表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/20

<#15 追いつけない>

探している…

ボクらを殺すために…

なんで

なんでよ、

は?

ボク死のうとしただけだよ…?

逃げたかった…だけなのにさ…

おかしい

おかしいよ

(なんでよ…っ、ボクは何も悪くない…なのに…!!)

ギュッと服を握りしめる

湿っている

血と水が服に染み込んで、マーブル模様のようになっている


『おーい、そっちいるかぁ〜!!』

もう1人、若い男の声

人影の男は動かない

返事もしなかった

ただこっちをジッと…見つめている


『…っ』


目が合った

目は見えない…けれど、そう感じた

声を出さないように口に手を当てて声を抑える

ギュッと目を瞑る

わけも分からずこんなことに巻き込まれるなんてごめんだ…


『あ"っ…』


 ボタボタボタボタッ


すぐ隣に…ボクの足元に液体が滝のように落ちる

『へ………』

目を見開く

見上げることは…できなかった

暗闇に慣れた目に映るのは

何故かすぐそこにある男の足元

そして徐々に赤く染まる地面に溜まった水


水の落ちる音すら聞こえなくなるほどの緊張

男の足元が見えてから

バレた、ということを理解するのに時間がかかった


指先が震える

そこで初めて思った

(ぁ……生きてる……)


 グサッ!グチャ…ドスッ!

    ボキッ…ボキッ…グチュ…グサッ!!


生々しい音が隣でする

耳を塞いでいても指の隙間を縫って耳の奥に響く


『ルニ"ッ…ガ……にげっ…』


微かに聞こえる声

苦しそうな声…

異常な方向に曲がった腕をのばして洞窟の入口を指さした

ボクはそれを見ても立ち上がれなかった

ただただ…姿の変わっていく兄を見つめていた


『はやく……っ…おねがい"……』


ボクはようやく立ち上がった

そして洞窟の外…光の方へと走り出した

自然と自分の口角が上がるのがわかった

でもきっと綺麗な笑顔ではない


『はぁ……はぁ…っ…はっ…ぅ…はぁ…っ』


何度も足を動かす

小さな体では歩幅が小さくて

なかなか前に進む感じがしない

でもどんどん光がボクを包む


『あは……ははっ……あはははっ……』

顔が引き攣る

後ろは振り向かない


 ドスッ!ブシャッ!!


『う"っ…あ"…ぃ……』

視界が画面を切り替えるように

外の光から黒い地面に変わる

ドンッ、と痛みが走る

よく言う電流のように…なんてそんなんじゃない


視界にはあともう少しで届く光に手をのばす

地面を這うように前に進む

痛い

動く度に痛みが走る

吐きそう

フラフラする

貧血……かな…痛い…痛い…気持ち悪い…

頭痛い…嫌だ…死ぬなら…早く……


どんどん目の前が暗くなる

ブレた視界も戻らない


   『おにぃ……ちゃ…』


誰の声だろう

知らない声…

幼い声


   『ルニ…ごめ…ね……』


✧• ──────────── •✧


目が覚める

さっきのは夢だったのか

分からない

でも…明るい…


手を動かすと痛みはなかった

シーツがズレるような音と感触がした

『……』

息ができる

気持ち悪くも頭痛くもない

特に何も感じなかった


『あぁ、この子達か…

確かに、聞いた通りだったな…』


そんな声が聞こえる

お年寄りの男性の優しい声…

…なんだろう…体が上手く動かせないな

白い服…着物……?

そんな感じの服装の老人


『私はあの洞窟から50リョウほど離れた場所にある小さな町の医者だよ


説明臭くなってしまったね…大丈夫かい?

気分はどうだい?』


声が出ない

疲れ切ってしまったのだろう


『……返事なんて…来るはずないだろうに…

私は何をしているんだ…


……街に差し出すか否か…』


独り言だろう

そう言って何か作業をしている

カチャカチャと金属音がする


『はぁ……私もこんな仕事は嫌だな…

医者だけだったら良かったのに…』


そう言ってこちらに近付く

そして隣の台に移動した

『……君も大変だったなぁ…私はあいつらのように残酷なことはしたくないんだ…


綺麗な状態で家族の元に帰そう…』

少し何かした後、ボクの方に振り向いた


『やぁ…君は……まだ起きてるんだね…

可哀想に…痛いだろう…苦しいだろう……


大丈夫だよ…ゆっくり…


最愛の兄とおやすみ…』


医者はボクの顔に手を近付けた

そして目を覆うと、ゆっくりとボクの瞼を閉じた

なんだか体が軽くなった気がした

夢から覚めるような…そんな心地だった


なんだったのだろう…さっきまでのことは…

走馬灯でもない何か…


いや、もうそんな事どうでもいい…

もう永遠の眠りにつけるのなら…それで…


さよなら、よく分からない世界…

さよなら…みんな…

ありがとう


初めまして…死の世界……

『ONEマイライフ! #15』を読んでくださり、ありがとうございまぁっす!!

テンションが地味ぃっに高い、ともでーーっす!


……ということでですね!

世界観ぶち壊し作者(自称)が今日もやってまいりました!(?)


急展開の多い『ONEマイライフ!』ですが、いかがでしたでしょうか?


この先も、作者自身が「え、そうなるの!?」となるような展開があるかもしれませんが……

「ついていってやるか!」という方がいらっしゃいましたら、大歓迎です!!


これからも、よろしくお願いしますっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ