3日目
「はい。今日の授業は核を見つけて魔法回路を使って手に光を集めてみましょう。」
ニコル先生の授業が始まった。素質がある人には魔法核が体にあって、そこから魔法を出す仕組みになっているらしくやってみるとなかなか難しい。皆すぐには出来ない。
先生できないよー!あちらこちらで先生を呼ぶ声がする。私もリズとやってみるが難しく出せない。
「初めての人はすぐには出来ないので、焦らなくても大丈夫ですよー。」
先生は優しく言いながら、皆の元を回りながらやり方を教えている。少しずつ分かるようになり集められるようになってきた気がするけど、まだ上手くできない。
「リズ上手!!」
「何かわかった気がするかも!ティアもすぐにできるよ!こうグルグルー…シュッと出すといける。」
リズは手に光を集めていて、穏やかな光が綺麗。説明してくれるが…言ってる事が全くわからない。わからないなりにリズの言う様にやってみる。
「こう?んー。難しいな。」
リズはもうコツを掴んで自由に出せる様になっている。羨ましい!私はなかなかコツが掴めない。
「ペングローブ様こうじゃないですか?」
「アッシュベルト様…ありがとうございます。こうですか?」
近くにいたカレン=アッシュベルト様が話かけてくれる。赤い髪と少しツリ目な赤い目をもつ派手やかな方。意外と優しく話しかけてくれやり方を教えてくれてやってみると、フワッと綺麗な光が集まった。
「!!ありがとうございます!なるほど!何かわかった気がします!アッシュベルト様のおかげです!」
「いえ。ご自身のお力です。しかしペングローブ様って可愛らしい方なのですね。」
手を見つめながらアッシュベルト様が言う。ギュッと手を握ってしまっている事に気がつく。パッと手を離し、すぐさま謝る。勢いのあまり手を握ってしまった様だ。
「そう!ティアは可愛いの!ちょっと冷たそうに見えるよね。人見知りだから慣れるまではあまり話さないのだけど、慣れると人懐っこくて可愛いのよ。」
リズが横から熱弁してきた。私は恥ずかしくて赤くなってしまった。
「本当可愛らしいですね。私もティア様と呼んでもよろしくですか?私のことはカレンとお呼びください。お友達になりましょ。仲良くなりたいです。」
くすくすっと笑いながらカレン様は私の手を取って言ってくれた。
「はい!カレン様ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」
手を握り返しお礼を言う。素敵なお友達が出来とても嬉しい。
「はい。皆さん出来ましたかー?今日はここまででーす。次までに忘れないように、各々練習してきてくださいね。」
ニコル先生が授業の終わりをつげる。
「私と結婚してください。」
リズと昼食を取るためにに食堂に向かって歩いていた。急に人が目の前に現れたと思ったら、私の手をとり傅いていた。白い騎士服にマント。まるで王子様だ。
「はい!」
私はすぐさま承諾をする。この人だ。何故かわからないがこの人だと思った。
「ちょっと!ティア!なんで!」
いきなり現れた相手からかの求婚を承諾した私にリズが隣で慌てて止めに入ってきた。
「ありがとうございます。幸せにします。」
現れた人はニコニコ穏やかな顔で、私の手を取ったまま立ち上がる。銀髪に紫色の瞳で優しそうな見目麗しい人。とても素敵な笑顔で私を見ている。あぁこの人だと全身全霊が言っている。
「ねぇ!ティア?聞いてる?!」
リズが私の腕を揺すりながら話しかけていた。知らない人からの求婚を承諾したのだ。リズは困惑している。
「リズ。この人だ。」
「え?夢の?本物?ってかこの人誰?!!ティアから手を離しなさいよ!」
手をずっと握られている。私は誰かわからないこの人から目が離せない。あぁ会いたかった人だ。リズは意味がわからないとばかりに焦っている。
「いた!見つけた!勝手にいなくならないでくださいよ!自分の国とは違うんだから!」
バタバタっと走ってくる音が聞こえて、カイ様が目の前の方を怒っている。
「ごめんごめん。見た瞬間会いたくて止まらなかった。結婚の承諾もらえたよ。」
「本当にセレスティア嬢だったのか…え?承諾もらえたの?」
誰かわからない人は、カイ様に求婚承諾の旨を伝えていた。カイ様はポカンとした顔でこちらを見ている。私は話がわからず戸惑った。繋ぎっぱなしだった手をギュッと両手で握られた。
「戸惑わせてごめんね。大丈夫だよ。幸せにするから何の問題も無いよ。」
真剣な顔で言ってくれるが全く説明になってない。私は思わずフフッと笑ってしまった。
「私のお嫁さんが可愛すぎる!」
ギュッーと抱きしめられる。良い匂いがして全然嫌な気はしない、あたたかな腕の中が落ち着く不思議な感覚。
「はい。落ち着いてください。セレスティア嬢すいません。戸惑われましたよね。昨夜報告の連絡時に伝えたら来るって聞かなくて。」
カイ様は呆れながら、抱きしめていた人を剥がしつつ説明をしてくれる。
「いえ。大丈夫です。嬉しかったです。」
離れる寂しさを感じながら相手の方を見ると、優しい目でずっと私を見ていて恥ずかしくなる。
「ストッープ。はい。触らないでください。」
「なんでよ。私のお嫁さんだよ。触るだろ。邪魔しないでよ。」
彼がまた私の手を取ろうとしていたのをカイ様によって止められている。拗ねながらカイ様に怒っている。お嫁さんという呼び方に私は恥ずかしくなってしまう。
「違います。何の手続きも進んでません。まだ婚約者でも無いです。他人です。セレスティア嬢ごめんね。驚いたでしょ。」
カイ様は呆れながら言う。こちらを向いて謝ってくれた。驚いたが初めて会ったときから全く嫌な感じはなく受け入れてしまっている。
「改めまして、セレスティア嬢。私はルカーシュ·クライネと申します。貴方に会いに隣国から来ました。ルカって呼んでください。ティアって呼んでもいいですか?」
隣国から来られたようだ。優しい眼差しで、また私の手をとり名乗ってくれる。キラキラとした眼差しにドキドキする。
「はい。ルカ様!ティアとお呼びください。…ってクライネ?クライネてまさか。」
隣国はクライネ王国…え?え?と戸惑う。もしかして…
「はい!一応王太子しております。ティアが側に居てくれるだけで幸せです。私がずっと守るので何も心配しなくても大丈夫です。安心してお嫁に来て下さい。」
ルカ様はニコニコととんでもない事を言う。隣国の王太子…私はクラっとしてしまう。




