実家を二度追放された俺、弱小国に拾われて無双の英雄となる。~の感想
【タイトル】
実家を二度追放された俺、弱小国に拾われて無双の英雄となる。【スキル鑑定・極】が発現して、騎士や魔法使いたちの能力を片っ端から底上げしてたら、いつのまにか世界最強国家になっていたようです。
【あらすじ】
貴族の長男として生まれた俺、エリアル・ウィンドは最下級スキルしか持たない無能として実家を追放されてしまう。
が、その直後、とあるきっかけで俺のスキルは『最下級』から圧倒的進化を遂げ、『極』ランク――【スキル鑑定・極】になった。
これなら追放を取り消してもらえるかと思ったが、実家の反応は冷ややか――。
結局、俺は二度目の追放をされ、放浪の旅へ。俺を追いかけてきた妹とともに、弱小国に拾われ、そこで【スキル鑑定・極】を駆使し、自分自身を最強にするのはもちろん、他者たちの能力も次々に底上げしていき、やがて世界最強国家へと育て上げていく――。
【感想】
主人公はいつものように冒頭で追放宣言を受けます。
そして、勝ち組になることが分かっている以外の理由がわからない行動原理で自身に鑑定スキルを発動させます。
すると所持スキルポイントが1万あり、それで自身のスキルを進化させた所、スキルは「極」ランクに進化しました。
しかも支払った1万ポイントが丸々戻ってきて、初めての進化なのに進化の回数が一度だったのが無限にできるようになるなど、開幕から至れり尽くせりの展開です。一度きり設定要る?
無能だからと追放されたのだから、取ってつけたようなパワーアップでも戻れるだろうと屋敷に戻ってきますが、
>「ちっ、本当の子どもではないのだから、戻ってこなければいいものを」
父から言われたこの一言だけで、自分の母親は不倫しており、自分はその母親から生まれて来たから冷遇されているのだと悟ります。
話が作者の頭の中で完結しているのがもろ分かりな飛躍した論理ですね。
この時点で重厚なストーリーは欠片も期待できないことがわかります。
追放された主人公は生活費を稼ぐため、世界最高クラスの鑑定スキルを使おうとします。
具体的には冒険者になりました。以前から憧れがあったそうです。
せっかく唯一無二の鑑定スキルがあるのだから、商人でもやれば楽にやっていけると思うのですが、作者は冒険者と王族と貴族以外の職業を知らないので、ナローシュは縛りプレイ紛いの生き方しかできません。
ナローシュが薬草採取に勤しむ最中、早速追放側の凋落パートが始まります。
主人公を産んだ前妻は浮気していたことがわかり、面子のために追放したと描かれますが、その割に主人公を養い続けたり、かと思えば追い出したりと、行動原理がガバガバすぎて意味が分かりません。
前妻と別れ、後妻と次男を作り、主人公の代わりに当主として育ててきました。
しかし、後妻も浮気していたという疑惑が浮上し、怒りや悲しみ、嫉妬、様々な感情が父親に圧し掛かります。
怒りで手近な家具を殴りつけますが、状況が状況だけに今までの追放側みたいに机を破壊したり、料理をぶちまけたりしても許されそうな感じがします。
何故今までみたいな「役に立たないスキルと決めつける」とか、「運以外でどうしようもないスキルガチャを外した」といった理不尽な理由で追放をしないのでしょうか。
これでは主人公関係なく追放側が只落ちぶれるだけの胸糞悪い話に他なりません。
主人公が冒険者を始めると同時に、妹も実家から離れて主人公についてきました。
なろう小説を読み込んだ方ならその理由がわかると思いますが、大体のナローシュは他者のスキルを強化したうえでコピーする能力が常備されているためで、言うなれば妹は主人公のパワーアップ装置です。
それでも普通の小説なら、前述の通りスキルポイントという設定を入れることで片っ端からパワーアップするというマンネリな展開を防ぐのですが、本作品では「スキル使ってくれてありがと~~~」みたいなテンションで定期的に馬鹿にならない量のポイントが振り込まれます。
そのため、スキルレベルアップにいくらポイントが必要という設定が完全に死んでいます。なろう小説では珍しくもないけど。
再び追放側の凋落パート。次男も実の息子ではありませんでした。
どうしようか苦悩に悶えていたところ、王から緊急の招集がかかりました。
なんでも「災厄の王」という、王家に伝わる魔物の王が目覚めようとしているため、存在が口外しないよう防衛態勢を整えろとのこと。
ナレーションでは
>逆にしくじれば……信頼を失うことになるだろう。
などとフラグを立てていますが、しくじったら信頼どころか命を落としかねない問題です。
国防において王都を最優先に考えますが、同時に自身の功績のために民間人の被害を減らすことを考えます。
しかし財務大臣は予算を出し渋り、当初予定していた予算の半分しか程度しか出しませんでした。
人材の方も「災厄の王」の存在を秘匿しながら募集したせいで、思ったような人材が集まりません。
しかもその中には後妻を寝取った騎士が混じっていましたが、父も実力を認めているため、腹立たしくも部隊長に任命します。
その後、後妻が身ごもったという知らせを受けますが、部隊長に任命した男の顔がよぎり喜べません。
まだ物語は途中の為、追放側が凋落するのは当分先と思われますが、現在更新している話までを見るに、追放側を主軸に話を進めた方が面白いのではないかと思います。
考えなしにチートを増殖させて振り回すだけの主人公パートと違い、追放側の方がキャラが人間臭く、悲劇として読める内容だと思います。
やたらと前書きや後書きで別作品の宣伝や評価乞食をしているのを見ると、追放パートだけ別人が書いたんじゃないかと思える内容でした。




