表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
36/92

仕事中に気配を消しすぎて、何もせず逃げ出してると暗殺一家を追放された俺~の感想

【タイトル】

仕事中に気配を消しすぎて、何もせず逃げ出してると暗殺一家を追放された俺、なぜか超一流の騎士団に拾われました。実家が没落寸前らしいけど、信頼できる仲間と楽しい新生活を送ってるのでもう知りません


【あらすじ】

「仕事中に逃げ出すとはな。家から出て行けッ、この出来損ないが!」

暗殺一家に生まれたテオルはある日、当主のゴルドーに家を追い出された。

実際は完璧に気配を消し、様々な危険をたった一人で排除していたのだが。


その後、ひょんなことから騎士になろうと思い立ったテオルは、試験でその才能を見出され、高待遇で超一流の騎士団に迎え入れられることになる。


没落寸前になり、有能さに気づいた実家が連れ戻そうとしてくるが既に遅い。

ドラゴンを討伐したり魔の軍勢を撃退したりし、テオルは国民や同僚、そして王女からも認められる存在になっていた。


テンプレ習作です。

気軽にお付き合いいただけると幸いです。


【あらすじを感想】

暗殺者と騎士って、やってることとか立場とか、色々真逆にあるものだと思うのですが……。

なろうで言うと、能力があるのに目立ってはいけない暗殺者に嫌気がさして、目立って良い騎士を目指したとか、そんなところでしょうか。

で、暗殺者の技量を生かしてドラゴンの討伐……それと魔の軍勢を撃退……。

ごめん、ちょっと意味わかんない。

百歩譲ってドラゴンの寝首を掻くのはわかる。軍勢を撃退って何よ。

軍を率いている首領を暗殺した瞬間、烏合の衆になるとでもいうのでしょうか。


でもって本作はテンプレ習作だそうです。

だったら書籍化しなくていいよね?


【本編を読んだ感想】

主人公は暗殺者一家の三代目であり、父が亡くなった後その弟が継ぎ、そこから働き詰めの毎日が始まったそうです。

追放を言い渡された時も厳しい任務を最速でこなしてきたばかりで、五日間も眠っていない自慢をしています。

ここ読んだとき、普通なら「実は主人公は人間ではない」という伏線になるところですが、まさか「主人公の倫理観が人間のものではない」伏線だったとは思いませんでした。


追放された理由ですが、二人の弟子に任務を押し付け、逃げだしたからとのこと。

それに対しナローシュは、円滑に任務を遂行できるよう、危険すぎる障害を排除していたと説明します。

その危険すぎる障害とやら、弟子二人は存在を知らなかったようですが、ちゃんとブリーフィングで説明した……わけないですよね。

今後の展開を見てもわかるのですが、この主人公、とにかく報連相ができません。

任務でどんな敵が現れるかを弟子に伝えませんし、勝手に任務を引き受けてそれを当主に伝えなかったりと、組織で働くことが不可能な人物です。

それでいて騎士になりたいとか、どの口がほざいているのでしょうか。

それとも、この世界の騎士は典型的な悪の組織みたいに、幹部が各々勝手に動いてリーダーを悩ませるような組織なんでしょうかね。


話を戻しますが、主人公は罵ってくる追放側に対し、


>正直、人を平気で貶める彼らを好きになれない


という感想を抱きます。

言ったな?それ言ったなら無自覚無双するなよ?


追放された主人公は、いきなり(作者の都合で)王国で騎士になるための試験が行われていることを思い出します。

その時主人公は今までの暗殺者生活を思い返し、馬鹿げた殺しをしたことはないと胸を張って言えるそうです。

いやー……まさか自身の殺人を正当化しだすとは……。

私は今までの感想で「追放は殺人よりもやってはいけないことなので~」などと冗談交じりに宣っていましたが、まさか本当に殺人を軽く考える主人公が出てくるとは思いませんでした。

「悪人だけ殺しているんだからいいだろ!」と思われる方もいるでしょうが、悪人だとわかっているなら法で裁けばいいだけですし、証拠をもみ消すような奴だったとしても暗殺自体は卑怯な手段に変わりなく、少なくとも胸を張ることではありません。

なろう作家は追放側の知能を意図的に下げ、頭のおかしいキャラを作っていますが、この作品においては主人公が一番狂っていると胸を張って言えます。


ちなみに主人公が受けようとしている試験ですが、主人公がいた国とは別の国で行われているようです。

その王国からしたら、「騎士を募集したら他国の有名な暗殺者が受験しに来た」という、明らかに怪しい状況なのですが、そのような目を瞑るにはあまりにも粗すぎるガバから目をそらさなければまともに読むことはできません。

習作とは言え、もっと設定を考えてほしいものです。


試験内容ですが、闘技台の上に複数人が戦い、残った十人が合格となります。

試験開始と同時に、皆弱そうな主人公に襲い掛かりました。

それに対し、主人公は気配を薄くしました(?)。

すると襲い掛かろうとした受験者たちは、主人公の姿を見失い、その隙に主人公は手刀で次々と気絶させていきます。

で、気配の意味なのですが……


け-はい【気配】

はっきりとは見えないが、漠然と感じられるようす。


要するに、自分の後ろに誰かいたとき、姿は見えないけど何となく存在はわかる。

そのような意味であり、目視できる状態で気配を消したところで意味はないんですが……。

こんな漠然とした表現を用いるということは、コミカライズさせる気は微塵もないということでしょう。多分。


他の受験者を全滅させた主人公は、その腕を見込まれて王女直属の騎士団にスカウトされます。

お偉いさんに滅茶苦茶近い場所に就くことになるわけですが、身辺調査なんかされません。

この作品、栄転する主人公たちの組織が現実に存在したら破滅まっしぐらだと思うんですよ。

いくらファンタジー(日本語で空想)だからと言ってもリアルから離れすぎるのはどうかと思います。


入団した主人公は早速実力を測られます。

正面から突っ込んでくる相手に対し、『闇魔法・〈存在隠蔽〉』を展開。

すると何もない空間に闇が出現し、主人公の体を飲み込みその存在を極限まで薄くしました。

で、読者の方に想像していただきたいのですが、「闇が出現した」ってどういう状況なんですかね。

飲み込んで存在が薄くなったって、単に姿が消えたのと何が違うんですかね。

最初は幽霊みたいに見えないだけでなく、触れられなくなるものと思ったのですが、敵の飛ばした斬撃をわざわざ躱すくらいなので違うのでしょう。

この作品、設定がガバガバなだけでなく、戦闘描写も「なんかかっこいいっぽい」みたいな考えで書いているのか、読んだ人みんな別々の情景を想像すると思われるほどの描写の薄さが目立ちます。

でも、対戦相手が何をしたかは想像できます。回転しながら跳ぶ攻撃をしてました。想像したらダサかったです。


入団し初仕事に挑む主人公。

魔物の群れに対し、「闇魔法――反転」。刹那、深淵を覗く闇が反転し、眩い光が顕現。弾丸となったそれを、すべて消し去るように拡大噴射しました。

もう、何言ってんだよと。突っ込みが追い付かねえよ。

深淵を覗く闇ってなんだよ。なんでわざわざ反転させる必要があるんだよ。拡大噴射ってどんな射出方法だよ。というか、やっていることが暗殺者じゃねぇよ。ただの闇魔法使いだよ。

そして、この技は主人公が命を奪っていい相手にしか使わないそうです。

が、ここまで殺していい奴の基準が全然示されていません。悪人とやらもどこまで殺っていいのかすらでてきません。

基準が聞きたかったら作者に聞くしかありません。私は別に聞きたいとは思いませんが。


一方追放側。

主人公を追放したとたんに大きな仕事の依頼が入りました。

その内容がドラゴンを討伐し秘宝を持ち帰るというもの。依頼主は「暗殺者」がどういう者かわかっていない馬鹿なのでしょうか。

追放側だけでなく、追放側を罵るお偉いさんの知能を下げるのは斬新ですね。

事前に弟子が下調べしたところ問題なし。任務は成功すると信じていました。

作者は「でも実際は未熟なんだけどなぁ」とニチャりますが、どう考えても原因は主人公の指導力不足にしか思えません。


最後に主人公の祖父について。

暗殺者一家の創始者であり、主人公にやりたいことをさせるため、当主による追放に賛同。

「家は没落するだろうけど、当主が無能だから仕方ないね」みたいなスタンスのキャラです。

主人公と言いこいつと言い、自身の指導力がないのを本人が無能なせいと簡単に切り捨て、自分が本当の無能だと気づいていない老害みたいな奴らです。

まあ、この作品の世界は力が強い奴が偉いという、いわゆる「猿山ルール」に則って行動していると考えるとしっくりきます。

世の名作の主人公たちは、大体この「猿山ルール」に反抗する側なんですけどね。


ちなみに33話で、心の中でとはいえ弟子を見下します。

それも追放側の中で最初に主人公の強さに気づいたキャラを、です。


「ごんぎつね」のごんは誤解が解けたことを、殺された上でうれしく思いましたが、なろうでは誤解に気づいた奴は追い込むようです。

なろう小説が名作になれない所以ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ