喜び
「ティア見て!」
リズは帰ってからも練習していたらしく、器用にお花を出す。こうしたらね…ほら!土!と見せてくれ凄い進化している。私も練習しないと。
「セレスティア嬢今日私達はルカーシュ殿下に婚約祝いを届けるという使者です。直接お会い出来る段取りにうちの殿下がしてくれてますので、難なく会えると思います。セレスティア嬢が行くと言うのは伝えてませんので、実際どうなるのかはわかりません。」
「はい。わかりました。色々ありがとうございます。会えるだけで充分です。殿下にはまたお礼をさせていただきます。」
「あの時一瞬だったからどんな方か私全然知らないのよね。アレン様はお会いした?」
「1度殿下に紹介頂き、ご挨拶だけした程度です。リズはあまりはしゃがない様にね。」
はーいっと返事をし、楽しそうにしている。リズも隣国は初めてらしく私達は昨日からとても楽しみにしていた。
「ティア再会楽しみ?」
「うん。喜んでくれるかな。でも…不安もある。間違えたって思ってないかな?とか、反対されているんじゃないのかなって…。」
「直接聞けばいいよ!せっかく会えるんだから不安は無くした方がティアのためだよ。」
「ありがとう。」
リズについてきてもらって良かった。1人にだと絶対不安に押し潰されそうになっていたはず。
「アレン殿わざわざ来ていただきありがとうございます。」
「急な謁見を許可頂きありがとうございます。」
「ティアに会わせてくれたランドルフ殿の申し入れなら、いつでもお受けするに決まってるではないですか。私もすぐまた入国許可を頂かないと駄目ですしね!」
「ありがとうございます。これからも両国手を取り合っていけそうですね。殿下よりの品をお持ちしますので、少々お待ち頂いてよろしいでしょうか?」
扉の前で待機をしていた私を許可を貰ったアレン様が呼びに来る。髪色を変え眼鏡をかけた私は箱を持ち中に入る。ルカ様と目が合うと唖然とした顔をしている。
「…ティア!!」
駆け寄るルカ様に抱きしめられた。え?私ってわかるの?ルカ様は会いに来てくれたの?とこめかみに口づけを落とす。
「違う髪色も可愛いね。アレン殿と来てくれたの?可愛い。会いたかったよ。」
「ルカ様少し離して頂ければ…」
「え?嫌だよ。何で?私から離れたいの?」
周りの人が驚愕した目で見ているから居た堪れない。室内に居た人が慌てて扉を開け出て行った。
「アレン殿!ティアを連れてきてくれてありがとう!ティアお茶飲む?今日は泊まる?いつまでいれるの?」
「あの…ルカ様ちょっと…コレを」
ランドルフ殿下から預かった品を渡そうとするが全く聞いてくれない。ルカ様落ち着いて欲しい。
「ルカーシュ様!離れて!!」
「…カイ。誰?カイ呼んできたの。邪魔しないでよ。私のお嫁さんが会いに来てくれたんだよ。離れる訳無いよね?」
「セレスティア様が困ってるでしょ!!嫌われますよ!?」
ルカ様は私の腰を抱きながら顔を覗き込み、私を嫌わないよね?と甘い顔で聞いてくる。思わず頷くと抱きしめられる。
「とりあえずセレスティア様がお持ちの物を受け取りましょう?疲れてしまいますよ。」
「ティアごめん!重かったよね?ランドルフ殿から?ありがとう。あ、アレン殿もお茶飲む?すぐ用意してもらおう。」
「ルカ様あの!」
ん?と首を傾け聞いてくれる。何?ティア2人きりになりたい?と耳元で囁かれ真っ赤になってしまう。手で顔を覆うと可愛いって頬に口づけされる。
「皆がついていけないのでルカーシュ様落ち着いてください。とりあえずお茶用意出来ましたので部屋を移動しましょう!」
カイ様が頑張ってルカ様の暴走を止めてくれる。行こうと手を取られ慌ててルカ様を止める。
「あのルカ様!もう1人来てるのです。出来れば一緒に!ついでに着替えたいです!」
「ティア誰来てるの?じゃあ先にティアの部屋に案内するから行こう。」
「親友でアレン様の婚約者でもある子が一緒に来てくれてて、1人待機してくれてます。ルカ様に紹介したくて。」
案内されながらリズの説明をする…部屋?私の部屋あるの?来るのまだまだだよね?
「アレン殿その子連れてきてよ。案内させるから少し待ってて。着替えたティアと共に後で行くね。」
アレン様と別れ陽射しのよく差し込む暖かい廊下を進み奥へと案内される。ここだよって案内された部屋はルカ様の隣の部屋で、白で統一されたとても可愛いらしい家具が設置されていた。
「すぐ迎えに来るからね。」
ティアの着替え手伝ってあげてと侍女達に指示を出し退室して行った。
「セレスティア様お手伝いさせて頂きます侍女長のランでございます。こちらにご用意させていただいております中からお選び下さいませ。」
「用意?沢山贈って頂いたのにまだあるの?」
「いつお越しいただいても大丈夫な様にとルカーシュ殿下の指示によりご用事しております。」
クローゼットに入ると沢山のドレスやアクセサリーが並んでいる。こんなに?
「これにしようかしら。可愛いわ。」
「殿下の色ですね!お似合いになると思います。お着替えいたしましょう!」
「あの…ルカ様は今まで婚約者とかは居なかったのですか?」
「はい。夢姫様を待ち望んでおられました。まだかまだかと我々もずっとお待ちしておりました。セレスティア様とお会い出来て本当良かったです。」
「夢姫様?」
「夢の姫と結婚すると幼い頃よりおっしゃってました。やっとお世話ができると思うと涙が出る思いです。こんなにも可愛らしい方だとは思ってもおりませんでした。」
「私なんかでルカ様がっかりしていないかしら…」
「とんでもない!お会いできて以降ずっと浮かれておられます。もうふわっふわです。秘密ですよ。」
お茶目に笑う侍女長を親しく思える。扉がノックされ殿下がお越しだと告げられ、ルカ様が入ってくる。
「可愛すぎる!ティアおいで。よく見せて?」
「はい!」
「可愛いね。よく似合ってる。」
優しい顔で隅々まで見られ恥ずかしい…もっと色々用意しとくねと言われ、まだまだ着てないの有りますから!と断るが笑顔で流される。
「私もルカ様に贈り物があります。」
「ティアが来てくれただけで充分なのに。」
「沢山贈り物を頂きありがとうございます。こちらを受け取って頂けたら嬉しいです。」
ありがとうと抱きしめられ、唇が重ねられる。嬉しいよ!と受け取ってくれ箱を開けている。え?今口づけされた?侍女長を見ると目を逸らされた。
「すぐ付けるね!似合う?」
ルカ様が自身の色を沢山くれたので、私も水色のピアスを贈る事にしたのだ。お似合いですと褒めると、頬を撫でられまた唇が重ねられた。
「ん…ルカ様…」
「ティア可愛い。」
唇を舐められ色気が溢れ出しているルカ様がまた近付いてくる。
「ルカーシュ様!まだですか?!!」
扉が勢いよく開けられカイ様が飛び込んできた。ルカ様がはぁぁとため息をつき、行こうかと手を取ってくれ歩き出す。カイ様ありがとう!私もう死ぬかと思いました!
「アレン様とリズ様もお待ちですよ。全く目を離すと何をするかわからないんですから!セレスティア様も嫌なことされたら叱ってくださいね。」
「ルカ様にされて嫌な事はないですよ。恥ずかしいだけです。」
ティアー!とくっついてくる。不安はあったけれど、間違えたとは思われてなかった様で安心した。




