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第四十四話 突然の出来事

 私たちはクルトからもらったネックレスを使って話したり、小さい男と勝負したり、いつもの様に日常生活を送っていました。クリスちゃんと笑いあったり悲しんだり。


 ずっとこの毎日が続けばいいのにそう願いました。クリスちゃんと遊び疲れて家に帰って来た時の事でした。


「リーズ、ちゃん?」


私の方を見て驚いて目を見開いていました。


「クリスちゃん如何したんですか?」


安心させようと抱きしめる。でもクリスちゃんに伸ばした手はクリスちゃんをスカッと通り抜けてしまいました。まるで自分が透明になったように。


「どうして……?」


 疑問の言葉を口に出しても頭では理解できました。もうここにはいられないんですね。分かれの時間が来てまったことを理解すると私の目からは涙があふれてきました。


「触る事も出来ないなんてやだよ!」


 クリスちゃんは必死に私に触れようとするけれどその手は私を通り抜けてしまいます。


「私必ず帰ってきます。だから、だから待っていてください。」


もう涙で肝心のクリスちゃんの顔が見えなくなっていました。


「待つよ。でも私も探す。クリスちゃんが私のいるところに帰ってくる方法を探して見せるから!」


 やっぱり神なんて信じるものじゃありませんね。やっぱり私が信じられるのはクリスちゃんですね。


「私クリスちゃんの事信じてます。」


「私も信じてるよリーズちゃんの事。」


 抱きしめても形だけで温もりどころか感触すらも無かったけどそれでも不思議と寂しくは無かったです。


「リーズ。」


「はい。」


思わずDVモードですか?クリスちゃんを見ても何の変化もなくて、


「名前で呼びたかったの。リーズも私の名前呼んで?」


「クリス。」


そう呼ぶとクリスは嬉しそうに微笑んだ。


「こういう時はキスとかした方がロマンティックなんだろうけど透けちゃってるからできないね。だからこっちは帰ってきてからだよ?」


クリスは唇に指をあてて、意地悪そうに笑っています。


「分かりました。帰ってきたら必ずですよ?」


 お互い涙がボロボロと溢れて、でも表情は笑っているというとても不思議な状況になっています。でもそんな時間も終わって私はクリスちゃんの姿が見えなくなってしまいました。


 リーズの姿が完全に消えるのが分かると、辛うじて笑っていたクリスの顔が悲しくゆがんでいく。


「う、うわああああん!ヒック、う、うわああああああああん!」


クリスとリーズの家では1人クリスの泣き声だけが空しく響いていた。

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