<#2 所詮…私たちは>
保管棟の広間
どこかの城の内装のような場所
№0達には似合わぬような空間
実験体3人が集まっていた
『№1ーっ、あー、違う違う、暦ー!!!!』
『何!?うるさいんだけどッ』
『今日ねぇーー!!また新しい子!くるみたぁぁぁぁい!!!』
『っせぇぇぇっ!!耳元で叫ぶな!あほ!
え、ぁ…そなの?』
『新しい子、?』
実験は2日に一度程の頻度
それに比べてほぼ毎日のように呼び出される日々
その内容の殆どは、新しい子…だ
№0からはもう既に11体作り出されている
今回で12体目だった
『うん!№12!!覗き見しちゃったぁ〜っ』
『メアの能力…その目隠し意味あるの?』
『あるよぉ?たしかに隠しててもみんなと同じくらいの能力値を出せる…けどね、外すと怖いよぉぉっ、鬼さんきちゃーうっ!きゃはははっ』
無邪気な笑い声は呼び出しベルに掻き消された
『じゃ…行こっか』
『これさぁ、人数増える度にお部屋ギュウギュウになっちゃうよね』
『だねぇっ!メアそれ見てみたーいっ』
そんな他愛の無い会話が不気味な静けさを放つ廊下に転がる
いつもの部屋
カフェを連想させる部屋は今日も埃ひとつなかった
『五月蝿い…もう少し静かに来れないのか』
『俺達はオハナシが大好きなんでね』
『灯向《実験体達》はお喋りになる傾向である〜っ』
2人はドヤ顔でそう語った
『はぁ…馬鹿め』
『今日も新入りだ、№12 アリス だ』
アリス…
そう紹介された者…いや、者達はゆっくりと振り向く
鏡に写ったように見える程そっくりだった
だが性別は違った
初の♀︎だ
男女1人づつ居た
『よろしく…僕は№0《オリジナル》の灯向だよ…灯向って呼んでくれると…嬉しいな』
『メアだよぉ〜、コイツは暦!性格悪いけど許してネ』
『あ"?』
№1は不機嫌そうに№5を睨みつけた
無表情のアリス
服装も髪色も…あの童話を連想させた
『…№12 アリス よろしく』
『…№12 アリス よろしく』
怖いほどにぴったり重なった声だった
『名前…は?』
『ないわ』『ないよ』
ズレた
『…なら…女の子の方は、んー…あーちゃん、男の子が、あっくん…はどうかな…、、?』
『あーちゃんとあっくん!!』
『…』
2人は顔を見合せた
ハートトランプのあーちゃん、
ダイヤトランプのあっくん…
気に入ってくれるだろうか
『そうね、いいと思うわ』
『そうだね、いいと思う』
この短時間であだ名をつけ、少しは仲良くなれた…筈だ
『あーちゃん達に案内するよ、此処を』
『あら、助かるわ…』
『…』
2人を連れて部屋を出る
まずは…と2人の部屋に案内した
場所は保管棟の広間に記されていた
増える度、機械を通して更新されるらしい
『ここだよっ』
その場所はまるで絵本のアリスの世界だった
キッチン…そして数人が座れるカウンター席に個別席
そして小さな広間
多くの人を集めること、それを予知するかのように…
その奥には2つの扉
片方はあっくんの帽子に付いているダイヤが
もう片方にはあーちゃんの帽子のハートが
描かれた板が、可愛らしく飾られていた
『あら…可愛らしいわ』
『だね、部屋…分けられてるんだ…』
『…キッチン…皆に料理を振る舞え…ということかしら、私は嬉しいけれどね』
『あ、あーちゃんの料理、食べたい…っ』
『僕もっ』
『メアもメアもぉっ』
『俺も』
№5はキッチンに体を乗り出し
№1は小さく手を上げる
みんなが周りに集まる
♡№12の口元が緩む
喜んでいるようだ
『いつでも…食べにいらっしゃい?
何でも作ってあげられるわ』
任せて、と微笑む
『……』
賑やかな雰囲気
ここは本当に…
『あはっ!見てみて!可愛い棚ある!』
№5が小さな棚を見つけて再び身を乗り出す
『ふふ〜ん』
軽い足取りで棚の横に行く
そしてガサゴソとカバンを漁ると、カバンの大きさには合わないほどの人形が出てきた
『めっちゃあるし…てか、あれ?
これ灯向そっくりじゃん』
№1が№0にそっくりな人形を手に取る
よく見ると、それぞれがここに居る者と似ている、再現度は驚く程に高かった
『ふっふっふ〜
これメアが作ったの!これからあーちゃん達も作るよっ』
作る…そう言って人形を棚に並べた
『作られた奴が…また別のものを作る…か』
棚に並べ終わった№5は満足気だ
それを見て皆が目を輝かす
それぞれが自分の人形を見て可愛がった
『可愛い…え、すごいすごいっ
メアすごいよっ』
№0はメアを勢いのままに抱き締める
『えへへ〜っ、メアは凄いんだよぉ〜』
ドヤ顔で語る№5
皆がその姿に、幸せを抱いただろうか
それとも___
誰も知ることはないだろう
『ねぇアリ…、、あーちゃんとあっくんっ』
№0が話しかける
『何かしら』
『…君たちは…どんな生活したい?
僕たちはいつも…トランプとかのカードゲーム…お話とかお絵描きしてるっ』
№0は№12に話しかける
2人は首を傾げた
『何…言ってるの?』
『私たちは実験体…それだけをこなせば…』
『え、と……』
戸惑う№0を見て不思議そうな2人
『ぼ、僕らだって生きてるんだっ
だ、だからさ、
楽しも?ね、
みんなで遊ぶの、楽しいよっ』
『そうかもね…でも』
5人のいる明るい空間
その中で№0、№12達だけはその空間から、ほど遠かったろう
また一段と重くなる№12の表情《顔》
低く…落ちるような声
『所詮…私たちは、機械仕掛けの使い捨てよ』
『使い…捨て…で、でも…!』
『ねぇねぇ!!』
重なるように声をかけた№5
『…!え、あ、な、何…?』
『お腹空いたっ、あーちゃんのご飯食べたいっ』
そう言ってキッチンを指さした
『…えぇ、そうね、もうそんな時間なのね』
12時を指す時計を見る
『何が食べたいのかしら』
『んー、オムライス!』
『俺も食べたい!』
№1も手を挙げて笑顔で答える
『僕が…好きなやつだ』
№0が呟く
もちろん、当たり前のことだ
あの実験体《子供》たちは№0のclone
故に好物も受け継がれている
『…私たちにも、好きなものを食べる権利、あるのね』
『…?もちろん!』
№5が無邪気に笑って頷いた
『ONEマイライフ! #2』を読んでくださりありがとうございますっ!
まだたったの3本、そして#2……。
もうストックに追いつかれそうです!!
ですが作者、頑張りますっ!
新キャラちゃん達も待機しているので、灯向達の物語を少しずつお届けできたらなと思います!
読者さまに届けたい一心で書いておりますので、これからも見守っていただけると嬉しいですっ!




