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パワハラ限界勇者、魔王軍から好待遇でスカウトされる~の感想

【タイトル】

パワハラ限界勇者、魔王軍から好待遇でスカウトされる ~勇者ランキング1位なのに手取りがゴミ過ぎて生活できません~


【あらすじ】

数多の勇者と魔王が存在する現代。勇者ランキング第一位にして、『最強』の称号をもつ勇者がいた。その名も勇者アレン。誰もが認める最強の勇者は、地位や名誉も手に入れ、人生がイージーモード……。


なんてことはなかった!


休みなく下される魔王討伐命令。せっかく凶悪な魔王を討伐しても、報酬は諸経費を抜いて一般男性でも簡単に稼げる金額しかもらえない。遠征はすべて自腹。とてもじゃないけど生活できない。

そんな彼は運命の魔王と対峙する。美しい女性の魔王は、不満いっぱいな勇者に提案した。


「ぬしよ、ワシの元で雇われんか?」


あまりに好条件すぎる待遇に心が揺れる。

これは最強勇者と訳あり魔王が織りなす爽快バトルコメディーである。


【感想】

本作品の世界にも勇者と魔王の概念があり、勇者は人々の自由のため、魔王は支配のためにお互い反発する、まさに宿敵という関係だそうです。

プロローグでもそう語られますが、その直後に「世界が発展したから互いに考え方が進化した」とも語られます。

でも、お互い殺しあう関係であることは変わらないそうです。

殺し合いする関係から考えを発展させたと言ったら、普通平和的な考えに移るものだと思うのですが、結局やることは変わっていません。

考え方がどう発展したのか、発展前の情勢がまともに語られないのに何故変化したという設定を挟んだのか、作者の意図が全然わかりません。


本作品の主人公は最強の勇者であり、数多くいる魔王を討伐することで王様から褒美をもらって生活していました。

しかし働きに対する褒賞が少なく、街を7つ滅ぼした魔王を討伐しても、一般男性が半月で消費する程度の報酬しか貰えません。

実力・立場共に最強の主人公ですが、報酬の値上げ交渉をしようにも国王陛下に睨まれたら恐怖で二の句が継げないそうです。なんで?

報酬が少ないという訴えに対し、国王は説明します。

要約すると、「戦いの余波で発生した損害は、戦ったお前が払え」とのこと。

以前感想を書いた作品にもありましたね。人々のために戦っても、街を復旧しなかったからということで悪人にされた息子の話。

なろう小説において、建築スキルを所持していない勇者は悪人と同義ってことでしょうね。真面目に戦うやつ居なくなるぞ。

そして無茶苦茶な説明と精神論で報酬の少なさを煙に巻かれた主人公は、特に反逆を考えることなく次の戦いに送られることになるのでした。ナローシュはコミュ障。


主人公が謁見を終え玉座を後にしますが、残った国王と大臣たちが主人公を暗殺する計画を立てていました。

なんでも、飼いならせると思ったけど駄目だったから殺してしまえとのこと。

碌な反抗も見られなかったのに何故切るのか、これは人類の宿敵である魔王に味方するために向こうから手を切ってもらう必要があったからですね。

ナローシュって大体自分で進む道を決めることって殆どないよね。こんな風に周りに何か言われたりされたりしないと行動できないのが目立ちます。

それでも最終回で自分の意志で行動する決意でもすれば名作になる余地はあるのですが、なろう小説で描かれるのは蹂躙とハーレムなので期待は全くできません。


スズメの涙ほどの報酬を貰って落胆する主人公。

独白で他の勇者について語られますが、それらはもっと楽な魔王を倒してもっと裕福な生活をしているそうです。

何故主人公だけ蔑ろにされているのか、導入を見る感じ主人公が碌に交渉出来ないからとしか思えません。

そんなことはともかく、主人公に新たな依頼が来ますが、内容がFランクの最低ランク魔王の討伐でした。

何故役不足な依頼が来たのか。実は魔王から送られてきた依頼であり、主人公をスカウトするために呼び出したとのこと。

なんでも共存のために主人公の力を借りたいとのことですが、思想よりも待遇の方に興味を示す主人公。

どんなに良い条件を提示されたとしても、人間としての生活を捨てることに他なりませんが、ナローシュにとっては難しすぎる問題なので、突っ込んでも発狂するだけでしょう。

どう見ても小物キャラですが、作者もそう思ったのかここでお助けキャラを投入。

魔王討伐と見せかけて主人公を暗殺しに来た勇者を投入します。

主人公は不意に心臓を貫かれますが、本人曰く「心臓を潰された程度で死ぬならとっくに死んでる」そうです。

でも首を刎ねられたら死ぬそうです。大ヒットした漫画の要素をパクれば面白くなるとでも思ったのか?

そもそもそれ以外の死に方がないも同然のため、今後は敵が魔法で焼こうが氷を飛ばそうが全くの無意味ということに他なりません。

もう戦闘シーンも期待できないことが明らかになりましたが、どうせもっと突っ込み所があることが予想に難くないため進めます。


暗殺者を撃退し魔王との契約を進める主人公。

しかし部下は2人だけで、その部下も今は外に出払っていつ帰ってくるかわからない状況とのこと。

そんな状況でホワイト企業のような待遇を約束できるとは到底思えませんが、なろう小説では金などいくらでも虚空から湧いてきます。なろうだからね、一般でやったら白けるだけですが。


正式に契約し魔王と組んだ主人公ですが、真っ先にやったことが魔王の特訓でした。

が、国王と相対した時とは別人のようにスパルタ教育を強います。

魔王が少女の姿だから強気に出られるんですかね?実力がある設定でも行動が小物中の小物にしか見えません。

強気な口調でしごいている最中に国王が突如登場したらどうなるんですかね?ちゃんと描けばコメディにはなると思います。

まあ、ナローシュが笑いものになるコメディなんか描かれるとは考えにくいですが。


暫く特訓の日々が続きましたが、契約時に設定されたホワイト企業のような待遇は何一つ守られていないそうです。

契約時の話に戻りますが、「魔王は契約を履行する必要がある」「契約違反には罰が発生する」「主人公は嘘を見破る能力がある」などと思いつくだけ設定を積み重ねる割にプロットを考えていないのか、序盤にして途轍もない矛盾した展開が繰り広げられます。

契約した魔王に履行能力がないのがわかり、人間サイドからも敵扱いされた主人公がやるべきことは、すぐに別の魔王に鞍替えすることなのですが、待遇に文句を言っていた主人公は何処へ行ったのやら、まるで別人のように魔王の元から離れません。


方や王国。

最強格の主人公を自ら手放したせいで、一歩間違えたら破滅するレベルまで進退窮まっていました。

ナレーションではまるで主人公の方が裏切ったかのような書き方をしているんですけど、一体誰目線でナレーションしているんですかね。万が一作者目線だったら本気で病院行くことを進めるレベルだよ。

お偉いさんたちが悩んでいる中、主人公に次ぐ実力を持つ勇者が登場し、ナローシュ討伐に名乗りを上げます。

主人公と違って全面の信頼を置かれている勇者ですが、薄給でこき使われている背景がある可能性を考えると格が下がります。


ここで個人的な話を挟みますが、20話くらいまで読んで魔王がうっとおしく感じ、読み進めるのが苦痛に感じてきました。

というのも、主人公が契約した魔王というのは、昔強大な力を持って人間と大戦を繰り広げた大魔王の娘であり、魔族と人類の共存を謳うもとにかく弱い。

弱いだけならいいのですが、主人公の訓練や勉強に対しとにかく「嫌だ嫌だ」と喚き散らします。

そんな奴がいくら努力して結果を出したとしても、読者目線で好印象を抱かれなかったら「チートだろ」で一蹴される危険があります。

そう思われないよう物語においてヘイトコントロールをするのは重要なファクターなのですが、なろう作家は基本理解しておらず下手糞で、重要人物にヘイトを集めます。


王国から派遣された勇者ですが、個人最強の主人公に対し、コンビで最強と目される男女で、現時点で主人公の最悪の敵と評されています。

その勇者と戦うことになる主人公ですが、またもやわけのわからない文章が出てきます。


>不死身というわけじゃない。

>殺せば死ぬ。

>殺すことができる存在が限られているだけで……。


別に主人公を不死身扱いしているキャラなんぞ今まで出てこなかったんですが……。

殺せば死ぬとかいう当たり前のことをほざいたり、首を刎ねるだけでなく内部から一気に大部分を破壊されたら死ぬとかいう設定が追加されたり……。

というか、住処に爆弾を仕込んでおけば暗殺できたのではないですかね?結果論ですが。

天敵のコンビと戦うことになった主人公ですが、二人まとめて相手するわけではなく、男の方を主人公が、女の方は魔王とメイドが相手することになりました。

そりゃコンビだと敵わないなら各個撃破するのが定石だけどさあ……最強主人公なら同時に相手取って勝つくらいのことをしてくれよ。

じゃなきゃコンビ最強と銘打った意味がないじゃねえか。

というかもう勝つのが決まっているから何も面白くないんだよこれ。


案の定勝利しますが、女勇者の方はなんか本気じゃなかったそうです。

主人公サイドを勝たせるためにそこまでするのかという感想しか出てきません。

本当に下らねぇ……。


その後大罪会議なる最強の魔王7人で構成された会議に呼ばれますが、やろうと思えば7人全員殺せるような感じでした。

だったら倒しに行けば街の修繕費を天引きされずに済んだのではないでしょうか。

パワーバランスが滅茶苦茶でついていけなくなったため、ここで読むのをやめようと思います。

まあ、ついていけなくなったのは展開やキャラ設定にもですが。

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