魔眼無双の最強賢者~チートな瞳力で世界最速の成り上がり~の感想
【あらすじ】
「あんな恐ろしい子ども、今すぐ殺してしまいましょう……!」
最強の魔眼を宿したエレンは、その力を両親に恐れられ――捨てられた。
そんな彼を拾ったのは、自称『ボランティア』の大貴族の魔術師。
その後エレンは、魔眼のチートな瞳力をフル活用し、凄まじい速度で魔術をマスター。
王立魔術学園に入学し、世界最速の成り上がりを遂げる!
この物語は恵まれなかった少年が、チートな魔眼を覚醒させ、魔術界にその名を轟かせる『成り上がり冒険無双譚』!
【感想】
本作品は
>エレン・フィールは、『魔王の寵愛』と呼ばれる呪いを受け、『史上最悪の魔眼』を持って生まれた。
という書き出しで始まります。
先の展開を言ってしまうと、この魔眼は強力な代わりに宿主に対して破壊衝動を促すような呪詛をかけ続け、所有者は大体1年足らずで死んでしまうようです。
ですがこれはなろう小説、主人公は十年たってもピンピンしています。
破壊衝動とやらも一度も覚えたことがないそうですが、これは主人公が暴れた場合、それが意図しなかったとしても、完璧でなければならないなろう主人公の型から外れてしまい、読者からブーイングが飛んでくるからでしょう。
そのせいで史上最悪の魔眼(笑)になってしまっていますが。
話を本編に戻します。
主人公が五歳の時、弟たちと遊んでいたら突如魔獣が出現。すると魔眼が覚醒し、魔獣どころか森を丸ごと殺してしまいました。(森を殺すってなんだよ……)
このことを知った両親は戦慄します。
跡取りが魔王の寵愛を受けていると世間に知れたら、自分の家の栄誉が地に落ちてしまう。
そのため、短い寿命が尽きるまで物置小屋に幽閉してしまおうと考えます。
まさかこの後、魔眼が暴走して大変になるという展開が来ないとは思えないほどの扱いです。
物置小屋に幽閉されて十年、主人公は十センチ四方の覗き窓から見える景色と、朝に一度のみの乾いたパンとコップ一杯の水しか与えられませんでした。
そんな状況に置かれても、一切の破壊衝動はなかったようです。やたら史上最悪と言われるけれども、ろくな歴史がないのでしょうか、説得力がありません。
十五歳になったある日のこと、弟たちの魔術の講義のためにヘルメスという大貴族が訪問し、主人公の存在に気づきます。
魔眼に興味を持ったヘルメスは主人公を自宅に誘います。
持っているだけで忌み嫌われる、兵器のようなものに対して興味を持つ輩というものは、普通はろくでもない人物なのですが、これはなろう小説、そんな設定だと主人公は利用される側の存在になってしまいます。
読者が求める主人公像は他者を利用し、蹂躙する側ですからね。
ヘルメスの屋敷に連れられた主人公。そこでは大勢の使用人に歓待され、魔眼に対して恐れや偏見など持たれませんでした。
今まで降って湧いたチートで栄転したナローシュは数多く見てきましたが、チートを持っているだけで栄転したのはこいつ位じゃないでしょうか。(過去の感想書いた作品に居るかもしれませんが)
屋敷での食事の最中、魔術協会から訪問者が来ます。
なんでも、とある任務中に大勢の魔術師が呪いを受け、瀕死の状態にあるとのこと。
治療のためヘルメスとともに現場に行く主人公。しかしだいぶ時間が経過していたため、治療できるのはわずか五人ほどとのこと。
そんな中主人公の魔眼は被害者の体にまとわりつく蛇のような影を捉えます。
その影の一か所を触っただけで影は消滅し、苦しんでいた魔術師は軽快しました。
せめて魔眼で弱点を見て、他の人が治療するって流れでいいんじゃないんですかね……。
魔眼だけでなく解呪までできるとか、これじゃチートの二度漬けじゃん。
翌日、主人公が魔術を学ぶため(という名目で学生相手にイキるため)、学校に通うことになりました。
王国には五つの魔術学園があり、いずれも超が付くほどの名門校のようです。
まあ、ぶっちゃけると名門に泥を塗らんばかりのDQNが屯しているのがこの先わかるんですけどね。
第一学園は戦闘を重視しており、第五学園は研究に一辺倒しているため、バランスのいい第三学園に入学することを決めました。
そんな第三学園の入試試験の配点ですが、『実技九割、筆記一割』だそうです。
ヘルメスさん、それ第一学園の募集要項と間違えてません?
入学試験までの間、使用人から様々な分野を師事することになった主人公。まず最初に体術の訓練から始まりました。
しかし、この時点での主人公は十年間のまともじゃない食事と環境を脱してわずか一日の状態です。
普通ならリハビリから入るところですが、何を血迷ったのか小一時間ランニングした後、腕立て、腹筋、スクワットをそれぞれ百回こなします。これも魔眼の力とでもいうのでしょうか。
それらの基礎的な鍛錬の後、基本的な打撃技を練習し、締めに模擬戦を行いました。
初めての戦闘ですが、なろう小説なので相手に手傷を負わせたうえ、本気を出させました。
最低でも数日は目を覚まさないレベルの一撃を食らいましたが、ナローシュはピンピンしています。
チートの三度漬けかな。
次は剣術の訓練が始まります。(魔術学園の試験に備えて体術やら剣術の訓練?妙だな……)
剣の握り方から始めましたが、即座にマスターして褒められます。
チートの四度漬け。
最後に魔術の訓練。
ですが、師事する相手がとにかく不快。自分が信仰するする属性以外は全てゴミ同然と見下します。
キャラが不快なうえに案の定主人公は一瞬で習得するので、特に語ることがありません。
チートの五度漬け。
一か月の修業を終え、いよいよ入学試験の日がやってきました。
肝心の実技試験の内容ですが、教官に対し体術、剣術、魔術、手段を問わず攻撃してサークルから外に出したら合格とのことです。
「魔術学園なのに体術や剣術で受かる」「防御魔法や回復魔法が得意な受験生は圧倒的不利」
等々、もはやなろう小説の試験内容は突っ込みどころしかありませんね。そのようなノルマでもあるのでしょうか。
教官は一切の防御魔法を使わないようですが、体から常に微弱な魔力が出ており、弱い攻撃なら何もしなくても無効化されるようです。
史上最悪の魔眼(笑)よりもよっぽど生活に支障をきたす体質と思うのですが、作者が特に触れないため私もスルーします。
それに対し主人公は最弱の魔法をぶつけます。ただぶつけるのではなく、教官の魔力に波があり、魔力が全く出ていない瞬間に攻撃を加えました。
魔力が出ていない瞬間を狙われたら教官といえど避けないわけにもいかず、試験は合格となりました。
これ、適性が全くなくてもまぐれで合格する人が出てくると思うんですけど、そのような存在は作者によって裏で消されているのでしょう。多分。
次は筆記試験ですが、内容は解ける難易度ではなく、受験生の考え方を見る試験だそうです。
というのは建前で、「主人公が世紀の難問をスラスラと答えてすげえええええええ」をやるための設定です。前にも見ましたが、ワンパターンにもほどがある。
当然のごとく合格した主人公ですが、短いスパンでクラスメイトとガチの殺し合いを二度もします。
どちらも話せば解決する内容ですが、名門校の生徒らしからぬ沸点の低さからケンカを売られます。
人を容易に傷つける技術を習得するのに一番重要なのは道徳心。それを実感する内容でした。
殺し合いした二人の中で、女生徒のほうは戦闘後になんやかんやあって同衾しました。
「襲ってこないかどうか試した」ようですが、話を聞かずに殺しにかかってくる女を好んで抱く奴はあまりいないと思うんですが。
【追記】
ランキング見たらなんかタイトルとあらすじが変わっていました。
【新タイトル】
(´・ω†`)最強の魔眼は物置小屋へ~封印されて早十年、ここから先はずっと俺の無双ターン~
【新あらすじ】
『最強の魔眼』を授かった少年がいた。彼はその圧倒的な力を使い、大切な家族を理不尽な暴力から守った。きっとみんな、喜んでくれると思った。
しかし、現実は残酷だ。魔眼の力を恐れた家族は、彼を物置小屋に封印してしまった。
十年後、少年は自称ボランティアの大魔術師に引き取られ、理不尽から抗う術を――魔術という力を学ぶ。彼はその後、王立魔術学園に入学し、ただひたすら魔術を極め続け――。
最強の魔眼を宿した最強の魔術師が、この世のありとあらゆる理不尽を蹴散らしていく!
変更前とあまり情報量が変わっていないのですが、なんで変更したんですかね。
>この世のありとあらゆる理不尽を蹴散らしていく!
……なるほど。史上最悪と名ばかりの魔眼を手にしただけで両親から邪険にされ、クラスメイトから殺されかけるのは確かに理不尽ですね。
まあ、「この世の」というより、「主人公の」といったほうが正しいと思いますが、のちに世にはびこった美少女奴隷を助けて飼育でもするんですかね。
タイトルのほうですが、感想欄のほうで若干苦言を呈した読者がいました。
さて、戻すのかな?




