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<#26 馬鹿でいいよ、僕は>

『がはっ……あ"っ……』


自動的に発動する結界が無ければきっと……

いや、考えたくもない…

体の芯に響くような痛みが走った

瞬きもできないくらいの勢いで飛ばされた

先程までいた場所は、もう豆粒のようだ

砂浜にはボートが見える


『っ……いだっ……ぃ…っ』


それがやっとの事で言えた言葉だった

「痛い」なんて言っても、治るはずはない

それでも僕は、何度も何度も呟いた


ヒュッ!ヒュヒュッ!!


パリッ……


連続で飛ばされてくるような音が一瞬聞こえた

でも僕にはそんな反射能力なんてない

光るものは自動的に発動する結界を貫いた


当たり前のように体が軋むような感覚と共に何かが当たる

その衝撃の次の瞬間には

もう僕は地面に向かって落ちていた


背中に当たる空気が固くて痛かった

いつもは何も感じない空気

今はそれに潰されそうだった

お腹がゾワゾワする…気持ち悪い

でも僕の目にはしっかりと映った

中に浮いて、大きな杖を持った女の人…


杖の先をこちらに向ける

光が集まり、結界に似たようなものが

幾つも現れて、全てが僕をじっと見つめた


カラン……


そんな、さっきも2度聞いた音がする


(あいつだ……っ)


さっきから僕を痛めつける奴…酷い人…

誰…ルズリオの仲間…?


シャーン…パリンッ……

  シャーン…パリンッ…


氷のようなものが飛んできては結界が張られて割れる…それを何度か繰り返す

視界の端に木の葉が見えた


(あ…もうすぐ地面に………

死んだ…僕、死んじゃうんだ…っ

痛いのは嫌だ…また……そんなの…)


手が震える

もう足の感覚は無かった


キィィーーン!!シュッ!

  パリーン!ドォォーーーン!!!


遠くで聞こえてくる音

ソフィの方だろうか

そっちにルズリオでもいるのだろうか


今更過ぎるかな…


何故僕らを殺しにくるのか

何にそんな怒っているのかな…って

思ってしまうのは────


僕はダメ元で地面に向けて結界を張る

でもほぼ無意味だってことは解っていた


シャ……パリン! ドンッ……


『あ"っ……か"っ…』


地面に思い切り叩きつけられる

結界も思った通り、すぐに割れて粉々になった

身体中が痛かった

右腕に違和感と痛みがあった

恐る恐る頭を動かして見た


ありえない方向に曲がっている───


『い"っ…あ"ぁぁ…!!か"っ…う"ぁ"…!』


涙が出る

鉄の匂いが僕を包み込む

奥歯を食いしばりながら、曲がった右腕を抑える

腕に指が食い込む


痛い

痛い

痛い

刃で切られたあの時よりも…


「うるせぇ!!黙れジャマモノ!!」

 ヒュッ…サッ……ぽたぽた…っ


『あ"ぁっ!!うあ"ぁっ!!』


痛い

痛い

痛い

頬を叩かれたあの時よりも…


「近寄るなバケモノ!!気持ち悪い…!!」

 パシンッ! ガタッ…ドサ……


『あ"……ソ…フィ"……』


痛い

痛い

痛い…っ


痛みで意識が遠退く中

走馬灯のように記憶が頭を過ぎる

声ももう出ない

ただ、意味もなく吐息だけが空に昇る


 カサッ…カサッ……


足音が近付いて来る

途切れ途切れの呼吸音の中で

ほんの少しだけ…聞き間違えなんじゃないかって思うくらいの小さな声で何かを言った


 『……の…時……ば………

    お前は馬鹿だ』


「お前は馬鹿だ」という言葉だけがはっきりと聞こえた

分かってるよ

分かってる

何してるんだろうね…

僕にもそれは分からない

でも…馬鹿だってことは…分かってる

理解ってるの


 『お前は家族を絶望させた』


なんの事だよ…僕さ…

まだこの世界に来て2ヶ月なんだよ…

知らねぇよ…


家族……その単語に僕の視界が滲んだ

ホロホロと暖かくて冷たいものが頬と耳を伝う


誰だよお前……僕は……僕は……


 『折角良くされて生きているのに』


あぁ……そうかもね……そうだったよ

▙▒▚▒くんにだって良くされた……

メアにも……由武くんにだって…

他のみんなにだって……っ

それなのに僕はそれを無視して被害妄想を並べて


逃げた


これ以上の事実をどうやって並べる

分からないよ


 カラン…ピシ…ッ……ヒュッ!!


またそんな音がする

そんな事を無視して僕は涙を流し続ける

もう何もかも嫌だったからだ

死にたくない

でも…早く死んでしまいたかった

辛かった


何が辛いのか?


それは知らないよ

僕は知らない

ただの「辛い」だ

特に意味は見出だせない言葉

誰にも届かない言葉

誰もが知っていて…誰も知らない言葉だ


ほんと……僕は馬鹿だよ

お前の言う通りだよ

分かってるからさ…もう、言わないでよ……何も

思い出しちゃうじゃん

幸せだとかいうやつ…


僕は目を閉じた

その時だった

一瞬、僕の体が光った気がした

ふっと体が軽くなる感覚があった


瞬きをするうちに、周りの景色が変わっていた

もう何が起きたかなんて

考えることもできずに再び瞬きをした


目を開いたときには

ふわっとソフィの髪が揺れていたのを覚えている

けれどその後の記憶はなかった───


次に目を覚ました時には

空が少し青くなっている頃だった

星も月も白く薄れていた

体は不思議と痛くなくて、曲がっていたはずの右腕は治っていた

周りは静かで、どこかで鳥が鳴いた


立ち上がる

随分と長い間寝ていたのか、体が重かった

ハラ…と花びらが舞うのが見えた

顔をあげる

そこには

一面色鮮やかな花畑が

どこまでも…どこまでも…


海のように広がっていた────

『ONEマイライフ!#26』を読んでくださりありがとうございますっ


 なんか…あとがきで次回予告だとか…そんな感じのができれば良いんですけどねぇ…作者の文章力とか色々無さすぎるのと面倒くさがりなので、まだ一度もしたことないですね、あとがき


 皆さん…次回予告とかあった方が良いですかね…

どうなんですかね、、

…次回もよろしくお願いしまーす…とかで終わらせたぃ

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