<#18 分かってるの、───では>
〖◣コチラでス…◢〗
『え、えぇー…』
先程までとは違う
とても高貴で大きな扉が目の前に現れる
✧• ──────────── •✧
『……なんかどんどん地下に行ってる…
なにかあるの…?』
〖◣エェ…私がスッポかシタ用事ガ…
キット私モ怒ラレテシマイマス◢〗
地下への階段を歩く
途中まであった窓はなくなり、電気だけが光る
窓が無くなったところで地下に入ったとわかった
✧• ──────────── •✧
大きな扉…
金や赤などで描かれた模様が眩しい
『……ま、ば、場所違い…じゃない…?』
〖◣イエ、間違ッテナドイマセンヨ◢〗
そう言うと
ペンギンさんの背後の大きな大きな扉が開く
ガチャ…ドドドドド……ドォーーン
ただ見上げることしかできない
なんだこれ…大きすぎるし…怖ぁ…っ
『ひっ……やだやだやだやだっ、は、ほ、ほんとにあってんの!?』
僕はペンギンさんの肩らしきところに手をついて揺さぶる
〖◣アババッ、アッ……アッテ…アッテマスヨォォ◢〗
揺さぶっているせいか、声が震えている
〖 ……騒がしい…静かにしておくれ 〗
そんな声が響いた
ビクッと体が飛び跳ねる
そしてゆっくりと振り返る
広い広い大広間の奥
玉座のような大きな椅子に座っている女性の姿
玉座を囲うように立っている木製と思われる柵…
その下に並ぶナニか達…
〖 妾の前にその愚かなる姿を見せるでないわ 〗
うわーーー…嫌いコイツ!!!!
〖 ん?あっ!しゅーいちではないかっ!
なんだ?妾の迎えに来たのか?照れるでは…ないか…… 〗
〖◣イイエ…田邊 灯向様ノ到着ノご報告ニ◢〗
ペンギンさんはそう言って近くに寄る
そして僕に手…ヒレ?羽…?招きする
『あ、えと…』
アタフタとする僕を見てため息をつく
けれどこちらに戻ってきて僕の背を押す
『えっ!?あ、あっち、い、行くの!?
あの人のところ!?』
〖 なんだ、妾の元へ来るのはそんなにも不快か?なんと無礼なやつだな…しゅーいち、妾の前から此奴を消すのだ 〗
急に不機嫌な顔になって、持っていた扇子をヒラヒラとさせてみせる
パチンッ!と閉じると「消せ」と命令口調…
『……ペンギンさん…僕あの人…きらぃ…』
〖◣本当ニ消サレマスヨ◢〗
『んぅ……でもぉ…』
僕がそんなことを言っている間も睨みつけてくる女性…
…誰
『あ、それと…あの人だぁれ?』
〖◣アノ方ハ…
夢を司ル女神───龍緋那龍緋那サマ
コノ場所…天国と地獄の狭間ノ最高管理人◢〗
〖 そうよ、妾は神だ!妾に逆らう者は消してやろう!感謝せよ! 〗
(ヤッバイ奴だ!!)
龍緋那…そう呼ばれた女神はドヤ顔で僕を見下ろす
そしてすぐにペンギンさんを見てうっとりとした表情になる
あ…あー、あーーー……
その時…灯向は思ったのだ
「…コイツ…自称なのでは?」、と────
『女神………え、自称じゃ…なくて?』
〖◣言ウヨウニナリマシタネ…アナタ…◢〗
『……?僕…元から喋れるけど…』
〖◣ソウイウコトジャネェ…ナイデスヨ◢〗
〖 妾を置いてなんの話をしておるのだ、この愚者めが 〗
『…酷い!酷いよ!自称女神サマは認める!でも悪口言っちゃだめっ』
〖◣ハァ…人ノコト…言エルノデショウカネ…◢〗
『うっさいっ』
僕はもう素の自分となって自由だった
楽しかった
ずっとここに居てもいいとも思った
僕にとってはここが天国だった
これ以上は望んでいない
自分が自分でいられる場所に居たかった
僕は僕だ
だから本当の僕でいられない場所はいらない
そんな場所になんて…いたくないよ
でも──────
『帰りたい……』
気付いたときには、僕はそう呟いていた
小さな小さな声で…言った
〖◣ドウシマシタ?◢〗
ペンギンさんは少し首を傾げながら言う
『ううん、なんでもないの、独り言っ』
僕は首を横に振って笑う
本当に…独り言だから
〖 ……そうか、そうか…ならば帰らせてやろう…だが、お前は地獄行きだろう?
そして罪人…
ならば妾の命令を聞かねばならぬ
いや、聞け、聞くのだ!
〝永遠の生の罰〟を下してやろう! 〗
『は……?』
〖◣ハ?ジャナイデ……◢〗
『うるさい……っ』
〖 お前は生の苦を誰よりも多く与えてやろう…お前の罪は特別大きなものだからな!
妾が直々に罰を下してやろうぞ!! 〗
『そんなこと……僕が何をした!それがまず知りたい…っ』
僕はそう叫ぶ
先程からいる、龍緋那の元に並ぶナニかが
一斉にこちらを見る
同時に…気が悪いほどに同じタイミングでだった
僕の顔がピクっと引き攣るのが分かる
僕は何をした
幸せを求めただけ…
それ以外に何を………………
いや、そう思いたかっただけだ
分かってる
解ってる
理解っているんだよ…でも……っ
でもさぁ……っ
辛いよ……
僕の頭には〝あの日の光景〟がハッキリと映る
涙が出る感じ…鼻先が少しツンとする感じ……
すぐにジワッと視界が滲む
〖 お前は人殺しだ、人殺し…肉体的にも…精神的にもだ!それを理解していない…お前は本当の愚者だ!
愚か……愚か……愚かだ… 〗
嘲笑混じりの声
ズキッと頭が痛む
黙れ…
黙って…
僕を1人に…もう思い出させないで!
嫌だ!
分かってることを言うな!
(……え……あれ……?うん…え、でも…)
肉体的…それは理解している
けれど〝精神的にも〟…?
なんの……こと…?
『ONEマイライフ!#18』を読んでくださってありがとうございますっ
これからも頑張って参りますので、コメント等で応援をよろしくお願いします!目指せ書籍化!!




