<#21 次へ>
『ココだ……』
〖◣へぇ…こんな場所あったんですね…
あ、ここ私が壊した扉じゃないですか◢〗
『えっ?周逸さんが壊したの!?』
〖◣えぇ、もちろん
以前私ガ暴れた時ニやらかしマシた
直すの…大変ダッタンデスヨ◢〗
徐々に元の姿に戻っていく
『も、もちろんって…』
ペンギンさんと言葉をかわす時すらも…
僕は扉から目が離せなかった
ペンギンさんが壊した扉だと言うのに
何故だか特別に感じた
何故だろう
僕には分からなかった
『え、壊れてる……んだよね?
これ、入っても大丈夫そう……?』
〖◣大丈夫大丈夫…オソラク…
マァ、何カアレバ私が封鎖シテオクノデ
ゴ安心ヲ……◢〗
『全く安心できないんですが!?』
そこで会話は途切れた
何分…いや、何十分その場に立ち尽くしていたのだろうか
時計も日もないから何も分からなかった
たまに崩れる小さな欠片を見つめながら
ただぼーっとしていた
ずっとこうしていてもいいような気がする
静寂の中、不意に音が響く
すれ……いい……も…
して……ば良かっ……もう…
(話し声かな…)
耳をすましても上手く聞き取れなかった
僕は一旦その情報は飲み込んだ
そしてドアノブに手をかけた
カチャ……カラカラ…
ドアノブを下ろすと欠片がいくつも転がり落ちた
扉を引く
淡い光が揺れている
その先は何も見えない
1歩踏み出してみる
水の波紋のように足先から輪が広がる
『……大丈夫…大丈夫……もう一度…少し頑張るだけだよ…灯向…っ』
そう言い聞かせて
思い切りその光に飛び込んだ
〖◣行ッテラッシャイマセ◢〗
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光に包まれる
優しい感覚だった
重力なんて感じない
暖かくも冷たくもない
寒くも暑くも
何も聞こえない
なのに心地よい音…
矛盾だらけな空間だった
閉じた視界は当たり前のように暗い
なのに明るい
徐々に自然の光が閉じた目に届く
少し焼けるような
疼くような感覚
『お辞め下さい…!!』
不意にそんな叫び声が聞こえる
微かに悲鳴も聞こえた
始まった……第三の人生…
やってやろうじゃないか……!!
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『陛下!お辞め下さい…!この子は何も…!』
パッと目を開けた
ハッキリと見える
ハッキリと聞こえる
そんな目に入ってきた部屋
そして耳に入ってきた声
部屋はとても豪華なところだった
煌びやかに装飾され、大きな窓に大きなベッド
どうにも場違いな部屋だった
けれどそんな場所とは思えない程の声
悲鳴に叫び声に泣き声
耳が痛い
『ルズリオ様…お願いします…おねがい……っ』
1人のメイドが、怪我をしている他のメイドを庇うように前に出て腕を広げている
その体は小刻みに震えていた
怖いのだろうか
そう思ってそのメイドの視線の先を辿る
『ひっ……』
大きな体の男
血の着いた拳に剣…
高貴な服を纏っていた
ルズリオ陛下、そう呼ばれてた男は
この場の空気すらも支配下とでも言うように佇んでいた
シャッ…ビチャビチャッ!
『っ……キャーーっ!!!』
『ディーナ!ディーナ!!』
『キャッ!て、てあ、包帯…手当て…!』
悲鳴と共に真横のメイドが倒れた
次の瞬間、瞬きをしたら僕の視界は真っ赤だった
顔に何かがかかった
鉄臭い
頬に触れる
ヌルッとした感触
反射的に目を瞑ったけれど
それは目に入っていたらしく、すごく痛い
やっぱり……異世界、第三の人生だからって
幸せで始まることはないんだな
僕は理解したよ
それでも生きてみよう
生きてみたい
ただ、それだけでどうにかなってくれないかな
『ONEマイライフ!#21』を読んでくださってありがとうございますっ
今回は投稿予定時刻が大きく変わってしまい、申し訳ありませんでした
待たせておいて、お話も短くなってしまったことにも反省です…
それでもこれからも応援してくださると幸いです…っ




