<#31 ミライのシンユウ>
『手を組んでいただけませんか?』
『ぇ……手を…?何に…』
僕は10歳程の少年に軽い警戒心を抱いた
少し下から見上げるような形になる
『内容は後程…と申しましたよ
「はい」か「いいえ」の二択なのです、シアル様』
(内容も知らないのに…簡単には決められないよなぁ…僕こういうの分からないのにぃぃ……っ)
「はい」と答えて惡い方へと転ぶか
「いいえ」と答えて惡い方へと転ぶか…
断れば…んー……直感信じよーっと!
大丈夫っしょ〜っ
(…………とか言うけどめっちゃ怖いんだけど)
『わかりました…っ
「はい」…そう答えさせていただきます…っ』
『本当に…宜しいんですね?』
『……はい…っ』
『本当に本当!?ですか!?』
『えっ、あっ、はいっ』
『ありがとうございます!!感激ですっ!!
では内容をお話いたしますっ』
首を軽く傾げて笑って僕の手を握った
『あっ!手を組むと言っても、悪事は働きませんよ?
その……私、予知能力者なのです…』
『……はぇ……………能力!?』
『えっ、はいっ!!それがなんだって…話でしょうけれど…その…何が起きるか、未来のことを知っているのです…
何が、とは言えませんが、未来で
貴方様と共に行きたいのです!それに加えて、私をどうか貴方様の従者にしてください!!』
そう、最後一息で言い切った言葉が
会場に響き渡った
『は……え、え?…ん?』
『だから私を…』
『わかっ……分かってます!もう聞きましたからっ』
僕は慌てて止める
すると周りがざわめき始めた────
『シアル様…あの歳でもう従者を…?』
『さすがだ…』
『きっととても優秀なお方になられると…
アルラルガも分かっているのだろうな』
と、優しいものだった
『け、けれど…アルラルガ様…
僕、強くもなければ勇気もない…
アルラルガ様にどんな未来が見えているのかは分かりませんが…もしも戦うようなものなら不可能…
そうでなくてもきっと…………』
『…アル、そうお呼びください
えぇ…それでも私は良いのです
貴方様の未来は私が知っている
だからこその、私の確信なのです…!
貴方様のお隣にいればきっと…この世界を平和に…そして貴方様の幸せを作って差し上げることが……と』
アルラルガはそう言って僕の手を握る
その後、「そして…」と続けた
『私は貴方様について行くと決めたのです
今更辞めるなんてこと…したくありません
これっぽっちもありませんっ!えへへ…
私はたとえ貴方様が何万…何億リョウ離れようとも飛んでいきます
そして守らせてください
私はこの一生涯を貴方様に捧げると誓います!』
『一生がっ……えぇ!?』
僕は思っていたよりも大きな単位に目を見開く
『良いじゃないか、シアル…
お前をこんなにも慕ってくれているのだろう?
ならばその忠誠心に応えてやるのが主の務めだ…と私は思うよ』
僕の頭に大きな手が置かれる
『ち、父上…』
父の顔はとても穏やかで優しく微笑んでいた
『な?
折角の出会いは無駄にしてはいけないよ
もう二度とない光かもしれないからね…
きっと…それを逃してしまったら、
お前は…私たち生命を持つものは皆、人生の光のうちの一つを失うことになる』
『……そう…ですね…
この特別で尊き出会い、大切にさせていただきます
アル…宜しくお願いしますね』
『はいっ!この十の年から死せるその日まで…』
そう言って笑い、手を差し伸べた
その小さな手に僕も手を伸ばして握る
硬い…
前世の姉…ソフィーナとは別の硬さだった
ソフィは労働故の硬さ
アルラルガはきっと…剣を握ってきた手の硬さなのだろう
それに比べ、僕の手はとても柔らかい
剣も握ってこなかった
持ったものは軽いものばかり
1番重かったのはきっと、書庫の本だ
『ならアル…僕も、死ぬまで君といることを誓います
だけど…「従者」「主」なんていう関係は嫌です…なので……「未来の親友」なんて、呼んではダメですか…?』
『未来の……て、照れてしまいますね…
そう言ってもらえるのならば私
とても嬉しいですし、もっと頑張れますっ
喜んでその呼び名、受け取らせていただきますっ!シアル様っ』
無邪気に笑う姿
笑顔がとても似合っている
アルラルガの日に焼けた、褐色の肌
白い礼装に映えていた
『ジェーン様!シアル様と共に…今日から過ごしてもよろしいでしょうか
もちろん、次期騎士団員として護衛致します』
『我が国の騎士団志望か…頼もしいな
期待しているよ、アルラルガ団員
シアルを…よろしくな』
『はいっ!』
アルラルガは元気に返事をしてから
「ありがとうございます」と頭を下げた
『お、お兄様…』
『おっ、シアル、シュリアが呼んでいるよ
行っておいで
私はもう少しアルラルガ少年と話がしたいからね』
『分かりました、では…失礼します
アル、また後でお会いしましょう』
僕は一礼してからシュリアの元へと向かった
『お待たせ、シュリア
あれ…「お兄ちゃん」呼びじゃなくて良いの?』
『母上が「人の前では…」とおっしゃっていましたので…』
『そっか…それが良いよ、えらいえらいっ』
『えへっ……』
僕はシュリアの頭をそっと撫でて微笑む
その時僕は、こっそり父とアルラルガの会話を聞いていた
『ジェーン様……あのことなのですが…』
『あぁ…まだ先のことだが……
一応計画は進めているよ…だから安心したまえ』
『…ありがとうございます、それともう1つ別の件で…知っておられるのですか?シアル様ご本人は…
婚約者のこと────』
#31を読んでくださりありがとうございますっ
ONEマイも、気付いたら想像もしていなかったユニークアクセス数、PVに届いてしまって…感激すぎて目が海になりましたよ……っ
本当にありがとうございますっ




