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<#33 アイシテイルトイッテ>

<#33 >

『俺の主様────』


(ぇ……は…な…はぁ!?


なにそれ気になるじゃんかぁぁぁ!

教えてよぉっ!何言ったのさぁっ!!)


僕は気になる展開に目を見開く

そしてアルラルガの肩に両手を置いて


『なっ、なんて…なんて言ったのっ!

お、教えて…っ!!気になるっ』


そう叫んだ

その勢いで背に回っていたアルラルガの腕は解けた


『そ、そんなにですかっ!?』


驚いた顔のアルラルガを見て我に返る


『あっ…あわわっ…はわっ…ごめんなさっ……』


僕は慌てて頭を下げて謝る

急に暴れたこと、敬語を忘れてしまったこと

僕は頭がごちゃごちゃになっていた

だからもう自分がなんて言ったのか覚えていない…


『あ、謝らないでくださいよっ!

俺も急に……お、俺のが謝るべきで…その…』


アルラルガは目を逸らしてから

自分の礼装の袖で顔を隠して僕に背を向ける

何故隠すのかと僕は少し顔を覗いてみる


『ちょっ……なんでもないです!!

なんでもないのでっ……お、お部屋戻りましょ!ね!ほら!シュリア様もお待たせしてしまってますしっ!』


そう一息に言って室内に戻ってしまった

僕は驚きつつも追いかけて室内に入った


『えっ!?あっ、ちょっ…もぉ……』


背後で扉の閉まる音を確認してから

僕はアルラルガの隣に並ぶ

だけど全然目を合わせようとしてくれなかった


『アル?』


『な、なんでしょう…』


『どうしたのですか…その…えとぉ…

目も合わせてくれずに…』


『な、なな、な、なんでもっ…ないですっ!』


『そう言われても……寂しいなぁ…』


『さみっ…』


アルラルガの歩く速度が早くなる

そのまま廊下に出た

コツコツと響く足音

誰もいない廊下には会場の音楽が微かに聞こえている

無言で歩く2人の影は月明かりに揺れていた


『アルー…アルぅー…アル〜?アルくーん…』


『うぅ…な、なんですかっ…』


『だって何も話してくれなくって…

それに隣来てくれないし…

目も合わせてくれないし…』


『っ……べ、別に…良いじゃないですかっ』


『良くないっ』


『良い!』


『良くなくないっ』


『良くなくないって何!!』


『しらないっ』


『え!?』


『むんっ』


『むんって何!?』


『えへへっ、わかんなぁい』


『はぁ…ほんと…可愛い(おもしろい)方ですね…そして、敬語…忘れてしまって申し訳ありません…』


そう言ってアルラルガが頭を下げる

その目は寂しそうにも見えた


『はぇ!?べ、別に良いのにぃ…

とか言う僕も忘れちゃってて…』


アルラルガは首を左右に振ると

サラサラな髪が揺れた

月明かりに照らされるグレーブルーの髪が微かに白く目に映る


『いえ…主は普通、敬語など使われぬのが当たり前です…ふふっ、けれど貴方様は……』


そして「いえ、なんでも」とまた首を振る

アルラルガは言いたいことを飲み込んでしまうくせがあるのか…出会ってからずっとこんな感じだった

それが僕にとっては少し寂しいことだった


『アル…わかった、僕は敬語使わないっ

だからアルも使わないでっ

こ、これが最初で最後のめーれーっ』


僕は「命令」という言葉が嫌いだった

だから少し言うのに躊躇ったが

ギュッと目を瞑って言った


『命令…そうですか…それなら従わなくては…ふふっ、ありがとうございます


いや…ありがとう』


『…!うんっ!アルも、ありがとっ』


『……べ、別に…俺は何も……』


アルラルガはまた顔を隠して背を向ける

けれど、先程とは違い…どこにも行かなかった

それが嬉しくて嬉しくてたまらない

僕は勢いに任せてアルラルガの手を握った


『アルっ、僕のお部屋行こっ

僕ちょっと疲れちゃった…えへへっ

一緒に僕のお部屋で美味しいの食べよ?』


『なっ…ジェーン様や他の方にバレたら…

お、怒られちゃいま…怒られちゃうよ…』


『大丈夫っ!僕が…んーっとね…んーっとね

頑張るっ

頑張って隠したげるっ』


『そ、そう…なら…お願い…?』


アルラルガはまた目を逸らす

そして髪をいじりながら頷いた


『うんっ!任せてよっ』


『頼もしいね

でもやっぱり可愛い(へんな)人だね、シアル様は…』


『もぉっ!さっきから変な人とか面白いとかぁっ!そんなんじゃないよぉっ

僕は…んー…普通の人っ』


『普通……ううん、シアル様は可愛い(へん)だよ』


『なぁっ!ひどぉいっ……へへっ』


『ははっ、結局笑っちゃってるじゃないか』


笑った僕のことを見て、アルラルガも笑う

そしてその日は僕の部屋で朝まで遊んでいた

バレたりしそうになって慌てたり

笑い転げて、ものに体ぶつけてまた笑う

僕がこっそりと持ってきたクッキーや飲み物を一緒に飲んで


急いでお風呂にも入って

僕らの、初めてのお泊まり会だ──────


✧• ──────────── •✧


5年後

僕らは15歳になった

僕は魔法学校に入学して

アルは無事にこの国の騎士団に入団した

少しの間会えなくなっていたが

今日、会える予定らしい


 コンコンッ


        『失礼します…』

ONEマイライフ!#33を呼んでくださりありがとうございますっ


更新に何ヶ月も空いてしまいましたが、投稿させてもらいましたっ


お久しぶりです

皆さんお元気でしたか…?

また次の更新も何ヶ月と空いてしまいますが、それを楽しみにしてくださると、幸いですっ

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