第二十一話 全力全開!
「やっほー久しぶり!」
バチコンッと開始早々ウインクをかましてくる誘拐犯。クリスちゃんを誘拐した罪,今ここで私が直々に断罪してあげます!出し惜しみはせずに全力でぶちのめす。守護精霊のペガサスを憑依する。背中に羽が生え空中に飛ぶ。
本来守護精霊には使い方が決まっています。恩恵だけを受けたり,実体化させたり,自身に憑依させて能力を発動するか。他と違って憑依には負担が大きいため体を壊してしまう人がいて,あまり使える人がいないのが現状です。
「おおっとリーズ選手行き成り大技発動です!その姿はまるで天使の様です!」
遠距離魔法の詠唱に入る。
「雷よ敵を断罪せよ 落雷!」
かなりの魔力を注いだため威力は大きい。それに周りにも魔法は広がって
いる。真面に食らえば即死は免れないはず。その時相手は不敵に笑みを浮かべ
「じゃあ俺も使うか。」
確かにそう呟いて何かを憑依させていた。髪が少し伸び瞳の色も真紅に染まりその顔は明らかに強者のものだった。そして消えたと錯覚させるほどの速さですべての魔法をかわし切っていた。
「嘘でしょ!?」
後ろでエリザベスさんの驚きの声が上がる。確かに私も信じられません。あの時の誘拐犯とは全然別人でした。なら此方ももう出し惜しみはできません。相手は恐らくスピードのある守護精霊を憑依させている。ならこちらは動きを封じる守護精霊を憑依させる!ペガサスと交代で青ちゃんに交代してもらう。
青ちゃんお願いします。青ちゃんはコクリと頷くと私に憑依した。片手に扇子を装備し魔法を詠唱する。
「大風よ敵を閉じ込めろ! 暴風!」
「リーズ選手巨大な風の魔法を発動!アダム選手閉じ込められて動けない!」
思った通り。スピードタイプの人には動けない状況を作り出せば勝機はある。パワーもありそうなのでバインドではなく此方にしました。とどめの一撃行きます!
「大雷よ敵に裁きを下せ!大落雷!(ビッグライトニング)」
閉じ込めているとはいえまだ何かをしてくるはずそんな確信を抱いていた私は魔力をつぎ込みかすっただけでも即死するであろう巨大な魔法を繰り出しました。何故なら相手はこの状況でも不敵な笑みを浮かべたまま危険な雰囲気を放っていました。
「いってえええ!」
と思ったら相手は魔法に直撃していました。
「あだだだこれなんかやばい奴だ!」
とか必死に叫んでいます。しばらくすると魔法は消え誘拐犯も地に伏せていました。確かに私は相手をちりも残らぬほどに本気で殺すつもりで魔法を放ちました。にもかかわらず相手は倒れてるだけで終いには
「いやー凄かった!」
とにこやかに笑っていました。
「勝者リーズ・アスピラスィオン!これで入学式を終わりにします。今年はこの四人が新たに仲間に加わります!」
アイスさんが実況を終えると蜘蛛の子を散らすように人は居なくなった。
「やった!入学できたよ!」
エリザベスさんは呑気に喜んでいましたが、こちらはそんな気分にはなれませんでした。私も魔力を残していたとはいえ相手が本気を出してもいないのに勝ったなどと言うほど間抜けではありません。胸の内にイラつきを感じながらも今後彼奴に目にものを見せるため特訓してやります。
一緒に頑張りましょう。クリスちゃん。




