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第三十二話 情報収集

「分かってることはどうやらクリスはリーズを迎えに来るために仲間を集めだしたみたいだ。」


「仲間?」


 何のために?私は息詰まると修行する癖があるのでしょうがないと思います。けどクリスちゃんが仲間を集めるなんて如何しましょう。


「何だか最近流行りの物語を読んだみたいで四天王を集めるぜ!っていう展開になってるよ。」


本当にいったいどこからその情報を仕入れているんでしょうか?


「因みにこれも魔法だぜ。」


隣にいるアダムが自慢げにしている。


「クルトの!」


自分の魔法じゃないんですね。と呆れました。


「向こうは寂しくて変な方向に突き進んで行ってるね。あっ早速仲間ができた。」


「早すぎじゃないですか?」


 まだクリスちゃんが家出してから今日で二日目ですよ。幾らなんでも展開が早すぎます。


「因みにどんな人物ですか。」


「えっとブルーノ・ディックハウト男15才、農民出身で剣の道にあこがれ家出。偶々クリスと出会い些細なことから喧嘩に発展。そこでクリスに完敗。その強さに憧れ一生ついていくぜ!ってなって仲間になったみたい。」


 もしかして私が迎えに行くパターンになってクリスちゃんの集めた四天王を倒さなくちゃいけないとかそういう展開になるのでは……?


「まあクリスの性格上恥ずかしくて自分から迎えに来れないと思うよ。」


 確かにとそう思いました。クリスちゃん昔から素直に自分から謝るのは苦手でした。まあ私も苦手ですけどそもそもどんな風に謝ったらいいのか分からないです。まあ何とかしましょう。


「あっまた増えた。」


「「早っ」」


 思わずセリフがアダムと被ってしまいました。でもクリスちゃんは仲間を作るの早すぎます。


「次の人物は、イグナーツ・ドレイシー、男14才魔族とのハーフで特殊な能力を持っているみたい。因みに能力は、目が会うとその相手はしばらく魔法を使えなくなるみたいだね。それで親と喧嘩して家を飛び出したところでクリスと遭遇。腹いせにクリスに襲い掛かるも返り討ちにあう負けてしまったのでその強さに惚れて忠誠を誓う。」


「何だか家出した少年少女の集団みたいになっていきますね。」


 色々ツッコミどころは多かったけど何故だか家出した人たちが近場で遭遇して戦うという何とも嫌な偶然。


「何だか王道の物語でも見ている気分になってくるよ。」


1人楽しそうな様子です。1人楽しそうにしているのを見ると苛々します。


「ズルいです。私にも映像見せてください。それかその魔法教えてください。」


 思わずいじけて文句を言うと苦笑いで


「これ魔族にしか使えないから習得は無理だね。特別に見せてあげるから。それで我慢してね。」


 そう言うとクルトはおもむろに人の体よりも大きいのではないかと思える程の大きさの水晶を出現させた。水晶をじっと見つめるとそこにはクリスちゃんの姿が見えました。その傍にはボロボロの少年が二人、さっきできた仲間のようですね。私が今後蹴散らさなくてはいけない人物。顔を覚えるためにじーっと眺め続けます。


「そんな殺意にまみれた目で見なくてもいいと思うぞ。」


アダムはクルトの後ろで震えていました。


「言いがかりはやめてください。その内私が倒す相手を観察していただけです。」


プイッと顔を反らすとクルトが苦笑いしていた。


「まあ僕も疲れて来たし今日はここまでにしようか。もう暗くなるし向こうも宿に泊まるだろうし。」


 宿……。


「ちょっと待ってください。あんなむさ苦しい野郎二人とクリスちゃんがサンドイッチ状態という事ですか!?」


思わず嫌ー!と叫ぶ。


「おっ落ち着け!ほらケーキだぞ。」


アダムはケーキを差し出してきました。取り敢えずケーキを頬張る。一旦飲み込むと


「絶対にユルサナイ……。」


 感情が高ぶって何時の間にか言葉遣いが可笑しくなっているのに気付けませんでした。そしてアダムは隅の方で震えてクルトは少し楽しそうに水晶を見つめていた。

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