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第四十三話 日常

 その日はクリスちゃんと一緒に学校に行きました。いつもの様に授業を受けて、いつもの様に小さい男と勝負して、勿論私が勝利しました。


「ねえ、一つ聞いていい?」


「何ですか?」


「何々?」


ため息をついて不思議なものを見ているかのように此方を眺める。


「二人ともくっつき過ぎ。」


 昨日のこともあったので私とクリスちゃんは四六時中一緒に居ました。と言うよりも現在進行形で一緒に居ます。


「何かあったの?」


マリエルは何処か不安そうに私たちを見つめる。


「ただ、私がクリスちゃんと一緒に居たいって思っただけです。」


私の言葉に反応してか、リーズちゃんが少し悲しそうに私の手を握る。


「おい!勝負だ!」


空気を読まずに小さい男が乱暴に私の机を叩く。


「少しは空気を読みなさい。」


マリエルは静かな口調で小さい男を拳ひとつで沈めた。


「グハッ」


マリエルは小さい男を持ち上げると


「私は保健室に行ってくるわ。先生には私から言っといてあげる。」


 マリエルのその言葉に私たちはキョトンとする。マリエルが教室から出ていくと思わず私はクリスちゃんと顔を合わせます。直ぐに笑顔になり


「ケーキ食べに行きませんか?」


 私はデートに誘いました。


「喜んで!」


クリスちゃんも嬉しそうに微笑んで私の腕に抱き付きます。教室から出ていくと先生がいました。


「私からは問いただしません。頑張ってください!」


 涙ながらに応援されました。いったいどんな事を言ったらこんな状態になるんでしょうか?疑問を抱かずにはいられませんでした。


 その後外に出てケーキ屋に向かうと


「やあ。」


「金髪の子。」


変態二人に遭遇しました。


「私、今邪魔されたら本気で怒りますね。」


あえてニコリとほほ笑みながらナイフを持って近づく。


「ちょ、待て待て早まるな!落ち着け!今日は渡すもんあるから!手ぶらじゃないから!だから落ち着け!」


震えながらクルトの後ろで叫んでいます。


「はいこれ。」


 そう言ってクルトが渡してきた物は蒼色の水晶のついたネックレスと同じく紫色の水晶のついたネックレスを手渡されました。


「蒼い方がリーズで紫色の方がクリスのだからね。間違えないでね。」


取り敢えずつけてみます。


「これは特別な製法で僕が作ったものなんだ。どんなに離れていても魔力を込めれば会話ができるようになっているんだ。」


その説明を聞いて私は思わずクルトを睨み付けました。


「私たちの事見てましたね。」


私の様子を見るとクルトはすぐに弁解をしました。


「まあ悪かったと思ってるよ。内容がかなりヤバいものだったしね。だからお詫びにこれを作ったんだよ。」


これに免じて許してほしいと言わんばかりに困り顔になっていました。


「ならもう一つ条件追加。リーズちゃんを連れ戻すの手伝ってね。」


 クリスちゃんはどうだ!とばかりにドヤ顔をしている。クルトはおどけた様に


「分かったよ。」


可笑しそうに笑っています。


「まあ、いつ戻っちまうか分かんねえ以上俺たちができるのは連絡手段を与えることと戻ってくるのを手助けしたやるくらいしかできねえからな。」


 アダムは私たちを悲しそうに眺めると最後にクリスちゃんの髪を撫でました。


「ハアハア」


ナイフをアダムの手首辺りに構えて切ろうと手を動かす。


「すいませんちょーしにのりました!」


危険を察知するとアダムは逃げ帰った。


「あれが無ければアダムも普通なんだけどね。」


全くしょうがないな。とばかりにクルトは苦笑いする。


「まあ僕たちと同じ同性愛と言う名の障害を持つ者同士なんだ。お互い幸せになるための努力は惜しまないよ。」


そう言い残してクルトも帰って行った。


「ケーキ食べに行きましょうか。」


「そうだね。」


私たちは大好きなケーキを沢山買ってお家で紅茶と一緒に食べました。

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