<#17 新しいおともだち>
『ほんとーに地獄行きなの?』
〖◣ソの通リデス…早ク歩イテもラエマス? 仕事…長引キマス◢〗
そう言ってスタスタと…いや、スーッと滑るように移動
紫に光る通路へと向かった
紫に光る地獄なんて見たことない
…その前に死んだこともないや
『地獄って…何するんですか』
〖◣扉を選ンデモライマす◢〗
『へぇー…なんで扉?自分で選んだ苦を体験しろって言うこと…?』
〖◣簡単ニ言えバ…エェ、ソウデス◢〗
『なんでも良いの…?扉』
〖◣ハイ、お好キなモノヲ…◢〗
そんなことを話して歩く
通路に入ると長い廊下が続いていた
窓ガラスから見えたのは壁だけだったのに…
けれど見た目よりも短かった廊下
すぐに別の部屋への扉が見える
『この先…?それとも…これですか…?』
〖◣コの先デス◢〗
そう言って扉を開く
すると想像もしていなかった世界が広がっていた
洞窟…
広い広い洞窟…
黒い岩壁には紫に輝く宝石…
それと混ざるように幾つもの様々な種類の扉
少なくとも…
ボクの知っている地獄ではなかった
『…こんな綺麗な場所が…地獄?』
〖◣モチロンでス、ココが地獄…エェ、地獄デスヨ◢〗
「サァ」とボクの背を押して中に入れる
思った以上に広い空間
奥にはまた別の通路、分かれ道…
沢山歩いているナニか…
この人たちも自分と同じ…地獄に来た人たち
…にしても選択肢多くない?
『え、こ、この中から選ぶの…?
というかさっきから思ってるけど…本当にここ地獄?思ってたんと…違うの…』
周りを見渡しながら言う
〖◣コチラも先程カラ言ウヨウニ、ココガ地獄デスヨ…話聞イテクダサイ◢〗
『聞いてますよっ』
敬語使うのも嫌になるや…
『時間制限とか…あったりするの?』
〖◣イエ、何日デモ何年デモ…ッテ感ジデスよ◢〗
『いや、何年もいるつもりないから…
……あ、そうだ…自分で選んだ苦ってどんなやつなの?どんな罰?罪の重さで変わってくるのかな…あ、その前にボクの罪って何?心当たりは無いんだけど…
あっ、え、あー…んー…』
深く考えてはみるものの答えには辿り着かない
(だって心当たりとかないんだもんっ)
〖◣ア、忘レテマシタ、先ニ行ク場所…◢〗
『は…え?』
〖◣ハイ、忘レテマシタ◢〗
(うわぁーお…仕事減らしたい減らしたい言うくせに自分で増やしてやが……増やしてる!)
〖◣…サッサと戻ッテクレマセン?◢〗
そう言ってボクを見上げる
金属質の体が宝石の光を反射して紫色だった
可愛い
『ふふっ…はいはい、今退きますよー』
〖◣ナンデス?蹴落トシマスヨ?◢〗
『うわ、こわっ』
言われた通りに先を歩いて通路に出て
端に避けた
(なんか…ここにいると素に近い自分になれるなぁ……)
『…先に行く場所って…どこ…?どんな場所?明るい?暗い?高いとこ?地下?それともこの窓から見える下の階?』
〖◣質問攻メは嫌イデス…メンドクサイ…◢〗
表情の変わらないはずの金属の顔
でもそれが嫌な顔をしている気がする
わかる!ボクもめんどくさい!!
仲間だね!☆
『あはは…まぁ、とりあえずついて行けばいーい…?』
〖◣ハイ、デモ…ハグレナイデくダサイネ?
ココはトテモ広イデスシ…◢〗
あ、心配してくれるんだ…
〖◣探スのダルイノデ◢〗
前言撤回するねっ!ウザっ!
初めて人にこんなウザいと思ったよ!うん!
『酷いなぁ…めんどくさい、からダルいに進化…退化?してるしっ』
〖◣退化…ナラアナタも退化サセマスね◢〗
『あははっ、それは違うってぇっ』
あ、今ボク………僕心の底から笑えてる
少しズレた感覚が戻ってくるような…
フワフワしてる感じがしない…
-̀͏̗ 楽しい ́͏̖-
〖◣…ハァ…話変ワリマスガ…
何故アナタはコノ歳デ?
…コチラは死因等、生き様ハ既知シテイマスケド…
態々確認スルノメンドイのデ◢〗
『めんどくさがらずにやりなよぉ……
んー、まぁ…色々あってね…辛かった…
ただただ…〝キレイ〟を見たかった…
会いたい人がいた…会えると思った…』
〖◣……ソウ…デスカ…
チャント説明シテモラエマス?
色々じゃ理解理解リマセン◢〗
『ウザぁい…君ウザイよぉ…っ』
絶望的にウザい
嫌だこいつ!!
やだぁぁっ
でもここが本当にボクが僕でいられる場所だ
きっと…そうなんだ…
イジメも…お母さんたちから殴られることも…ない……
幸せ…
そうだ、幸せなんだ…今、僕は…っ
『…それでさ、どーでもいいこと言うね』
〖◣ドウデモイイノナラ無視シマス◢〗
『別にいいけどぉ…ペンギンさん、ペンギンなのに足ないの?フワフワ浮いてるだけ?』
僕はペンギンさんの足元を見て言う
青い光を纏って浮いているだけ
ペンギンならヨチヨチ歩きとか見たい!
〖◣足生ヤセマスケド、余裕デスガ?◢〗
『めっちゃ話聞いてんじゃん』
そう言うとペンギンさんはどういう仕組みか、足を出現させた
そしてそのまま歩いていく
よちよち…ぺたぺた…
よちよち…ぺたぺた…
『……………』
いや、おっそーー
うん、おそーーー
『ペ、ペンギンさん…やっぱいいや、浮いて』
〖◣アナタがヤラセタンデショ◢〗
『………だね☆』
『あなたにはいますか?ありますか?
あなたがあなたであれる人…そして場所…
無いと思うのなら、探してみてください。
必ず…必ずありますから…。』
これは作者の先生からの言葉です。何年も前に教えてもらいました…今でもずっと信じています…。
いかがです?あなたも…探してみては、、。




