【世界最強の執事】ブラック職場を追放された俺、氷の令嬢に拾われる~の感想
【タイトル】
【世界最強の執事】ブラック職場を追放された俺、氷の令嬢に拾われる ~生活魔法を駆使して無双していたら、幸せな暮らしが始まりました~
【あらすじ】
アルトはルーベド家の執事として育ち、幼馴染のウェンティ令嬢と共に育てられた。その恩を返すため猛勉強し、剣術、魔法と自分なりに生活に必要な魔法を開発することで優秀な執事になっていった。だが、ウェンティの横暴な性格が、次第にアルトを苦しめていく。
ある日、アルトは疲労から倒れて当主から追放を言い渡される。「娘の面倒も見れぬ無能は、早く出ていくがいい」
そして、生きるために他の貴族の依頼を受け、自分が開発したオリジナルの【洗濯】【ベッド】【お風呂】の魔法を使い侯爵家のイスフィール家に拾われる。そこで氷の令嬢に溺愛されることになる。
さらにアルトはこれくらいは当たり前だと思っていた仕事が、とんでもないことだったと気づく。
無自覚に無双していくアルトは、商売に手を出し、次第にその頭角を周囲に知らしめていく。
これは銀髪のクーデレヒロインに拾われたアルトが、成り上がっていく話である。
【あらすじを読んだ感想】
まさにTheなろう小説って感じですね。自分なりのオリジナリティある設定をかなぐり捨てたところとか。
相も変わらず追放からの無自覚無双。でもって主人公の能力が【洗濯】だの【ベッド】だの……。
【洗濯】はまだわかる。なかなか落ちない汚れを簡単に落とすとかでしょう。
【ベッド】ってなんだよ。【家具作成】とかじゃダメなのかよ。
【お風呂】ってなんだよ。なにそのソープ嬢が持ってそうなスキルは。
今までのなろう小説でも「ネーミングセンスがダサい」と思う場面は多々ありましたが、一番ダサいのは何のひねりもなく直球で名づけることだと思いました。
【本編を読んだ感想】
主人公は貴族に拾われ、恩を返すためにお嬢様の無理難題に答えてきたそうです。
主人公以外のメイドたちは仕事についてこれないから皆やめていき、唯一残った主人公も「娘の面倒を見れなかったから」という理由でクビにされます。
それで働く人がいなくなった結果没落するのでしょう。読者はこれで「ざまぁ」とかほざくのでしょうが、あからさまな泥船に最後まで乗り続けた主人公も同じ穴の狢としか言えませんね。
ちなみにお嬢様は、子供のころは我儘ではなかったそうです。
成長のたびに無理難題を押し付け、叶わなかったら癇癪を起していたようですが、それに対し節制を持つことを教えるのも教育係の役割ではないのでしょうか。
我儘になった責任は主人公にもあると思うのですが、主人公は反省することなく被害者面をし続けます。
追放された主人公は生活費を稼ぐため、冒険者ギルドに行きます。
原文を引用しますが、
>簡単に稼げてお金を手に入れることが先決だ。
とのこと。
これから起こることを作者から耳打ちされているのか、「簡単に」稼ぐことを考えています。
まあ、日雇いバイトみたいな仕事でその日の宿泊費を稼ぐという意味でしょうが、今までが今までだけに邪推してしまいます。
選んだ仕事は貴族の衣類を洗濯する仕事でした。
追放前の職場で、寝る間も惜しんで研究した魔法によって一瞬で汚れを落とすことが出来る主人公。
1着洗うだけでそこそこの額になるとのことで選びました。
早速洗濯を始める主人公。一日洗っても落ちない魔物の血を、魔法によって簡単に落とします。
執事やメイドからどうやったのかと質問されます。
それに対した回答が
>「す、スライムがいるじゃないですか? あれって吸収した物を消化しますよね。その発想で、水に消化を付与してその濃度を薄める。汚れだけを取るように粘りっ気のある液体を作り出したんです」
>「そ、そんなことが出来るのか⁉」
>「魔法は発想力とイメージで色々と出来ると書いてあったので……」
なろう小説において、主人公以外のキャラの想像力は貧弱なのは常識ですね。特に追放側とか。
そんなところで設定に整合性を持たせるなら、もっと設定を練ってもらいたいところです。
一方追放側。
新しく王都から呼び寄せた執事は、お嬢様からの無理難題に対し困惑していました。
そりゃ執事って普通要人の身の回りの世話とかが本業なのに、魔物の肉が食べたいから狩って来いなんて要望を叶えるはずありませんからね。
その執事も「家事ならできるがそれは冒険者ギルドに言え」的な返答をします。
まあ、この執事もまともにお茶を出すこともできないようですが、これは作者の都合によって無能にされたためだとしか考えられません。
この小説で一番かわいそうなのは、ぼろ雑巾になるまで使い倒されたうえ追放された主人公ではなく、この執事だと断言できます。
話を本筋に戻すと、洗濯で気に入られた主人公は客人として迎えられます。
その貴族令嬢は別名「氷の令嬢」と呼ばれているそうです。
その由来ですが、
>「貴族は元々、気性が荒く、身勝手な方が多いのです。ウルクお嬢様はそう言った方が本当に嫌いです。ですから、貴族と仲良くなることはなく、平民である我々と同じ目線で物事を語ってくれるお優しい方なのですよ」
>だから噂では氷の令嬢と呼ばれているのか。
普通「氷の」って形容されるって、冷たいとか冷血漢とか、どっちかというとマイナスのイメージで使われると思うのですが……。
というか上記の説明のどこに氷の要素があるのか、全然理解できません。
「氷属性の魔法を使うから」という理由の方がよっぽど理解できるのですが、なろう作家は他人に説明する能力が著しく欠け、自分の頭の中で思考を完結するためにこのような頓珍漢なことになるのでしょう。
貴族と食卓をともにすることになった主人公。そこで屋敷の主人である老人に出会います。
その老人は目の下にクマがあり、話によると寝つきが悪いとのこと。
そして、「王都のベッド」があればよく眠れるかもしれないとのことです。
普通そこは「(ブランド名)のベッド」と呼称するところではないでしょうか。
そこまで名前を考えるのは面倒くさい、楽して書籍化して金稼ぎしたいということでしょうか。
それとも王都のベッドは皆寝心地が良いものだというのでしょうか。
恐らく前者だと思うのですが、些細なことなのでスルーします。
ベッドの素材のため、魔物狩りに来た主人公と令嬢。
令嬢は冒険者なのですが、魔物に対する知識は主人公の方が上のようです。
このような場面で他のキャラを活躍させ、キャラを掘り下げるのが普通ですが、なろう小説は普通じゃないどころか異常なので、何が何でも主人公が一番でないと納得しません。
話を戻しますが、獲物である鳥の魔物に対しエサでおびき寄せ、令嬢が不意を突いて斬りかかりますが、命中する直前で防がれます。
その後、主人公に襲い掛かる魔物に対し、主人公は一閃、技を放ち首を落としました。
それに対し、主人公Sugeeee!と称賛した後、
>ウルク(令嬢)は気づいていないが、無意識にこう感じていた。アルト(主人公)は守ってやらなければ、簡単に死んでしまいそうだと。
と令嬢が逡巡します。
いや、お前が討ち損じた魔物を主人公は一撃で倒したんだが?どの口が「簡単に死にそう」とかぬかしてんだよ。
作者が「なんかこういうこと言わせておけば受けそう」みたいな安易な考えでセリフを考えているのでしょう。
その後は令嬢の兄を模擬試合で倒したり、実は王女を助けて並々ならぬ好意を向けられていたことがわかったりと話が続きますが、王女関連に突っ込み所があるためそこを語りたいと思います。
数年前、王女はが乗った馬車が魔物に襲われた所を主人公が助け、それに対し王女が所有する鉱山でとれた金塊の山を主人公に送ったそうです。
それは国家予算並みの価値があったり、主人公が王女を助けたことで遅刻したことを伝えないせいで追放側の主人に叱られたり、その主人も王女から金塊の山を賜ったのに主人公の価値がわからないなど、突っ込み切れないエピソードが出てきたのでここで読むのをやめました。




