<#11 お昼寝>
パサ…
起き上がる
窓の外を見る
昨日と同じ晴れ、青空
同じ形、場所に浮かぶ雲
ここに収容されてから約半年間…
雨も曇りも見たことはなかった
コンコン
『ヒナタ…』
№5の声
いつも起こしに来てくれる声
(昨日は変な夢見たな…えと…忘れちゃった)
カチャ…
『よく眠れた?』
『……うん』
『そっか…良かった!』
僕のベッドに腰掛けた
笑っている
(今日は髪…結ってるんだ…
あれ、思ったより似合ってるな…)
「ふふっ」と声がこぼれる
『元気そうでよかった……
メアね?ずっと君のお隣いたのっ』
『……うん』
なんだろう
思ったように話せないな…
寝すぎた…かな
№5が立ち上がるのをなぞるように見上げる
あれ…背が伸びた…?
髪も昨日よりすごく伸びてる…
成長早くなってるのかな…
『…背……伸びた…』
『えっ?』
僕は№5を指さす
『あ、メア?うん!伸びたの……』
なんだか寂しげだった
『そっか……髪も…?』
『うん…そーなの……』
そう言って頷く
『……みんなは……?』
今日は声が聞こえない
『戦争、』
『………へぇ…そっか…』
素っ気ないな、自分でもそう思う返事
嫌い
『戦争か……そんなもの…壊してしまえばいいのに…』
ザザッ─────────
『灯向!!!』
名を大きな声で呼ばれてビクッと跳ねる
振り返るとそこは…
空が真っ赤に染まった…焼け野原だった
血の匂い
肉や葉の焼け焦げる臭い
息が上がっている
ボトッと何かの落ちる音
足元を見る
ナイフだ
視線が高い気がする
身体が重い
なんだ
なんなんだ
なぜ急に…
混乱する
さらに息が上がって、視界が揺れる
そして指の先や頬が痺れる
『灯向!避けろ!!』
誰の声だ
微かに№1の面影のある声だ
僕はそのまま立ち尽くした
ドスッ
そんな音が聞こえると同時に痛みが走った
手足の強ばる痛みだ
痛みの走った部分の服をギュッと
千切らんばかりに握りしめる
チクッと何かが手に当たる
黒光りするものだった
徐々に服が湿り始め、手にはヌメっとした感触
ザザッ…ザッ───────
『ヒナタ?』
キョトンとした顔の№5の顔が目の前にある
どこも痛くない
明るい部屋の中
ベッドの上
『……は…?』
え…何今の…何…
『だ、大丈夫…?』
優しく手が握られる
『だいじょぶ…変な夢見たから…そのせい…』
(…だと思う……多分)
頷いてみる
大丈夫な気がするから
きっと…きっと嫌なこと続きだったからだよね
そうだよ
うん…そうだ…
そのはずだよ……
そうで…あってよ…
『メア心配だよ……
2ヶ月も…目を覚まさないでさ…』
は?そんなはず…
たった1日のはず
いや、半日…
それ以上は寝ていないはず
え…?
『2ヶ月……?いや、僕は半日くらいしか…』
『ううん…ちゃんと2ヶ月だったよ』
バッとカレンダーを見る
収容された月、年のまま…
近くにあった鏡を覗く
自分も髪が伸びていた
が、綺麗に整えられている
『えへへっ、メアがやったのっ、ジョウズ?』
褒めてほしそうに№5が首を傾げる
その頭に手を伸ばして撫でる
『うん…ありがと…』
ふわふわした№5の髪は撫でると心地よいものだ
結っても少しはねる髪を指に絡ませてみる
白金の髪はスっと消え入りそうだ
気付いたら№5の髪を解いていた
肩にはかからないウルフのような髪型
似合っている
「えへへ」と笑う顔が愛らしい
『かわいぃ…かわいぃ…
僕の偽兄弟偽兄弟達…
ずっと一緒……ずっとずぅっと…』
もう誰も失いたくなかった
名前も知らない子達でさえも失いたくない
『……灯向は…死なないでね…』
前にも僕が言ったようなことを今度は№5が言う
『うん、当たり前でしょ?
ずっと一緒、メアと一緒、みんなと一緒…
僕は死なないよ、絶対にね』
なんだか思ったことがこの時だけスラスラ出てきた
上手く話せた
時の流れももうどうでもいい
そんなことを考えていたことも
忘れていた
忘れていた
№5が移動させたのか、№12の部屋の棚に置いてあったみんなの姿のぬいぐるみ…
人形が僕の部屋の机に並んでいた
そこには僕らの弟弟の姿もあった
花の刺繍が、あのクマのぬいぐるみとお揃いのように縫われていた
その花も解れていた跡が見えたが、
1本の黒い糸で軽く直されていた
『ONEマイライフ!#11』を読んでくださりありがとうございますっ
なんかぐっちゃぐちゃになる小説メモ…その中で書いた結果、短くなってしまいましたが…大丈夫かなっ
なんて考えております…今も!!
きっと数時間後には開き直っているかと!多分…
それはさておき…初めは#3から執筆が進まなかったのですが、もう#11ですっ
作者自身もびっくり仰天ですよっ、これからも読んでくださると嬉しいですっ、これからも頑張ります!




