どうも、勇者の父です。この度は愚息がご迷惑を掛けて、申し訳ありません。~の感想
【タイトル】
どうも、勇者の父です。この度は愚息がご迷惑を掛けて、申し訳ありません。 〜幼馴染みの許嫁を捨て、そこらで好き放題やってる息子をぶん殴るために旅に出ます。今更謝ってももう遅い〜
【あらすじ】
──村から勇者が生まれた──
クロアの息子、アルカが十五歳の頃にそんな神託を受けた。
神託のまま、クロアはアルカを勇者として王国騎士団に預けることに。
アルカの世話係には、幼馴染みで許嫁のサーヤがついて行くことになった。
それから僅か三年。ぼろぼろにやつれたサーヤだけが戻ってきた。
話を聞くに。
勇者としての権威をチラつかせて色んな女をつまみ食いし。
不当な額の報酬を貰い。
何かあっても謝罪はせず。
正義の名のもとに好き勝手しているらしい。
それにキレた、父クロア。
謝ったところでもう遅い。
愚息を殴りに行く旅が、今始まる。
【あらすじを読んだ感想】
ついに息子にまで「もう遅い」するのか……。
というか、目の届かぬところで息子が無法を働いていると聞いたら、普通の親なら何かの間違いじゃないかと勘繰ると思うのですが。
何一つ疑いもせず息子に問題があると食って掛かるとは、主人公の教育及び主人公自体に問題があるとしか思えません。
【本編を読んだ感想】
1話からして主人公たちの毒親加減が身にしみてわかりました。
先の展開を言っておくと、主人公は魔王を殺せるレベルの最強格のキャラであり、怒らせたら息子といえど死を覚悟するほどだそうです。
子供が親に対して畏れでなく恐れを感じる関係……問題は主人公の教育にあるとわかりますね。
でもなろう小説ですから、この先主人公は人格者として描かれるのでしょう。
このように世間一般からずれた感覚で人間関係が描かれる点がなろう小説が嫌われる原因なのですが、なろう作家はまともな感覚を持っていないのか、ランキングに上がってくる奴は一向にその問題を解決できないでいます。
主人公一家が村に降りると、村人たちが広場に集まっているのに気づきます。
どうやら王国の聖女が以下の神託を授かったため、騎士が村に来ているとのこと。
「最西の村にて、魔を討つ勇敢なる者生まれたり。その者、魔の王を討ち滅ぼす者なり」
わざわざ文を2つに分けているのに情報量がほとんど増えていません。神託を授けた神の名前は進次郎だと推測されます。
で、村に赤ん坊は居ませんが、主人公の息子が一番若いとのことでアルカが指名され、騎士団に行くことになりました。
しかし三年後、同行していた許嫁がボロボロになって村へ戻ってきました。
彼女が言うには、アルカは酒や女に溺れた上、様々な傲慢な行為を働いているとのこと。
それに対し何一つ疑うことなく息子に制裁を加えようと意気込む主人公。
勇者として送り出した息子に対し「誇り高い」だのほざいてる割に、微塵も「何かの間違いじゃないか」と疑いもしません。
早速息子の尻拭いのために旅に出る主人公。
アルカが戦いの余波で建物を破壊された村人に対し誠心誠意謝罪して回ります。
ですが、建物は破壊されてもけがをした村人は居なかったそうです。
ええっと、息子は別に破壊したくてしたわけじゃなさそうだし、建物は壊れたけど村人は守り切ってるし……。これ息子悪い部分ある?
まあ、住めないレベルで破壊したことを(作者の都合で)謝らないとかはあるだろうけど……。
戦いの余波でも壊した物は壊した奴が直すべきだとでも、作者は考えているのでしょうか。
魔物は討伐したんだから村人たちが自力で復興できると思うのですが、息子をもう遅いするために村人たちに知能デバフの余波が来ていますね。
その後、兎人族とやらの少女が魔物に襲われているところに遭遇。
助けて話を聞いたところ、村が亜人狩りにあったとのこと。
ハーレム要員加入のため、息子いびりの旅は一旦中止し山賊を虐殺に行きました。
山賊に対峙した主人公は有無を言わずに一人を残して皆殺しにします。生かして置いた一人も情報を聞き出したら殺します。縛り上げて騎士団とかの治安維持組織に引き渡すという道は毛頭ないようです。
その上弟子に対して「殺すことに慣れてはいけない」などとほざきます。
生かして捕らえられるものを生かした上での発言なら説得力がありますが、主人公に暴力を振るわれて殺されなかった方が珍しいので戯言以上の意味はありません。
続いて主人公は奴隷商人も虐殺しますが、主人公に協力した仲間は犯罪の関係者を捕縛して裁判にかけるつもりのようです。
おかしいですね、これじゃ主人公はただの力を持った乱暴者としか見られないでしょうに、なんでまともな行動をするキャラを隣に並べたのか。
そのまともな行動を主人公にさせればいいのに、なんでこんな配置にしたのか全く分かりません。
「ろくでもない人物の息子だからろくでもない行動をする」という辻褄合わせのつもりでしょうか。もっとまともにプロットを練ってほしいところです。
無事ハーレム要員を確保したことで再び息子殴りの旅に出る主人公。息子の屋敷がある王都に向かいました。
しかし何をとち狂ったのか、王都の門番に対し威圧をかけて気絶させ、修行が足りないだの何だのイキり始めます。
その騒ぎを聞きつけて駐屯所から戦闘態勢にある騎士が駆け付けます。
どう考えても主人公がやったことは問題なのですが、立場を利用したパワハラ同然の言動により問題がなかったことになります。
本当の人格者はこんなクズみたいなことは絶対しないのですが、なろう作家も読者もこんなもんです。
ちなみに感想欄でこの問題行為を指摘している人は居ませんでした。主人公同様、作者も批判に対し力(管理者権限)で封殺したのでしょうか。
息子に会いに屋敷に行くも、四天王を倒しに行ったため不在でした。
なので出かけた息子のもとへ行き、再会を果たしましたが、そこで重大な事実が明らかになりました。
実は息子を動かしていた宰相は、勇者を堕落させて弱体化を目論んだ魔王軍の配下でした。
そのため噂に聞いた息子の数々の悪行は、力を手にして増長したというより、敵に唆された結果だと言うことがはっきりしました。
しかし、魔王側の策略だったとしても息子がハニートラップに引っかかったのは事実だといわんばかりに鉄拳制裁が下ります。
ぶっちゃけ、私の方が主人公たちよりも息子を信じていたんですが、親としてどうなんですかね、これ。
で、実力不足の息子に代わって四天王に対峙する主人公。結果は圧勝しました。
もう主人公が魔王倒しに行けばいいんじゃないかと思われるでしょうが、実は一度魔王と対峙したことがあったそうです。
しかし勝てませんでした。一度殺したようですが、すぐに復活してしまうため殺せなかったらしいです。
そんな魔王を唯一殺せるのが勇者の力らしいのです。
それなら主人公が魔王を追い詰めた後、息子が勇者の力を振るえばすべて解決するのですが、力を他者のために振るうのはなろう作家にとってこの上ない馬鹿らしい行動なので、そんな展開にならないでしょう。




