第四十七話 会いたい
クリスside
「ヒック、グスッ。」
リーズが消えてしまった後私は1人泣き続けていた。こんなことをしていても何にもならないって分かってるはずなのに涙は全然止まってくれなかった。
しばらくすると涙も止まって大分落ち着いた。ペンダントに魔力を込めてもリーズからの反応は帰ってこなかった。
私は一旦クルトに会いに行った。今の状況と事情を知っているのはおそらく彼奴だけだと思ったから。私はリーズみたいにテレポートは使えないから走って行く。
扉をドカッと乱暴にあけてクルトの所に向かう。扉を開けるとクルトとアダムがいた。二人とも悲しそうにこちらを見つめている。
「ねえ、前に言ったよね。連れ戻すの手伝ってって。」
「そうだね。」
「だったら何か知ってるんでしょう?リーズをこっちに呼び戻す方法とか、何か他に可能性のありそうなこととかあるんでしょ?」
この二人がそんなことを知っている筈が無いと分かっていても問いかけずにはいられなかった。何か動き出して少しでも気を紛らわせないと心が壊れてしまいそうだったから。
「君は少し休んだ方が良い。僕らでできるだけ手がかりを探しておくよ。睡眠魔法。」
その言葉で私の意識は途切れた。
「まさかこんなに早く事がおきるとは思ってもみなかったよ。」
クルトはクリスを抱えるとベッドに運んだ。
「金髪の子大丈夫か?」
アダムは心配そうにクリスを見つめている。
「彼女の動揺ぶりを見ると如何やら僕の作ったアイテムは役に立たなかったらしい。」
少なくとも声が聞けているならこんなに動揺はしないだろうとクルトは思った。
「あんまり気にすんなよ。俺たちにできることなんてたかが知れてる。少なくともこの世界で行方が分からなくなった人物を探すのならお前はできるけど別世界の人物まで探すことなんて誰にもできねえよ。」
アダムはクルトを慰めるように軽く抱きしめた。
「少なくとも後輩のこんな悲劇を目撃してると気にするなって方が無理な話だよ。」
クルトは泣きべそをかきながらアダムの胸に顔を押し付ける。
「問題はリーズのクラスメイト達にどう説明するかなんだよね。」
クルトは悲しそうに呟く。
「確かに正直に話そうが何しようがリーズがこの世界に居ないという事は変わらねえんだからな。」
「このことは明日学校で話そう。クリスの事も心配だし。何より人では多い方が良いよ。」
「それもそうだな。なら俺は手紙だけ渡しておくお前も一旦寝ろ。禄に眠れてねえんだろ。」
アダムはクルトの顔を自分から引きはがすとベッドに放り投げる。
「アダム君彼女をベッドに放り投げるってどういう神経してるんだい?」
クルトは怒りを感じた。
「いいから寝てろよ。」
そう言うとアダムはさっさと部屋を出ていった。クルトは物々文句を言いながらも眠りについた。
「さて机の中にでも入れておくか。」
そう呟くアダムの手には手紙が一クラス分握られていた。




