第五十一話 一期一会
本日二回目の更新ですm(_ _)m
五十話がまだの方は、そちらからどうぞ!(っ'-')╮=͟͟͞͞ブォン
「ルゥ、おかえりなさい」
ルチアが俺に顔を向けた。
「あ! ルゥ君だ! 久しぶりだねー! 元気だった?」
カナエは相変わらず元気だな……。
「元気ですよ。なんか、ギルドに駆り出されてるって聞きましたけど……」
「そうなの! 聞いて! なんかよく分かんないんだけど、『黒仮面』とか呼ばれてる奴を探せ! って、ギルドが必死なのよ!」
「……へぇ。大変ですね……」
「ほんとだよ! 『黒仮面』って言われたって、仮面取ったらただの人だよ!? 見つかるわけないよ」
ルチアの視線が痛いなー……。
「ギルドは、『黒仮面』を探してどうするつもりなんですかね?」
「知らないよー。なんか、『奈落』の異変のことで聞かなきゃいけないことがあるとかないとか……」
はぁ……絶対にバレないようにしないと……。新しい仮面、買わなきゃ。
「それで……ルチアとは何を話してたんですか?」
「あ! そうそう! ルゥ君の仲間のルチアさん、凄い人なんだね! ここの問題を解決してくれるっていうから、話を聞いてたの!」
「その……新しい土地で一から始めることになると思うんですけど、反対する人はいませんでしたか?」
「んー……いるよ、そりゃ。でも、ほとんどの人たちは賛成してるみたい」
まぁ、それならそれでいいか。
「ねぇねぇ、そろそろ後ろの人たちも紹介して欲しいな?」
あ、いけね。忘れてた。
「俺が所属してる『対の刃』の仲間たちです――」
俺はカナエに皆を紹介した。
「うん、みんな強そうだね! 一応私もBランクだから、なんとなーく分かるんだ」
「いやー、そうなんですよ、こう見えてぐぉっ……」
褒められてデレデレしていたグランの脇腹に、サリアの肘がめり込んだ。
「あははっ! 仲も良さそう!」
問題が解決に向かい、彼女特有の明るさが完全に戻っている。
……ちょっと眩しすぎるけどな。
※※※※※
「それじゃあ、準備が整ったらまた伺いますね」
ルチアはカナエにそう挨拶した。
「本当にありがとう。まさかこんな……夢みたいなことが起きるなんて」
「私も商売人ですから。気にすることはありません」
「……そっか! ルチアさんもちゃんと儲ける算段が立ってるんだね!」
「もちろんです」
……そうなんだ。スゲーな。
「あっ、そうだ。ルゥくん……ちょっといいかな?」
「はい? 俺ですか?」
なんだ? もしかして……バレた?
「では、私たちは先に宿に戻りますね。皆さん、行きましょう」
「え? いいのがっ……」
グランが何かを言いかけて、今度は笑顔のリーズに殴られてる……。
皆が立ち去るまで、カナエは何も言わなかった。
「……どうしたんですか?」
沈黙に耐え切れず、俺から話しかける。
「その、引き止めちゃってごめんね……どうしても、聞いておきたいことがあって……」
……俺の額にじわりと嫌な汗が浮く。
「な、なんですか?」
「その……ルゥくんは、土地開発の問題を解決するために、わざわざ隣の国から来てくれたんだよね?」
『黒仮面』の話じゃない! 良かった……。汗が一気に引いていく。
「そうですね。話を聞いたら、ほっとけないなって思ったので」
「……なんで? どうしてそこまでしてくれるの?」
うーん……なんでって言われてもなぁ……。
「カナエさん、俺と初めて会った時、俺になんて言ったか覚えてますか?」
カナエは少し考えて、はっと目を見開いた。
「『一期一会』です。いい言葉ですよね。俺は、あなたにいただいた恩を返しに来ただけですよ」
「ルゥ、くん……」
カナエの目から、涙が一筋こぼれた。
……どどど、どうしよう。なんで泣いてるんだ? 俺か? 俺のせいか?
俺があたふたする姿を見たカナエは、涙をぬぐいながらくすりと笑った。
「もぅ……かっこいいこと言ったのに、かっこつかないなぁ」
「……かっこよかったですかね?」
頬をかく俺にカナエが近づいてくる。そして――
「なっ!」
俺を抱きしめた。
「好きになっちゃったじゃない……」
なぁぁぁぁぁぁ!?
なぁぁぁぁぁぁ!?
(;゜Д゜)<何言っちゃってんのこの子!?
次話もお楽しみに!




