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<#8.0 ピクニック>

№5と仲直りができて、笑って広間に戻る

『あー、おかえりんしゃーい』

№6が手を振る

『仲直り…できたのかしら』

♡№12が聞く

その後ろで新しく焼いているのか、

クッキーを焼く匂いが広間までしていた

『うん、ちゃんとね』

№0が頷く


『そう、それはいいことよ…初の兄弟喧嘩だったわね』

♡№12が微笑む

『兄弟……』

『灯向っ!そんな考え込まないでよっ

メアたちのキョーダイ愛は世界一だよ〜ん』

№5が№0の腕に抱き着く

『見てるだけで癒されるわ…』

♡№12は満足気に自分の頬に手を当てる

『僕も…癒され対象になりたぃ……』

『でさぁ〜』

ボソッと♢ №12が言ったのはみんなスルーだ

シュンと俯いて手いじりしている

『あなたにも十分に癒されてるわ』

♡№12が慰める

『そうだよ〜、そこまで役に立たない君でも

癒しに“だけ”はなれるんだヨ〜』

№18が手をひらつかせながら笑った

(ぅ……僕こいつ嫌い…)

『だ…だけ…』

♢ №12が悲しそうに♡№12に隠れる


『まぁまぁ、今日はみんな仲良しでおでかけしよっ』

№6が手を挙げてそう提案した

『お出かけ?

実験室?地下?医務室?管理棟?戦場?』

№5が首を傾げて問う

『も〜っ!そんなとこ嫌〜っ

中庭だよっ!ほらっ、苗木があるとこ!』

№6が両腕を広げて必死そうに言った


『あ……お部屋の窓から見える…』

『そうそうそう!!』

№0が言うと、№6が何度も頷いた

みんなが「あぁ〜!」と声を揃える

『あそこ、行ってみたくない?』

『うんっ!メアもあそこ気になる!』

№6と№5の2人は手を繋いで跳ぶ


『でも…どーやって行くの?』

『……ダイジョブ!キットナントカナルヨ〜』

『絶対だいじょばない!!』

№6が親指を立てながら目を逸らした

みんながパッと笑顔になって声を出して笑う

そんなこの空間が大好きだ


『とりあえず探そっ!』

№5が廊下に飛び出る

早く早くと言わんばかりに走り回っている

『あわわっ…そ、そんなに走ったら…』

♢№12が慌てるように追いかける

後ろでは走って転ぶ№6

その隣で爆笑する№18、それを見て鼻で笑う♡№12

『ばーか…』

と、ボソッとつぶやく№1……

ずっと友達だとかいなかった僕から見ると

既に行動がとてもうるさいメンバーだ

(嫌いな人がいても…結局は好きなんだなぁ)

そう思いながらみんなの背を見て歩く


───────────────────


『え、あ、あ!これじゃない?ねぇねぇ!』

メアがはしゃぐ

『ほんとだ!外見える!緑のもある!』

由武がドアを開けて裸足で飛び出す

続いて外に出る

出た瞬間に感じた、とても綺麗な空気は僕らを“ホントウ”に引き上げる

『いたっ!なんか痛い!チクチクするっ』

『え!ほんとだぁ!毒だ毒だぁ〜っ』

『針だ針だぁ〜っ』

メアと由武は二人で楽しそうに転げる

『あたたかいわ…綺麗ね…』

あーちゃんが空を見上げて

『いつもの戦場とは別の空…』

あっくんもつられて声に出す

『灯向!灯向っ、なんか知ってる遊びなぁーい?』

由武が僕の背に抱きついて問う

『遊び……?えとぉ…お、おにごっこ…とか?』

知らない

誰かと…大人数で遊びなんてしたことは無い

『おにごっこ!!どんな遊び〜?鬼がぐしゃーってぇ?』

メアが更に抱きつく

重い


『鬼は…いるけど、ぐしゃーはしないかなぁ…

えとね、確かぁ…鬼を1人決めてそれ以外の人はタッチされないように逃げる!みたいな…』

そう説明した

『おぉ〜っ!じゃあメア鬼やる!!』

メアが大きく手を挙げて、ちぎれんばかりに手を振る

『なら僕らが逃げるね!ほら早くっ』

由武がそう言うと、みんな一斉に広い中庭に走り出した


芝生を踏む音、草が足に当たる音

風の音、みんながはしゃぐ幼い声


全てが心地よく耳に流れ込む

『はいターッチ!由武ちゃん捕まえたぁ〜っ』

『はやぁっ!メアちゃん走んの早い〜っ』

何となくでだろうか、鬼が由武に変わる

メアは高い声でキャッキャッと笑って逃げる

『あっくん油断禁物だよぉ〜っ』

そう言って由武はあっくんに抱き着き捕まえる

『えっ、あっ…捕まっちゃった…次…僕鬼?』

あっくんはビクッと驚いてから首を傾げてまた人を捕まえに行く……

そんな事をかれこれ1時間は続けた


こんな風に体を動かすのは初めてで、みんなすぐに疲れ切ってしまった

いつもとは違う動きと感情

みんなが居て、みんなが笑っていて

みんなとはしゃぎながら走り回る…

   普通の子供になれた気がした


『あら…もうみんな汗だく、後でシャワーでも浴びましょ』

あーちゃんがふっと笑った

『うんっ…なら上がったら僕甘いものでも作るよ…』

あっくんも乗り気でそう言った

『なら…またここで集合とかどうかしら

景色も綺麗だし』

あーちゃんは足元を指さして

『え〜っ!いいじゃーんっ!!』

由武も、メアも暦も晷も賛成

もちろん僕も

✧• ──────────── •✧

みんなシャワーを浴び終え、再び中庭に集まる

『今日は幸せぇ〜っ!みんな今日実験ないんでしょ〜?やったぁ〜っ』

メアからリンリンと鈴の音が聞こえる

鎌は持っていない

きっと付け替えたのだろう

やっぱり綺麗な音だ

『うんっ!僕も幸せ』

僕は頷いて自らメアにそっと抱き着く

『わぁ〜っ、灯向からギューしてくれたっ!!見てみて!ねねねね!』

みんなにそう、自慢のように言った

『いつでもしてあげるからぁ…』

少し照れくさくて遮る

『え!ほんと〜?嘘だったらコチョコチョするぞ〜っ』

嘘だったら、と言いながらもくすぐってくる

『あはははっ、ふふっ…ちょ、やめ…ほ、ほんとだからぁーっ』

『ガキの戯れってやつかー』

晷が腕を組んでコクコクと頷く

何に納得しているのだろうか

(ガキじゃないしっ)

心の中で反論する

『はいはい、うちのあっくん特製ケーキよ』

『うちの……』

あーちゃんがあっくんのケーキを運んでくる

その後ろで照れるあっくんは面白い

『やった〜っ!いただきまぁ〜す』

メアが手を合わせて分けられたケーキが乗ったお皿を手に取る

それぞれも手に取り、食べ始める

『おいひぃー……、、美味し…おい……んー…』

メアが遠い目になる

『ワー…トテモ…オイシーデスネー…』

『えぇ!?』

メアの様子を見てあっくんが驚愕の声をあげる

『えー、美味しいと思うけどなぁ…』

僕の味覚がズレてるのか壊れてるのかバグっているのか、とても美味しく感じた


    ᛝザザッ……ピッ⎯⎯⎯…ᛝ


放送スピーカーから急に音が鳴った

みんなビクッと跳ねてスピーカーを見る

……でもそれ以上は何も起こらなかった

『……嫌だねぇ…』

静かになった中庭

№5がそう呟く声だけが響いた

 『ONEマイライフ!#8.0』を読んでくださりありがとうございましたっ

 またまた現れました、前編後編ver.!!特に意味は無い、作者の謎の維持によって出現する前編後編スタイル!!計算して書けって話ですよね〜


 まぁ…そんなこんなで幸せ回、いかがでしたでしょうかっ

楽しんでいただけていたら嬉しいですっ!!

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