3.5日目
ん?暖かいと思いながら目を冷ます。ここどこだろうと思った瞬間、誰かに抱きしめられている事に気づく。え?!パッと目を開けると私はルカ様に抱きしめられている。ソファーに座り足の上に横抱きされている。え?!どういう状況??パニックになりながら私は慌てて離れようとするが、離してくれない。
「もう大丈夫?ティアが急に倒れたんだ。」
私の頬をそっと撫でながら心配そうな顔をしているルカ様。王太子の話を聞いた時に気を失ってしまったようだ。ギュッと抱きしめられた腕に安心し胸元に頭を寄せる。初対面なのに昔から知っているような感覚に甘えてしまう。
「…可愛い。いつお嫁さんになる?早いほうがいいよね?」
顔を真っ赤にし口を手で押さえながら、嬉しそうにルカ様が言っている。近くでゴホっと咳払いが聞こえる…人がいる?!そっと横を見るとカイ様とランドルフ殿下がいる!!とんでもない状況に私はルカ様に離して欲しいとお願いするが聞いてもらえない。
「ルカーシュ様には離すよう何回も言ったけど聞かなくて。まだ婚約もしていない状態なのに、セレスティア嬢には大変申し訳ないです。」
はぁとため息をつきながらカイ様は諦め顔で説明してくれる。昔からルカ様も夢を見ると。そして夢の子とじゃないと結婚しないと言い張っていた事に痺れを切らしたカイ様が、調査のために留学生として入国した事。長期間を想定していたが初日で該当者がいたて、まさか本当に見つかるなんてって感じだったらしい。
「会いに来てよかったよ。」
昨日連絡を受けたルカ様はすぐ段取りをつけて入国をしたらしい。違う人だったらどうするつもりだったんだろう。チラッとルイ様を見ると穏やかな目で私を見ていた。いつから見ていたのだろう。
「ランドルフ殿この度は我々のお願いを受け入れありがたき存じます。この礼は必ず。」
ルカ様は正面に座るランドルフ殿下へ話しかける。
「まさかカイの留学とルカーシュ殿の入国がそんな理由があろうとは…」
「それでこのまま連れ帰っても良いですか?」
ルカ様はとんでもない事を言う。部屋に沈黙が流れる。
「あのルカ様…私行けません。」
「「え!なんで!」」
「大事にするよ?!!」
「セレスティア嬢そう言わずに!」
私の言葉にルカ様とカイ様が慌てだした。
「私は魔法を勉強したくて入学したばかりなのです。それを諦め隣国へ行くことはできないです…ルカ様が求婚してくださって嬉しかったですが、申し訳ありません。」
魔法を使いたくて今まで勉強してきた。それを諦めるなんて私にはできない。私を抱きしめていた腕にグッと力が入る。そっとルカ様の頬に手を当てると、愛おしげに私を見つめている。
「待つ!待つから!卒業したらお嫁さんになってくれる?」
「でも…。」
「大丈夫!会えるのを何年も待ったからあと少しくらい待てるから!」
「…待っていただけるのなら。」
良かったと言いながらルカ様は強く抱きしめる。本当にいいのだろうか。
「ティア何年でも待つよ。愛しい人。」
頬に口づけをされギューと強く抱きしめられる。キラキラの王子様にまた気を失いそう。人目があるので本当やめて欲しい。
「セレスティアどういう事なのだ?」
「いや、急に決まって…」
急遽私の両親が王宮に呼び出される。隣国の王太子が他国に長居出来る訳は無く、すぐさま帰国しないといけない事に。
「ルカーシュ·クライネと申します。セレスティア嬢に求婚させて頂き、承諾頂きました。将来は隣国に来て頂くことになりますが、必ず大切にし幸せにすると誓います。ご両親の許可を頂きたい。」
「何故この子なのですか?今日初めてお会いしたと聞いておりますが…」
「運命です。」
ルカ様は有無を言わさないくらいに、言い切っている。王太子の結婚相手を選ぶのにそれでいいのかという雰囲気になっている。
「うちの国ではルカーシュ様ずっとこれなのでわりと慣れてますが…他国だとそうですよね…」
カイ様が頭を抱えているが、ルカ様は全く関係無さそうに微笑んでいる。さすがに隣国の王太子に誰もツッコめない。
「…セレスティアはそれでいいのか?」
「はい!ルカ様のお嫁さんになります!」
ティア!と嬉しそうに抱きしめられそうになったが、カイ様が必死にとめている。
「わかりました。セレスティアをよろしくお願いします。」
両親もそれならと早急に婚約者の段取りが進み、私はルカ様の婚約者に決まった。隣国はルカ様に任せてるらしく問題無いと。両親はずっと意味がわからないといった風で、戸惑い続けていた。そらそう。朝普通に出て行った娘が隣国の王太子と結婚すると言っているのだから。
「ティア!私の可愛いお嫁さん。もう抱きしめていいよね?」
聞くと同時に抱きしめられる。あぁ可愛いと言いながら擦り寄るルカ様は可愛い。背も高く大きいので大きいワンコのよう。ギュッと抱きつくと嬉しそうにしている。
「はい!ルカーシュ様帰りますよ!ほら、ランドルフにお礼を言って下さい!大変迷惑をかけのですから。セレスティア様、私はルカーシュ様を送り届けたらまた戻ってきます。これからもよろしくお願いしますね。」
「はい!カイ様とはまだ学院で。ルカ様今度会いに行きますね。」
「私もまた会いに来るからね。ランドルフ殿この度はありがとうございました。これからティアをよろしくお願いします。」
もちろんですとランドルフ殿下が言っている。カイ様が早く帰りますよ!とルカ様を馬車へと押し込む。名残惜しそうに手を離そうとしない…一緒に連れて帰りたいと寂しそう。
「帰って手続き進めないとお嫁に来てもらえませんよ!」
「…それはダメだ。帰る。ティア必ず会いに来るからね。」
「はい!またお会いましょう!」
「ティア!愛してるよ!」
愛を叫びながらルカ様は帰っていった。これから忙しくなるが頑張るしかない。私は心を決めルカ様と共に生きていく決意する。




