第四十六話 別世界の生活
意外なことにぐっすりと眠れました。おかげで疲れも大分取れて元気いっぱいです。
「体調も良くなったとこでお父さんの部屋に移動するわよ。詳しく説明するからね。」
そう言うとお母さんは歩き出しました。不思議な所だと思いました。室内を靴ではなく裸足で歩き、しかも床も変わった造りででも不思議と嫌悪感はありませんでした。そんな不思議な空間を歩き続けるとまたしても不思議な扉の前に到着しました。
「お父さん入るわよ~。」
お母さんは気の抜けた声で不思議な扉を横にスライドして開けました。別世界では不思議な開け方をするんですね。
「いつも言っているが返事も聞かずに開けるのは止めなさい。」
「それよりお父さん説明するわよ。」
「全く。」
お母さんのお父さんは渋々と言った表情で私に向き合いました。
「リーズと言ったのう。」
「はい。」
「本当にお前の娘か?見た目はそっくりじゃが中身が大人びすぎている気がするが。」
「失礼な!私に子育ての才能があったって事でしょう。」
お母さんは自慢げにしています。少しだけ嬉しく思いました。
「取り敢えずリーズよ。おぬしがわしの孫だという事前提で話を進める。」
「はい。」
真剣な表情でこちらを見るものだから急に緊張感を感じます。
「まず鈴が別世界に行った原因の話から始めよう。丁度あの日は鈴の16才の誕生日での、わしら百織一族の成人の日を迎えたのじゃ。そして成人を迎えた者は禊を行うことになっておる。そしてその禊の日に鈴は姿を消した。未だにその詳しい原因は分からない状態なんじゃ。」
その言葉に思わずしょんぼりと落ち込んでしまいます。原因が分からないという事は私はクリスの世界に帰れる可能性も分からないという事じゃないですか。
「取り敢えずこっちから帰れる方法と言えばリーズが16才の誕生日を迎えた時に禊を行うしか現段階では帰れる手段はないという事なのよ。」
私は今13才だから、あと三年はこの世界で暮らさなくてはいけないんですか!?
「今すぐ帰れる方法は!?」
「残念ながら無いのよ。」
お母さんは申し訳なさそうに謝りました。なら今の私がやるべきことはクリスの世界に帰れる日を迎えるまで修行することです。向こうの世界に帰った時に弱い状態の私なんて見せたくないですから。
「お母さんお願いがあります。」
真剣な表情でお母さんにお願いをします。
「私を最強にしてください!」
幼いころからお母さんに修行をさせてもらっていました。その時に修業を始める時に言割れた言葉があります。どうせやるなら一番を目指しなさいと。
私の言葉にお母さんが
「分かりました。なら修行は明日から始めます。」
真剣な表情に変わりました。普段は優しいポワンとしたお母さんですが、修行の時だけ敬語で真面目になります。私の言葉づかいもこの時のお母さんの影響が大きいんですよね。気付いたら使っているという感じですから。絶対に帰リますから待っていてください。と思ったところであることを思い出しました。
クルトにもらったネックレス!ネックレスに魔力を込めてクリスとの会話を試みます。別世界という事もあってやけに繋がり難いなと思いました。お願いします。気付いてくださいクリス!




