「お前を追放する」追放されたのは俺ではなく無口な魔法少女でした~の感想
【あらずじ】
「お前を追放する!」
突然、そう宣告を受けたのは俺ではなく、後ろにいた魔法使いの少女だった。
追放の理由は明白で、彼女が無口で戦闘の連携がとれないこと、リーダーと恋人になるのを拒んだことだった。
俯き立ち去ろうとする少女を見た俺は、リーダーが魔法使いの少女に言い寄っていたことを暴露して彼女の後を追いかけた。
【感想】
あらすじを見ると、まるで主人公はパーティメンバーの一人と思われるでしょうが、実際は何の関係のない赤の他人です。
なんで「リーダーが責めているのは俺ではなくその後ろの~」などと回りくどい書き方をしているのでしょうか。
この書き方だと部外者なのにメンバー面している主人公の図が頭に浮かぶ人もいると思うのですが、せめてリーダー視点にして「リーダーが責めているのは俺ではなく、その手前にいる~」と描写した方が勘違いする人も減ると思うのですが……。
それでもキャラの立ち位置の描写に、なぜ全く関係ない主人公を基準にするのかという突っ込みが入るんですけどね。
まあ、どうせこんな細かいところを修正しても本編で突っ込みどころ満載なのは予想に難くないでしょう。何でもかんでも主人公(もとい作者)視点でしか物事を描写できない作者の力量に期待するだけ無駄です。
追放を宣告された魔法少女はギルドから出ていき、それと入れ替わりに主人公がリーダーに絡みに行きます。
その時のセリフがこちら
>「いやー、今の話を聞かせてもらっていたんですけど、追放理由が足りてない気がしましてね。こういうのって公平じゃないなって思うんですよ」
などとひろゆきを真似したかのように絡む主人公ですが、今後の展開から考えてここで絡みに行く必要性は全くありませんでした。
ただ単に追放物特有のざまぁがしたかっただけであり、普通なら「言いがかりだ」の一言で捨てられるような告発ですが、主人公に有利な設定が後から活火山のように湧いてきました。
リーダーが何股もかけていたことは公然の秘密であり、恋人を取られた人も複数いたらしいのですが、なぜ今まで誰も告発しなかったのでしょうか。
ナーロッパ特有の高ランク冒険者特権で黙らせてきたと思われるのですが、証拠も何もない言いがかり同然の告発でもナローシュの物は特別なので効果が抜群だったのでしょう。この時点で主人公の持ち上げが始まっていました。
追放された少女とパーティを組むため後をつける主人公、最初にやったことは揚げパンで餌付けでした。
追放したリーダーには自己紹介できていたのに、少女に対しては自己紹介せずいきなり馴れ馴れしく絡み、食べ物を差し出しました。
これ以上怪しいムーブは早々ないでしょう。現に私も、実は初対面ではなく昔あっていたことがあるのではないかと推測しました。が、二人はこの時点で初対面だそうです。
主人公のやっていることって、ちょっとでも邪険にするといきなりキレだすチンピラとそう変わらない絡み方なのですが、イケメン無罪ならぬナローシュ無罪というべきか、やったこと全て好転します。
揚げパンを(まんまと)食べ(てしまっ)た少女は、主人公から「酒場での騒ぎは聞いた、お前の悪行はギルド中に伝わっている、俺とパーティを組まないか」と脅迫を交えた巧みな誘いをかけられます。
普通なら凌辱の導入になりそうな言動ですが、これで純愛に発展するのがなろう小説です。狂っとる。
翌朝、早速依頼を受ける二人。内容はワイルドウルフの群れの討伐でした。
依頼内容はBランク相当ですが、主人公のランクはCランク。まるでSランクの少女を利用して上のランクの依頼を受けているようにしか見えません。
それを否定するかのように主人公は一刀で狼を切り倒していきます。その後現れたワイルドウルフのボスの突進に対し、牙を剣の交差で受けとめて隙を作り撃破しました。
牙を止めても左右から爪が襲ってくると思うのですが、爪は作者が封じたので出せなかったのでしょう。
作者の戦闘描写のセンスはFランクかな。
その数日後、ギルドの食堂の給仕から二人の関係を聞かれ、恋人だと答える主人公。
少女は本気で嫌がっているのかコップを投げつけてきますが、それに構わず「反応が面白いからついからかってしまう」という減らず口をたたきます。
追放元からは関係の強要を断ったことで追放されたのですが、主人公もとい作者はそのことを蒸し返すようなことを平気でしやがります。ジョークなら何言ってもいいと思ってんのか?
それからいくつか依頼をこなしたある時、少女は自分が全くしゃべらない理由を聞かないのかと主人公に問いました。
それに対し主人公は「気にならないわけじゃないが、相手の傷をえぐる場合があるから配慮している」と答えました。
恋人云々の一件は傷をえぐった内に入らないらしいです。マジで一般人には理解できねぇ……。
その後読み進めたら、女性の浴衣の隙間から覗く胸や足から目を逸らせる奴はホモだと思うだの、本能に逆らうのは愚かだからいい体があったら見るに決まっているだの、女性に対するデリカシーのなさがクラスター爆弾の如く炸裂し、本格的に気分が悪くなったため読むのをやめました。
こんなデリカシーのなさで少女は離れないのかって?曰く「単純な分、下心がないからいい」そうです。
洗 脳 完 了
ちなみに読者の反応ですが、露骨なサービスシーンにみんな喜んでいました。
まともな主人公だったら別にいいのですが、作者読者主人公と皆性欲に支配された猿の中で喜ぶ気には到底なりませんでした。




