剣聖と大賢者の正体が、落第貴族と呼ばれる俺な件について~の感想
【タイトル】
剣聖と大賢者の正体が、落第貴族と呼ばれる俺な件について~しょうがないから守護神してるけど、さっさと変わってほしい暗躍学院ライフ~
【あらすじ】
ガリアール帝国の侵略を受けるアルビオス王国とルテティア皇国。
そんな両国には侵略の魔の手を跳ねのける最強戦力が存在した。
アルビオス王国には無双の二刀流を扱う『白の剣聖クラウド』
ルテティア皇国には上古の神淵魔法を操る『黒の大賢者ノクティス』
帝国の侵略を幾度も跳ね返し、帝国からは悪魔と思われる二人にはとある秘密があった。
それはどちらも同一人物であるということ。
そして。
その正体がロイ・ルヴェルという小国の辺境貴族の次男ということ。
そんなロイ・ルヴェルは日夜、両国を守るために暗躍しているが、そのせいで通っている学院では遅刻、欠席、成績不良の常連だった。
ついたあだ名は『落第貴族』。
できれば学院もやめたいし、剣聖も大賢者も後進に譲りたい。
そんなことを思うロイだが、常に思う通りにはいかない。
学院もなかなかやめれないし、甲斐甲斐しい妹には信頼されるし、剣聖の後継者であるクール美少女には付きまとわれるし。
今日もロイ・ルヴェルは落ち着かない日常を過ごすのであった。
【感想】
キャラ名からして、FFからパクってきたのかな?
そう考えて読み進めたら、18話位から「明日からキャラ名を変更します」というトンでも発言が飛び出しました。
しかし、あらすじやプロローグでは未だに名前は「ノクティス」のままです。
どういうことなの……。
本作品の世界情勢ですが、主人公の属する公国と、最大勢力である帝国、その二国に挟まれる王国と皇国があります。
で、帝国の侵攻に対し他三国が連携して当たっている感じです。
主人公は正体を隠し、王国と皇国の切り札として暗躍していますが、通っている学院では成績最下位だそうです。
国家の危機なのになんで学校に通っているのか、その設定のせいで落第生の現実逃避にしか見えません。
普通なら落第になってもおかしくない成績の主人公ですが、学院の『現地枠』とやらで入学できるほどの実力のある学生が主人公しかいないため、やめたくてもやめられず、タイトなスケジュールに苦しんでいます。
帝国からの侵略に対抗するための戦力を育成する目的で学院を設立したのに、その戦力を縛り付けるという、本末転倒なことになっておりますが、なろう小説ではいつものことです。
ある日の授業は模擬戦でした。
主人公の相手は学院で三番目に優秀な、『氷剣姫』と称される実力差です。
次代の剣聖を期待される逸材ですが、主人公曰く「弱点があるから今の彼女は剣聖に及ばない」そうです。
作者は忘れているんですかね?才能があるといっても学生なのだから、最強には程遠くて当然なのですが、なろう学院では入学時点で卒業レベルの実力を求めるのが普通なので、作者が錯乱するのも当然でしょう。
模擬戦に速攻で負けた主人公は、自主学習せず昼寝を決め込みます。が、教員から注意されることはありません。
なぜなら、
>健全な生徒を育成しようっていう学院だったら注意されたかもしれないが、この学院は三国を守る精鋭を育成するための学院だ。
>意識の低い者の意識を無理やり高めようとはしない。
怠惰を許すと他の生徒の士気に関わるとか、限られた教育リソースをやる気のない奴にそそぐ破目になるとか、そういった他人の事情を察しろというのはナローシュには酷な話なのでしょう。
それにしても、主人公にヘイトを集めて一体何がしたいんでしょうかね。
その後、剣士の国として知られるアルビオス王国について説明がナレーションで語られますが、ナレーションが主人公目線なのに、自分のことである剣聖をべた褒めするため、主人公が極度のナルシストにしか見えなくなりました。
剣聖として王国の会議に参加する主人公。
重臣たちは帝国の侵略に対し軍備の増強を進言しますが、国王は却下します。
その理由ですが、「剣聖に頼らず、軍を強化するのは正しいように聞こえるが、その力で帝国を侵略しても守り切るだけの力がない」からだそうです。
防備の話をしているのに反転攻勢に出る前提で話を進め、結局主人公一人を頼りとして国防を語る……。
主人公補正がなかったらとっくに滅んでいる国ですが、なろう小説なのでナローシュの手下を選べば栄転が約束されます。
手下がいるなら敵もいるのですが、その敵は帝国だけでなく、味方である王国の貴族の御曹司でもありました。
というのも、その貴族の婚約者が主人公に近づき、そのことを言及したら、「なんかむかついた」主人公に決闘を挑まれボコられます。
主人公は元々帝国に対抗するために先代の剣聖と賢者に修行をつけてもらったという設定がのちに明かされるのですが、親子そろってもらった力を私欲のために振るうという、「本当に主人公なんか?」と思われる展開になります。
総評として、国家の存亡や主人公たちの命や尊厳に関わる事態にもかかわらず、描かれるシーンのほとんどが学園生活で、帝国との戦いも帝国側が切り札を投入していないため、ただの学生生活のイベントの一つでしかないという印象です。
しかし一番の問題は、先代から人々を守るためにと渡された力を隠匿し、「自分は選ばれた特別な存在」と言わんばかりに振るっていることでしょう。
などと宣ってみましたが、他のなろう小説も似たような感じでしたね。




