表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/37

<#34 大好きな笑顔のために>

『失礼します…

お兄ちゃん、お出かけ準備できてる?』


妹のシュリアが扉を開いて目を覗かせた

そして「はやくはやく」と手招きする


『うん、行こうか』


僕は立ち上がり、椅子を戻す

そして先程まで書いていたものをしまう

何を書いていたか…それはシュリアには秘密

だって…今日会う親友に態々手紙を書くなんて…笑われてしまうかもしれないから


『お兄ちゃん、本当に良いの…?』


『ん?何が?』


『その…魔導書とか…杖とか……

魔法学校の入学準備の……まだまだ先のことなのに…っ』


『良いの良いの、魔道具とかは長く使っていた方が実践にも扱いやすいし、授業も受けやすいよ


魔導書は…んー、読書とかの時間に読んでみな?楽しいよ?』


『うぅ……そうですけどぉっ

自分で払えますよぉっ

な、なんなら母上も父上も…お2人が負担なさると…』


『いいじゃんっ

愛されてるんだよ、ふふっ』


今までの僕からは想像もつかない言葉

やはり本当に〝シアルの性格〟が移っているのか、話し方や感じ方、殆ど全てが違って感じる

僕ではない僕というのだろうか

分からない


『そ、そうだとしてもですっ』


顔を真っ赤にしたシュリアは

「なんでそうなるのっ」と頬を膨らませる


『じゃあ行こっか

早く行って早く終わらせて…僕はアルに会いに行って〜


シュリアは…何したい?』


『えっ…えと……わ、わたしもアルラルガ様にお会いしたいですっ』


『そっか、なら二人で会いに行こう』


『はいっ』


シュリアが元気に頷いた

僕らは城下町に下りてジュリアの魔法学校の入学準備をしに行く

魔道具や魔導書、そしてシュリアの欲しい物

集めて置いて損はないだろう


『じゃあまずは…杖かなっ

一番近いからね、お店すぐ見えてくるよ』


僕はお気に入りの魔道具の店がある

そこに今日も行く

少し古い所だけど、そこのおじさんが優しくて話しやすいのだ


『おじさんおはよ、今日ね、妹の入学準備に来たの』


『ん…?おぉ、シアルじゃないか

妹……あぁ、シュリア様か…』


『そうだよ、もうすぐ魔法学校に入学だからね

合格だって、ふふっ』


『凄いじゃないか…!兄妹で入学できるなんて…良かったな、シアル

大好きな妹さんと同じ学校なんてなぁ』


『もちろん!シュリアは凄いんだよ』


『お、おじさまぁ…て、照れちゃいますよぉ…っ』


『はっはっは…元気なお姫様だ』


そう言って店の奥に歩いていく

歩いていく

歩いていく

……歩いて…いく…


おっそい

ほんとーに、遅い

悪いとは思わないけど…

この時間少し気まずいのは僕だけかな……

そうじゃなきゃいいんだけどなぁ


『これはどうかな…きっと馴染むはずだよ

シアルと同じところで作られたものだ』


しばらくして声が聞こえた

そしておじさんの手に乗っているものは

僕の杖とそっくりな杖だった

けれど僕のと違う部分もあった

装飾が少し違った

魔石の種類が別のもの

シュリアのは治癒魔法に特化したものだった


『ヒーラーをしそうな気配がしてな』


『おじさま…凄いです、私…ヒーラー目指してて…光属性のものを練習していまして…っ』


シュリアが嬉しそうに目を輝かせた

そうだ

この子の部屋には光属性の魔導書ばかりがあったんだ

ヒーラー…パーティを組むのなら必要となる

自分が後衛と両立しても良いと思っていたが、シュリアがその気なら


アレは問題ないだろう────


『シアルが悪い顔をしているなぁ、

何を企んでいるんだい?あっはっは!』


『別に〜?なんでもないよ〜』


僕はその杖を買ってから、同じ店で魔導書を何冊か買う

片手は埋まった

まだ右手が空いてる!さぁ買いに行こう!!


『お兄様…も、持ちますよ?

私のお荷物…ですし…』


『んー?大丈夫だよ、シュリア

ふふっ、買い出しに行こうって言ったのは僕の方だからね

逆に付き合わせてしまってごめんね』


シュリアが自分の魔導書を大事そうに抱きしめる


……こんなにも優しい子を僕は…僕らは…

可哀想に

でも…許してほしい

許して…くれるかな

優しすぎるこの子のことだからきっと…

ダメだな

僕も兄になるのは初めてだから…分からないや


『い、いえっ!私の入学準備のものでっ

そのっ

あのっ

はい!!私のっ……あ、あれ…?

何が言いたかったんだっけ……』


『ふふっ…まぁいいじゃんっ

僕に持たせてよ!』


『あぁっ!お兄様待ってくださいっ

走らないで〜っ』


『ほらほら!早くっ

月、昇っちゃうよ?

僕もアルに早く会いたいんだから!

シュリアも…かっ、ふふっ』


『なぁ…っ

ち、違いますっ!違うからぁっ!!』


『そう言う割には…真っ赤だよ?』


僕は捨て台詞のように言ってから走って逃げた

真っ赤な顔で追いかけてくるシュリアは

とても可愛らしい

恋する乙女…というやつだろうか

分からないが、見てて楽しかった

シュリアの恋心はあの子にも届いているだろうか


『今日は帰ってからが楽しみだよ

アルが帰ってくるし、会えるし

美味しいものも食べれるしっ』


『ほんと…お兄様は食いしん坊っ

……私の分も残しておいて下さいよ?』


『分かってるよ〜』


この後はシュリアの制服と

シュリアの好きなお菓子や食べ物を買った

2つの太陽のうち、瑠璃色の太陽が昇り始めた……昼下がりの空だ


『……そろそろ帰ろうか』


『はいっ』


『きっとアルも待ってる』


『そ、そうですねっ…早く会いたいです』


嬉しそうに足元を見ながら城への帰路につく

王族ならば馬車くらい使っていいと街の人は言うけれど…

元から歩くのが好きな僕には要らなかった

だから行きも帰りも歩き

その時間が好きだった

好きに話して

好きに笑う

好きなものを途中で買って

寄り道して


ずっと昔に…その素晴らしさを教えてくれた人がいたんだっけな

その日から僕の世界は少しだけ広がったっけ


『お帰りなさいませ、シアル様、シュリア様』


『ただいま、ジュース…あ、ティーラさんのところ行きたかったら…行っておいで

今日はもうあがっていいよ』


『よろしいのですか』


『もちろん、僕も大切な人のところ行くからねっ、母さんたちも理解してくれるよ』


『ありがとうございます…

失礼…致します』


ジュース……この城の執事長だ

異界から態々働きに来ているのだ

獣人だが、とても優しい人だ

ティーラというのは、ジュースの世界にいる女の子らしい

ジュースはそちらの屋敷でも執事をしている

両家の任意で許可されてはいると聞いた


『楽しんでね〜』


僕らジュースに手を振ってから城に入る

他のメイドさんの案内で食卓に向かう

そこには懐かしい…

時間が経っても変わらぬ顔があった


『アル!』


『シアル様、久しぶりだね…

元気にしていたかい?会いたかったよ』


『ん?めっちゃ元気!

僕も会いたかったっ…元気そうで安心したよ』


『アルラルガ様っ、お久しぶりですっ

長い間…お待ちしておりましたっ』


シュリアも駆け寄り嬉しそうに微笑みかける

それに気付いたアルラルガはシュリアに跪いて見上げた


『お久しぶりですね…お元気そうで何よりです、シュリア様…ふふっ』


『あっ、えとっ…は、はいっ!

アルラルガ様もお元気そうで良かったですっ』


『ふふっ…アルっ!ご飯、食べよっ』


僕が呼ぶとアルはニコッと笑った

そして隣に座って「美味しそうだね」と言った


『ほんと、シアル様はご食事が好きなんだから…』


『もちろんっ、大好きだよっ』


『ほんと、お兄様はアルラルガ様の前では子供になるんですから…』


シュリアもアルラルガを真似て言った

フワッと花の開くような笑顔

2人の笑顔が見れるのは本当に嬉しいことだった

僕らは席について顔を見合せた


『再会に乾杯!!いっぱいお話しよ!』

ONEマイライフ!#34 を読んでくださりありがとうございますっ


お久しぶりですっ

忙しいと一話書くのにも時間がかかりすぎてしまって…投稿のタイミングもなくて…


待っていてくださった方も多いと思います、これからも今回のようなことが続くかと思います!

ですが気長に待っていてくださると嬉しいですっ!!


急ぎます!頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ