第四十一話 大事なお話
クリスちゃんと恋人になりました。とお母さんに手紙を出したら大事なお話があるのでお家に帰ってきてね。と書かれていたので私はクリスちゃんを連れてテレポートで実家に帰りました。
「リーズちゃん家に来るの久しぶりだね~。」
そうですね。都会に引っ越してからそれなりに時間は経過しましたからね。
「お母さん、ただいま帰りました。」
私は扉を開けました。
「久しぶりね。クリスちゃんも久しぶり」
「はい久しぶりです。」
にこやかな笑顔で私たちを迎えると直ぐに真剣な表情に変わり
「リーズ貴方に私の秘密を話します。」
「私は出ていた方が良いですか?」
お母さんが真剣な表情で話し出すものだから、クリスちゃんは気を使っています。
「大丈夫よ。二人が恋人になったなら無関係と言うよりも寧ろ聞いておいてほしい話なの。」
お母さんは真剣な表情なのは変わらずクリスちゃんに安心させるかのように少しだけ微笑みます。
「じゃあお邪魔します。」
「大事な秘密と言うのは、実はお母さんこの世界の人間ではないのよ。」
「「!?」」
前置きはあったのにあまりにもスケールの大きい一言に驚いてしまいます。
「じゃ、じゃあなんで異世界人のリーズちゃんのお母さんがここにいるの?」
「それはね私にもわからないの。」
「えっ。分からないのなら何でわからない話を今ここでしたんですか!?」
「分からないってことわね。何時元の世界に帰るかも分からないという事なの、もしかしたら明日帰るかもしれないし、明後日かもしれない、それとももっと先になるかもしれないし、もしかしたら永遠に帰れないのかもしれない。」
お母さんは悲しそうな表情で話す。
「でも、リーズも私の血をひいてる上に私に似ているからリーズも私と同じ世界に帰る可能性があるのよ。」
お母さんのその言葉に私の頭の中は真っ白になる。
「それってリーズちゃんと離ればなれになっちゃうの?」
クリスちゃんも顔から生気が失われたかのように青白くなっています。
「やだ!そんなの絶対にいや!」
泣きながらギュッと私を閉じ込めるように抱きしめる。思わず離れたくなくて私も抱きしめ返す。
「帰らない方法はないんですか?」
泣きながら必死にクリスちゃんと一緒に居る方法を問いかける。
「ごめんね、分からないのそれに前に話したから分かると思うけど、リーズには守護精霊がいないのという事は覚えてる?」
それは覚えてるので頷くだから私にはお母さんの守護精霊が憑いたのだと聞きましたから。
「この世界に生まれた人達は例外無く守護精霊が生まれつき憑くものだけどリーズには守護精霊が憑くことは無かった。理由はリーズがこの世界に認められていないからだと思うの。」
「でもお母さんには守護精霊がいますよね?」
確かに守護精霊は生まれつきついているもの以外にもあるのは知っています。でもそれを除いてもお母さんには沢山の守護精霊がいます。守護精霊すべてを集めたというわけでは無いと思うのです。
「お母さんの持っている守護精霊の内の半分は前の世界での仲間なの、この世界の住人ではないのよ。」
その言葉に衝撃を受ける。
「青ちゃんも?」
「青は前の世界の仲間よ。この子は特別な子なのよ。この子は傍にいる子を幸福にする能力を持っているのは知っているわね?」
「はい。」
「リーズが不幸にならない様にこの子をあなたの守護精霊として渡したの。だから少なくとも急に元の世界に帰ることは無いはずよ。だから安心して。」
微笑みながらあっさりと言うその言葉に思わず怒りを感じてしまう。
「お母さん私たちをからかいましたね?」
思わず涙目で睨み付ける。
「ごめんなさい。でもいつか元の世界に帰るかもしれないという事はあくまで可能性の話。実際には分からないから、後悔しない様に生きなさいとだけ伝えたかったの。」
さっきの微笑んだ顔から一転し困り顔で
「からかってごめんね。」
素直に謝ってくれました。久しぶりの帰宅という事もあって私たちは一日だけ泊まることにしました。クリスちゃんと一緒にお風呂に入ってその後ご飯を食べているとお父さんが帰ってきました。
「クリスちゃんと恋人になりました。」
と報告すると真っ白に燃え尽きていました。
お母さんはにこやかにほほ笑んでいました。そんなお父さんを無視して私たちは部屋で一緒に寝ました。
「リーズちゃん起きてる?」
コショコショと眠れないのか小声で話かけてきました。
「如何しました?」
「一緒のベッドで寝ても良い?」
「良いですよ。」
私が返事を返すとクリスちゃんは私のベッドに入ってきます。私の手をギュッと握って落ち着いてきたのかクリスちゃんはすぐに眠りました。
クリスちゃんの手の温もりを感じながら、大丈夫私はまだこの世界に居れる。だから今はクリスちゃんと一緒に居させてください。
神なんて私は信じていないのに、そう願いました。




