級扱いにしておけばなんとでもなると思うよ。」
卒業できるのならもう用件は済んだので教室に向かいましょう。
「失礼しました。」
私は急いで教室に向かいました。
「おはようございます。リーズさん。」
「おはようございます。カモミールさん。」
何だかこうやって挨拶をするのも久しぶりな気がしますね。
「皆さんリーズさんを教室で待ってるんですわ。急ぎましょう。」
そう言うとカモミールさんは私の手を取り走り出します。ガラリとドアを開けると其処にはあの時のメンバーが揃っていました。
「リーズお帰り。」
そう言うとマリエルは私に抱き付いてきました。
「ただいま戻りました。」
「ずるい私も!」
エリザベスさんまで私に抱き付いてきます。
「俺も抱き付いたら怒られるかな。」
「抱き付いたら殺されるんじゃないの?」
ブルーノとイグナーツの会話が聞こえました。
「抱き付いたら潰します。」
無表情で脅しをかけます。
「何処を!?」
ブルーノは顔色を真っ青に変えると剣を構えます。
「勿論心臓です。」
「殺す気かよ!?」
男性が女性の許可なしに抱き付くのはある意味犯罪なので私の中では死刑です。
「犯罪を犯さなければ殺しませんよ。……多分。」
そう言えば犯罪を犯す以外にも殺しそうな場面がありました。といろいろ思い出していました。
「今小声で多分って言った!?」
「はいはーい。出席とるよリーズさん」
「はいお久しぶりですね。ダリア先生またよろしくお願いしますね。」
あえてニッコリとほほ笑みます。
「うん…。お手柔らかにね。」
先生は顔を引きつらせると全員の出席を確認していきます。
「それじゃあ出席確認終わったから先生は失礼します。」
勿論逃がしませんよ。
逃げようとする先生に狙いを定めると私は先生の足元にテレポートでボールを移動させました。当然のことですが先生は派手に転びました。しかも顔面を地面に叩きつけるという凄いリアクション。
これでようやく私も学園に戻ってきたんですね。と思う事が出来ました。そんな満足そうな私を見てクリス達も嬉しそうな顔をしてくれています。
「良かったね。リーズ。」
「はい。」
「先生はちっとも良くないです。」
泣きながら地面にへばり付いたままの先生を眺めながらやっと私はこの世界に帰ってきたんだと実感が持てました。




