旅
「ティア!婚約したって本当?!」
「…!!?」
あぁ!リズに説明するの忘れてた!ルカ様が現れた所にはいたけれど、そういえばその後居なかった…怒涛過ぎた昨日が悪いと思う。
「倒れた後あの人がティアを連れて行って帰ってこないし心配したんだから。アレン様が殿下からティアが婚約したと聞いたって教えてくれて…」
「あの後色々あって両親も王宮に呼ばれて家に戻ったの夜で…心配させてごめん。」
ギュッとリズを抱きしめる。心から心配してくれているのがわかる。耳元であの人王太子って本当?と聞かれ頷く。
「これから殿下に伺うんだけど週末隣国へ行こうと思うの。行けるなら一緒に行ってくれないかな?」
行く!聞きに行こう!アレン様いるかな?と手を取り殿下に会いに向かう。私達から殿下に会いに行くのは初めてなので緊張してしまう。
「セレスティア嬢昨日はお疲れ様。リズ嬢も一緒にどうしたの?アレンに用事?」
上級生の教室に向かう途中殿下に偶然会う。殿下に聞きたい事があってと伝えると、こっちへと個室に案内される。
「あの…週末隣国へ行きたいのですが、すぐ行って会えるものなのでしょうか?」
「え?行くの?ルカーシュ殿には秘密で?」
「昨日あの後沢山贈り物を頂いて…お礼を言いに会いに行ったらどうかと父が。」
殿下が少し思案して、ニヤッと笑い私に任せて!と。2人で行くならリズ嬢はアレンに許可とりなよって。会える様に早速段取りしとくからまた連絡するね!と部屋から出される。
「良かったね。会いに行けるね!ティアに相応しいか見極めないと。」
「リズはアレン様に許可貰えるかな?」
「絶対もぎ取ってみせる!よし、とりあえず授業に行こう!」
昨日の復習からしましょう!と授業が始まる。集中し魔法回路を使い手に光を集める。ティア様お上手です!とカレン様が褒めてくれる。
「はい、では!皆さん大体出来る様になりましたね。今のが基本中の基本です。この光を出す時に属性をのせていきます。そうすると各属性ごとの属性魔法を使えるようになります。」
この様にとニコル先生が見本を見せてくれる。光が綺麗な炎へと変化する。
「先生は火属性なのでこうなります。透明な液体に色をいれるように属性を流すと変化します。流し過ぎると暴走するので気をつけてくださいね。魔力が枯渇したりもするので注意が必要です。少しずつ混ぜてください。」
んんん?わからない。まず核から出すでしょ…そこに混ぜる…。あ、何か…青い光が。少し混ぜる。光だったものが液体になり手の平に集まる。水?
「ペングローブさんは水でしたね。上手にできてますよ。これを続けると水の球を作れる様になります。作り方によって色々出来るわけです。安定して作れる様に練習しましょうね。」
「ありがとうございます!」
手の平を見つめ水を触ってみる。本当に水になっている。お母様みたいに一斉に水を撒くとかも出来る様になるのかな。わくわくする。
「ティアはい!初めて出せたお花。」
婚約祝い!おめでとうってリズが渡してくれ、私は涙が出そうになるが頑張って止める。リズはまた練習に戻っていき、ハンカチにお花を挟む。大事にしよう。永久保存できるかな?
「ティア様ご婚約されたのですか?」
「あ、はい。まだ公にはしていませんが昨日しました。まだ全然実感はありませんけど。」
「それは、おめでとうございます。政略結婚ですか?」
「政略では無い…です。恋愛…」
これ恥ずかしい。政略結婚ではないけど自分で恋愛って…恋愛なの??
「ティア様真っ赤になって可愛らしい。良いお相手のようですね。」
「…はい。とても良い縁を頂きありがたいです。」
手で顔を扇ぎ熱を冷ます。恥ずかしい。
「はい!皆集まってー。授業終わりますよー。お休みの間も少しずつ練習するようにしてください。無茶だけはダメですよ。」
はーい!と返事をすると、丁度授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。ランチを取るためにリズとカフェテリアに移動をすると、入口のところにアレン様が立っている。
「ちょっといい?」
「はい!何でしょう?」
「朝の殿下への件だけど、私もセレスティア嬢と一緒に行く事になったよ。詳しくまた話すけど明日早朝に迎えに行くから、旅の用意しといて。リズもね。」
「「はい!」」
明日が楽しみ過ぎて午後の座学は全く集中できなかった。何を持っていこうか、ルカ様は喜んでくれるのか色々考えてしまう。
「明日隣国へ行ってきます。ランドルフ殿下に相談したらアレン様をつけてくださり段取りして下さいました。」
「気をつけていくんだよ。」
帰宅後着替えてすぐお父様に報告をしに行き部屋に戻る。アンナに荷造りをお願いし旅の支度を始める。
「頂いたお洋服を着ていきましょうね。持っていくのも全てそうします。沢山あって悩んでしまいますね。」
アンナは楽しそうに荷造りをしている。あの件聞いてきてくださいねと念押しをしながら、あれもこれもと色々詰めてくれる。帰りに宝石店に立ち寄りルカ様への贈り物も用意をした…喜んでくれるかな。やっぱり婚約間違えたってなっていないかな。複雑な想いを胸に眠りについた。
「王宮からの使者として行きますので、馬車も殿下が用意してくれました。さ!参りましょう。」
翌朝現れたアレン様はとんでもない豪華な馬車で迎えに来てくれた。家族に見送られて初めての隣国へと向かう。




